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電子基準点のデータから、有料メルマガなどで地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。
当サイトでは繰り返し、彼の地震予測は信用できない旨を指摘しています。今回は、またひとつ、村井俊治氏の地震予測がハズレたことを紹介します。
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村井俊治氏は昨年、週刊ポスト誌(2014年9月19・26日号)上において、以下のような予測を発表しました。
http://www.news-postseven.com/archives/20140912_275595.html
「(2014年の)7月6日以降、日本全国で異常変動が起きている。何週にもわたってこれだけ広範囲かつ大規模な動きが見られるのは、3年前の東日本大震災以来初めてといっていい。
(中略)
過去の例を見ると大地震の場合、異常変動は発生の半年前から確認されます。
(中略)
来年1月までに大きな地震が起こる可能性は極めて高いと考えます」
…この記事を素直に読むと、「2015年1月までに、東日本大震災以来の大地震が起きる」と予測しているようにしか読めません。そして、この予想はハズレたワケです。
■
2月6日の徳島県南部を震源とする地震についても、彼はtwitterや日刊ゲンダイの記事上などで、電子基準点の異常を事前に捉えていたと主張しているようです。ですが、詳しくみてみると、予測できていたと言えるような代物では全くないことがわかります。
村井氏が言っているのは、徳島県の木屋平(こやだいら)で、昨年2014年の7月13日に記録した異常値です(この日に楕円体高が4.4cmほど突出して高く出たため、この週の最高値と最低値の差が7cmを超えた)。一方、JESEAのサイト内では、
「過去の解析例では、(電子基準点の異常が現れてから)ほぼ1ヶ月以内ぐらいの範囲で地震が起きています」
とハッキリ書いてあるのです。木屋平での異常値から徳島南部の地震までは、1ヶ月以内はおろか、7ヶ月近くが経過しています。なのに、「やっぱり前兆変動があった、だから予測できた」と言うのですから、言っていることが支離滅裂であり、あまりにも自らに甘すぎる検証で、言っていて恥ずかしくないのか心配してしまうほどです。
要するに、客観的にみれば、この地震についても、村井俊治氏は明らかに予測失敗しています。
なお、木屋平よりも今回の徳島県南部の地震の震源に近い観測点が幾つもあるのですが、それらでは異常値は観測されていません。そして、木屋平の他にも、九州や東北などの数々の電子基準点で異常値を観測しながら、そちらでは地震が起きていないことについては、村井氏らは沈黙しています。
■
このような、予測の実情にフタをして隠蔽するような態度が、もし意図的なものであれば(信じたくはありませんが)、悪質だと罵られても文句は言えないと思います。
なお、彼らの予測のデタラメさや、実際には予測がまったく当たっていない(のに村井氏自身や週刊誌が的中と言い張っている)点については、すでに繰り返し指摘しています。ぜひ併せてご参照ください。
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)
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電子基準点のデータから、有料メルマガなどで地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。
当サイトでは繰り返し、彼の地震予測は信用できない旨を指摘しています。今回は、またひとつ、村井俊治氏の地震予測がハズレたことを紹介します。
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村井俊治氏は昨年、週刊ポスト誌(2014年9月19・26日号)上において、以下のような予測を発表しました。
http://www.news-postseven.com/archives/20140912_275595.html
「(2014年の)7月6日以降、日本全国で異常変動が起きている。何週にもわたってこれだけ広範囲かつ大規模な動きが見られるのは、3年前の東日本大震災以来初めてといっていい。
(中略)
過去の例を見ると大地震の場合、異常変動は発生の半年前から確認されます。
(中略)
来年1月までに大きな地震が起こる可能性は極めて高いと考えます」
…この記事を素直に読むと、「2015年1月までに、東日本大震災以来の大地震が起きる」と予測しているようにしか読めません。そして、この予想はハズレたワケです。
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2月6日の徳島県南部を震源とする地震についても、彼はtwitterや日刊ゲンダイの記事上などで、電子基準点の異常を事前に捉えていたと主張しているようです。ですが、詳しくみてみると、予測できていたと言えるような代物では全くないことがわかります。
村井氏が言っているのは、徳島県の木屋平(こやだいら)で、昨年2014年の7月13日に記録した異常値です(この日に楕円体高が4.4cmほど突出して高く出たため、この週の最高値と最低値の差が7cmを超えた)。一方、JESEAのサイト内では、
