日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

プーチンがつくる「銃後の母たち」

2022年12月05日 07時33分52秒 | 政治
 11月最後の日曜日(27日)は、ロシアでは「母の日」だったそうだ。このよき日を記念して、ウクライナ戦線に投入された兵士らの「銃後の母たち」がクレムリン宮殿に招かれカメラの前でプーチン大統領と歓談する映像をロシア全土に向け国営放送TVが放映した。中にはすでに戦死の公報を受け取った「軍神の母」、ウクライナ戦線にいるらしいが連絡の取れない「軍神予備の母」も入っていたとささやかれているそうだから、これは日本人の筆者にも大いに既視感のある話題であった。
 「写真を掲げる女性は『わたしの息子は、街を守るために戦って死にました』と語り、その言葉に耳を傾けながら、温かいお茶でのどを潤すプーチン大統領。息子を亡くした母親たちに彼はこう言い放った。『交通事故でも年に3万人が死ぬ。人間はみな、いずれ死ぬ運命にあるのだ。大切なことはどう生きるかだ』(中略)親ロシア派の幹部によると、死亡したロシア軍兵士の多くは同士討ち。およそ6割が、味方の攻撃などで死亡しているという。ロシア側の死傷者数は、これまでに10万人以上」(2022/11/26 NTV)。
 それにしてもこのプーチンという男、人相の悪い割には「正直者」のようである。たしかに遅かれ早かれ人間は生涯に一度は死ぬ、だから彼が始めた戦争でちょっと早めに死ぬかどうかはそう大した問題ではない。彼がこんな戦争を始めなければウクライナの荒野で死ぬことはなかったとしても、モスクワの街で自動車にはねられて死ぬことだってある、というのである。
 それにしても年に3万人とプーチンが言う交通事故死者数は多すぎないか? 人口1億5千万人のロシアで3万人は、1億2千万人の日本の死者数2,636人(2,021年警察庁)と比べて10倍以上の数だ。こんな貧弱な交通政策すら満足にできない素人政治指導者を20年もトップに君臨させてきたロシアの人民たちにプーチンの無謀な戦争が止められるわけがない。
 今次プーチンロシアが始めた「ウクライナ戦争」は、ロシアの戦争勝ちパターンの強大な「冬将軍」による支援は得られない。過去の冬将軍は、敵兵によって攻め込まれたロシアが苦境に立たされたいまわのきわに現れて加担してくれたのだが、この「戦争」はロシアの侵略戦争、不当に攻撃しているのはロシア兵である以上、冬将軍の支援は望むべくもない。
 かくて、冬将軍に見放されたロシアでは、無数の「銃後の母」が出現することであろう。そこでロシアでは;
「ロシアでは 靖国の母 募集中」神奈川県 三好浩靖(朝日川柳)
 


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