月水食堂のお弁当

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映画 そこのみにて光輝く

2014-04-26 21:27:25 | 日記
これ、たまらない作品でした。
観終えた後、エンドロールに移ると同時にこみ上げてしまい、暫く動けなかった。

暗い切ない物語です。
舞台は函館。発破作業中の事故で部下を死なせてしまった主人公達夫は、魂を失ったように毎日パチンコ屋で時間をつぶし、酒に逃げるという自堕落な生活を送る中、同じくパチンコ屋に入り浸る仮釈放中の若者拓児の家に招かれ、その貧しさに愕然とします。拓児の家には脳梗塞に倒れた父と介護に疲れ無気力になった母がいて、姉の千夏が昼夜なく働き生計を支えていました。
もちろんここで出会った二人は、おきまりのように恋に落ちますが、千夏には町の権力者である不倫相手がいて、結果的にその男にかき乱され、不幸な事件が展開します。

【そこのみにて】の【そこ】はどこ?底辺のそこでもあるし、ほんのわずかな幸せのスペースでもある。貧困が負の連鎖を呼び、がんばればがんばるほど幸せが遠のくもどかしさ。人生は理不尽だ。
主演の綾野剛、細マッチョなのにこの包容力。色気もあるのに演じすぎずいい温度。なんてかっこいいのか。

拓児役の菅田将暉のチンピラぶりはピカイチでした。かわいい、おばかなのに憎めない。

千夏役の池脇千鶴、今まであまり馴染みがなかったけど、きれいでした。その生き方も身のこなしも。

感じたことは沢山あります。
ありすぎて語りきれない、そんな作品です。

ラストシーンの美しさは最高の仕上がり。打たれました。

まぶしすぎない太陽の下で、さざなみの音を聴きながら、二人は悲しげに微笑みあう。希望を感じた一瞬です。

そうして、物語は静かに終わるのです。

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