「過去の解析例では、(電子基準点の異常が現れてから)ほぼ1ヶ月以内ぐらいの範囲で地震が起きています」
とハッキリ書いてあるのです。木屋平での異常値から徳島南部の地震までは、1ヶ月以内はおろか、7ヶ月近くが経過しています。なのに、「やっぱり前兆変動があった、だから予測できた」と言うのですから、言っていることが支離滅裂であり、あまりにも自らに甘すぎる検証で、言っていて恥ずかしくないのか心配してしまうほどです。
要するに、客観的にみれば、この地震についても、村井俊治氏は明らかに予測失敗しています。
なお、木屋平よりも今回の徳島県南部の地震の震源に近い観測点が幾つもあるのですが、それらでは異常値は観測されていません。そして、木屋平の他にも、九州や東北などの数々の電子基準点で異常値を観測しながら、そちらでは地震が起きていないことについては、村井氏らは沈黙しています。
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このような、予測の実情にフタをして隠蔽するような態度が、もし意図的なものであれば(信じたくはありませんが)、悪質だと罵られても文句は言えないと思います。
なお、彼らの予測のデタラメさや、実際には予測がまったく当たっていない(のに村井氏自身や週刊誌が的中と言い張っている)点については、すでに繰り返し指摘しています。ぜひ併せてご参照ください。
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)
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しかしセンセーショナルな話題は、愚民受けするし、週刊誌などのマスコミ側はしてやったりといったとこか。
村井氏、ますます知名度が上がり、愚民らは完全に誤解している始末。
これでは、愚民のパニックを何よりも恐れる御上の気持ち、わからなくもないな。
7月に出たとされる異常な数値を、7ヶ月もたってから当てはめられるって、凄いですね。「ほぼ1ヶ月以内ぐらいの範囲・・・」というご自身の主張からも乖離しいてるし。私は神経細いので、村井氏の真似することは出来そうにありません(もちろん皮肉です)。
先日、横浜地球物理学研究所様を、ご本人に通報すると仰ったとても親切な方がいらっしゃいましたが、こちらには何も言ってきてはいないのかも知れませんが、どうやら村井氏も意識していると思われる発言を、ツィッターになさっているようです。お時間がございましたら、ご覧になってみてください。
>電子基準点データに4㎝以上の異常値が出るなどは地殻変動からは信じられないという人がいます。しかし電子基準点は硬い岩盤の上に設置されておらず普通の地盤の上に立っています。地殻のほかに地下水の上下、潮汐、雪の重み、地温の変化でも動き、これらが複合された値ですから時に10㎝も動きます。
というコメントを見ましたが、読んで首をかしげてしまいました。
私の解釈ですが(なので間違っているかも知れません)、「地殻のほかに地下水の上下、潮汐、雪の重み、地温の変化」の複合した結果のデータを見て、何故地震が起きると断言できるのかなと感じました。
地震とは岩盤にゆがみが出たりした結果、起きるものと認識しています。岩盤は動きが無くても、その上の地盤が、地下水の上下、潮汐、雪の重み、地温の変化で動いた場合でも、電子基準点データには変動が見られるわけですよね。それでも地震の前兆になりうると、村井氏はお考えなのでしょうか?
このコメントを見て、辻褄が合わないよう感じるのは、私だけでしょうか・・・。
あと村井氏の理論で私が不思議に思うのは、地震の前兆で電子基準点データに以上が出るなら、一度もしくは短期間の異常なデータが出たあと、何故もとの水準まで数値が戻るのかです。
もし地震の前兆で地盤が動くなら、地震が起きるまでずっと異常な数値が出ると思うのです。
私の頭が悪いだけかも知れませんが、この辺の話が頭の中で辻褄が合いません。
その変動お考えなんでしょうね・・・。
2015年2月8日
6日午前10時半ごろ、徳島県南部を震源とする地震が発生、同県牟岐町で震度5強、海陽町で震度5弱など大きく揺れた。
「震源の深さは約10キロ。気象庁は、南海トラフの地震と想定されるメカニズムとは異なると指摘していますが、『(南海トラフとの関係は)よく分からない』とも述べている。南海トラフの予兆の可能性もあり警戒が必要でしょう」(地震学者)
驚くのはこの地震をピタリと当てた学者がいることだ。地震予測サービスを配信する会社「JESEA」顧問で、東大名誉教授の村井俊治氏である。
日刊ゲンダイ2015年新年号で、村井名誉教授は〈15年1~3月の間に大地震が発生する可能性がある〉とし、〈日本全体は南東方向に動いているんですが、四国が動いている方向が違う〉と指摘。南海、東南海エリアの大地震を警告していたのだ。
これまで村井名誉教授は、長野北部地震(昨年11月=最大震度6弱)を筆頭に、伊予灘地震(昨年3月=最大震度5強)など、いくつもの大きな地震を的中させている。
気になるのは、村井名誉教授は、四国以外にもう1カ所、警戒地域を挙げていたことだ。「奥羽山脈エリア」である。
〈東北地方の奥羽山脈から日本海側と、青森県から栃木県の那須岳までの脊梁山脈が異常に沈降しているんです。一方で太平洋側は、牡鹿、女川といった東日本大震災で巨大津波に見舞われた被害地が異常に隆起している。経験値から、沈降の方が大きい地震につながることが分かっています〉
