5月中旬、越冬成虫が芽吹いて間もない若々しいドクゼリに現れる。
水路の泥中で越冬していたので、成虫はどれも泥が付着していた。
孵化したばかりの幼虫も多く見られた。
成虫・幼虫がいるのに卵がどこにも見当たらない。
食草に見つけて下さいと言わんばかりにまとめて産み付けるのがハムシというもの。(ハムシ軽視発言)
ドクゼリ1株にいる幼虫数も少なく、複数の株に散在しているのも気になる。
というわけで調査してみた。
ペアを採集して産卵をさせてみれば全てが分かる。
交尾中のペア
そして採集したその日に問題は解決した。
雌はドクゼリの茎に穴を開けて・・・。
茎の中に卵を産み付けた。
移動してまた産卵する。
産卵痕
ドクゼリ茎を切って確認すると内壁に卵あり。
1回に5~7個ほど産み付けていた。
ドクゼリの茎は中が空洞になっているので、卵を隠し保護するのに都合がいい。
ドクゼリの構造をうまく利用している。
なかなかやるな・・・ハムシのくせに。
産卵から5日目
そろそろ孵化しそう。
産卵から6日目孵化確認
調査でキスジホソハムシは卵と蛹は茎の中、羽化後から翌年までは泥の中で過ごすため葉を食べる時期以外は姿を見せない事が分かった。
(表に現れるのは成虫は5月のみ、幼虫は5月中旬から6月下旬まで)
ドクゼリはキスジホソハムシにとって「食べ物」であり「揺りかご」であり「繭」でもある。
一連の流れは動画にまとめてYouTubeに投稿予定