蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

世界終点

2005年03月26日 06時50分00秒 | 太古の記憶
会社の会議で誰かが「Nを殺してしまえばよいのではないか」と発言した。半ば冗談としての結論だったが、それを聞いたわたしは心の中で快哉を叫んだ。退社時刻となり、わたしとその他何名か、或る目的のために千葉県某所へ向かう事となった。JR総武線で千葉駅に到着し、そこから支線に乗り換えて「ファ」とかいう駅で降り、さらに他の線に乗り継がねばならないのだ。わたしたちが千葉駅に降り立ったとき、一行の中にガイドとして雇われている女性がいるのに気が付いた。容貌はまったく異なってはいたものの、彼女は確かにわたしのよく知っている人物だったが、しかし心には何らの感情的変化も起きはしなかった。それよりもわたしは今自分達の立っている千葉駅コンコースの構造の方に興味を覚えた。そこはむかしの両国駅が持っていたターミナル独特の雰囲気と、住宅地帯の中枢として機能する町田駅の溌剌とした空気が渾然となっている巨大空間だった。ホーム下の通り抜け通路はその先端がほとんど見極められぬほど彼方まで続いていたし、高い天井を有する中央エントランスの壁や床は古代ローマの建築を髣髴させる重厚な大理石造りとなっていて、わたしはその美しさに永久にこのままでいたい、とさえ思ってしまった。

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