おらんくの池(山本一力) 2002年6月から2003年の12月まで、週刊文春に掲載されたエッセーである。生まれ故郷高知のことや、上京して、定時制高校に通いながら、新聞配達をしていた頃の思い出が中心である。相変わらず、肩のこらない、寝ながら読むにはうってつけの小話集であった。
石ころだって、役に立つ 関川夏央の本を読むのは始めてである。 副題は、“「本」と「物語」に関する記憶の「物語」”である。映画「乾いた花」の池辺 良と加賀まりこ、そして、フェリーに監督の「道」でのアンソニー・クインと、ジュリエッタ・マシーナなどの映画シーンと、自分の青春の思い出を絡ませながらの作者自身のような物語であった。
晴れた空曇った顔 (安岡章太郎) 副題は、私の文学散歩、作家たちを育んだ風土との対話12編とある。 太宰 治 志賀直哉 井伏鱒二 永井荷風 芥川龍之介 島崎藤村 等大作家との対話ではあるが、私には、あまり馴染みのない人ばかりなので斜め読みとなった。