(一)~(六)
漢数字は「三笠の作り方」(組み立て図)にある番号です
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昭和7年1月、『少年倶楽部』の新年号を買った当時の子どもたちは、ハサミと小刀、定規とそくい糊(飯粒に少量の砂糖をまぜて練ったもの)を頼りに、数日をかけて「軍艦三笠の大模型」作りに挑みました。
およそ80年も前に設計された模型のため、技術的な限界から多少印刷がずれていたり、“ツメ”が“差し込み口”へスムーズに入りにくかったりする部分がありますが、復刻にあたっては、創作された時代背景と少年雑誌文化の歴史的価値を鑑み、できるだけオリジナルのままとさせていただきました。
作り方がわかりにくい部分や接合が難しい部分では、当時の子どもたちと知恵比べ、手工比べをするつもりで、じっくりと作業をお進めいただきますよう、お願い申し上げます。
部品はシートから丁寧に切り取り(指でちぎり取らず、カッターなどで切り離してください)、なくならないようにシートごとに箱やプラスチック容器へ入れて管理してください。
切りくずに必要な部品が残っていないか、よく確認してください(切りくずは部品の補修などで役立つ場合があります)。
折れ線に沿って曲げるときには、インクの出なくなったボールペンなどで裏側をなぞると、部品に傷をつけずにきれいに折ることができます。
接着にはスティック糊よりも、乾くと透明になる工作用接着剤のほうがあつかいやすくて便利です。
部品の“ツメ”と“差し込み口”は、しっかり固定できるよう、きつめに設計されています。前もってカッターナイフやハサミなどで調整してから組み立ててください。
(一) マストの作り方
「三笠の作り方」には、マストに使う材料として「ありあわせの杉箸」との指定があります。しかし、現在では各家庭にあるとはかぎらないため、「箸状の棒」をセットしました。マストのヨコ棒については簡単に組み立てられるよう、加工済みのものを用意しました。 「1の紙」のウラにある図面に従い、前後のマストを作ってください。
棒をつなぎ合わせるときには、重なる部分を適度に削り、あらかじめ接着しておくと簡単に作ることができます。
棒をつなぎ合わせる前に、“物見台”や“小物見台”などの差し込みを忘れないようにご注意ください(“小物見台”と“小物見台の屋根”は前マストだけに付きます)。
空中線になる黒糸は、この段階で付けなくても大丈夫です。甲板上の構造物が組み上がった後、マストを取り付ける際に、糸の長さを調整しながら付けることも可能です。
(二) 艦體(かんたい)の糊づけ
圧線(点線)を目印にして、エンピツで軽く線を引いてください。
エンピツの線のところまで重ねて、いとイ、ろとロを接着してください。
(三) 甲板の糊づけ
圧線(点線)を目印に、エンピツで軽く線を引きます。
左右のはじにある×部分には、後からマストを差し込むことになります。マストが入りやすいように、切れ込みをしっかり入れておきましょう。
艦体のときと同じ要領で、はとハ、にとニを貼り付けます。
(四) 煙突の作り方
丸みをつける煙突や大砲では、裏面を薄くはがすと成形しやすくなります。はがす際には薄くなりすぎたり、破ったりしないよう充分に注意してください。
ウラに貼り付ける厚紙も、少し薄めにしておいくと良いでしょう。
上部の輪は突き出た部分に糊をつけ、それを煙突の内側に貼って固定します。
(五) 通風筒の作り方
すべて“キセル型”にします。最初に“キセル”の“雁首”に相当する部分(開口部)を作ります。その後、少しずつ筒を丸めると共に、“雁首”部分の内側へ、筒の上部にあるヒダを差し入れて、丁寧に接着してゆきます。
“ツメ”と“差し込み口”が、合いにくい部分もありますので、慎重にハサミやカッターなどで調整しながら組んでください。
通風筒や大砲の砲身など、細かい部品作りは、少しばかり根気が必要です。
しかし、この小さな部品のひとつひとつの仕上り具合で、「三笠」のできあがりの印象が大きくかわってきます。
はやく組み上げたいと思う気持ちをおさえ、じっくり取り組んでください。
(六) 大砲の作り方
この模型作りで難しいのが砲身部分。部品シートから型抜きしたままでは、思うような砲身がなかなかできません。「三笠の作り方」では、はじめに“紙を三つに折り”とありますが、最初に裏面を慎重にはがして薄くし、その後、少しずつ丸くする方法でも、砲身らしく仕上げることができます。
ポイントは砲身の先を細めに、元を太めに丸めること。先端部も場合によってはカットして形を整えてください。
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