〈それで、東北の日本海側に注目していたら、最近になって吾妻山(福島県)の火山噴火警戒レベルが1から2に引き上げられた。近くの吾妻高地は隆起し、異常が確認されています。蔵王側の秋田県の東成瀬、栗駒あたりはボコボコ動いていますから、あの辺で火山噴火や地震が起きる可能性はある。1月以降、冬の間は注意したほうがいいでしょう〉
現在はどうなのか。改めて問い合わせてみると、奥羽山脈、日本海側は今後も〈要警戒〉のままとのこと。しばらくは安心できそうにない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/157077/2
宮崎、大分、四国、和歌山、三重の紀伊半島の南海エリアって範囲広すぎじゃないですか。面積の総計は43384.2平方キロ(日本の国土377,961.73平方キロの約11%)です。
当然各県の近海を含めれば該当する面積はもっと増えます。ちなみに宮崎の都井岬から三重の桑名まで直線で、 646.45 kmです。
14年の最大震度を見ると、宮崎・震度4が2回、大分・震度5弱1回、高知・震度5弱1回、愛媛・震度5強1回、香川・震度4が1回、徳島・震度4が1回、和歌山・最大震度3が4回、三重・震度が1回。
これは当たったっていうレベルではないと思いますが。
個人のtwitterや週刊誌の記載ぶりを見ていると、本当に村井氏の地震予測を信じている(甘く評価している)ひとが多いことに、ちょっと危惧に似た印象を受けているところです。我々としては、地道に粛々と分析を続けるしかないとは思っているのですが・・。
>ばーど様
仰るとおりに思います。村井氏が挙げたパラメータのうち、潮汐、雪の重み、地温の変化によるノイズは、季節的あるいは周期的に変動するもので、(それが異常値の原因だと言うなら)除去できる筈ですので、そもそもそれを除去した数字で地殻変動だと言うべきだと思います。ただ、電子基準点の値の変動をみる限り、潮汐、雪の重み、地温の変化によると思われる定期的な変動は、ノイズに埋もれてほとんど見られません。ですので、村井氏のこの発言自体が間違いであることは明らかです。
>北越様
情報ありがとうございます。これによると、東北の日本海側、北陸、鳥取、島根、九州、静岡県から宮崎県までずっと(笑)、伊豆大島付近、に地震予測を出しているようですね。北海道以外の全国のように思えますが、どちらかと言うとこの記事を書いている編集者のほうが、「ほとんど全国じゃないですか?」となぜ突っ込まないのか不思議ですね。
「信じてはいけません(2)」に示されているように、予測のもととなっている前兆なるものが全くでたらめである、それだけで十分です。
多くの「地震予知者」の言うことは笑いごと程度で済ますことができますが、この先生はちょっと違います。全ての点で悪質すぎます。
仰る通りに思います。当ブログで繰り返し村井氏を取り上げているのは、(もし意図的であるなら)極めて悪質であると考えられるから、という理由もあります。
名誉教授という肩書きを利用している点、根拠とする理論が目茶苦茶である点、講演会や雑誌などで間違った知識を世間に広めている点、有料メルマガで料金を徴収している点・・・など、もし意図的に自己の研究を正当化しているとするなら、非常に悪質であると言わざるを得ません。
意図的でないのなら、それはそれで物凄いレベルの低さだとも思いますが。
自分が正しいならそこまで必要に叩く必要あるのですか?
正直うんざりです
予知でなく予測とちゃんと書かれてるですがね…
ご指摘ありがとうございます。
実は、私も村井俊治氏には正直うんざりしているんです。ですが、週刊誌やテレビが「予測をことごとく的中」と喧伝し続け、ある一定数のひとが騙され続けていることに鑑み、批判を続けています。
予知と謳っていようが、予測と謳っていようが、関係ありません。「予測がことごとく的中」などと、嘘や誇張を繰り返して、有料メルマガでお金を稼ぎ、後続の研究を混乱させ科学の発展を阻害する行為は、批判という形で「叩く」必要があるんじゃないかな、と思っています。
横から失礼いたします。
>なんか他人の足引っ張りてなさけないな
たしかSTAP問題の時も、最初に疑問が出たとき同じようなことを言っていた人がいましたね。
本当に情けない。科学的な素養が一切無い残念な人たちだったんでしょうね。見ていてウンザリします。
>自分が正しいならそこまで必要に叩く必要あるのですか?
この発言の意味が私には分かりません。
村井氏の理論に疑問点があるから、批判しているのではありませんか?
物事の本質を歪めないでください。
どうやらあなたは、横浜地球物理学研究所様が、自分自身を正当化するため村井氏を陥れているというニュアンスのとらえ方をしておいでのようですが、それならお願いがあります。
どうか村井氏の理論を分かりやすく、理論的に解説してください。
私は高校地学程度の知識しかありませんが、それでも彼の言う理論に、論理的な整合性を見いだすことは出来ません。ハッキリ言って霊感商法並のこじつけばかりです。
もしあなたのご説明で納得できたなら、私も彼のメルマガを取ったり、積極的に応援したいと思います。
それともあなたは、村井氏の理論を批判する方に、中身のない中傷をすることは出来ても、彼の理論のすばらしさを説明することも出来ないのですか? 彼を応援する人たちはみんなそうなのですか?
是非ともお返事をいただけるのを楽しみにお待ち申し上げたいと思います。
最後に、彼に賛同する地震学者や火山学者、古巣の測量学の先生方がいないのは、何故かと考えたことはございませんか? 何故論文を書いて発表しようとしないのでしょうか? 少しでも科学的な理解力がある人は、そこに理由を見いだす事が出来るのに。