横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

草津白根山の火山活動について

2014年09月29日 | 火山情報
御嶽山の噴火については、詳細等について続報を待ちたいと思います。特に、ひとりでも多くの方が無事に下山の運びとなりますよう、願ってやみません。

ほぼ同規模で同じ性格であると思われる前回1979年の噴火では、大きな爆発的噴火は最初の1回だけで収まっています。今回も噴煙量は収まったようですが、再びの爆発もあり得ます。慎重な救出活動や調査活動が望まれます。

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なお、今年2014年に入って火山活動をみせている山のひとつとして、草津白根山(群馬県)が挙げられます。この機会にご参考のため、取り上げておきたいと思います。

草津白根山では、2011年の震災後あたりから、火山性微動を観測するなどの活動がみられています。今年2014年の6月からは、湯釡付近での山体膨張が観測され、現在までほぼ継続しています。ただし、火山性微動の観測はほとんどなく、火山性地震の数も今年8月以降は少なくなっているようですのです、いまのところは「噴火の兆候」とまでは呼べないレベルだと言ってよいかと思います。

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現在、草津白根山については、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)が継続中です。噴火口として予想されるのは火口湖である湯釡および涸釜で、こちらの方面は立ち入り規制がされています。

ただ、草津白根レストハウス等がある国道292号と湯釡とは、直線距離で500mほどしか離れていません。付近にお出掛けの予定の際には、気象庁のサイトにて最新情報を確認されてはいかがかと思います。

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草津白根山では、31年前の1983年に小規模な水蒸気噴火(湯釡)がありましたが、それ以降はほぼ小康状態です。中規模の噴火としては、1937年から1939年(昭和12年から14年)にかけての、同じく湯釡を噴火場所とする水蒸気噴火がありました。その5年ほど前の1932年には、湯釡付近での亀裂における小規模な噴火で、死者2名を出しています。


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