探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

クモのちゲンゴロウ

2019年05月15日 | 自然探索記~採集記(道北)

先日のサロベツ原野ガサでミズグモミッション達成後、別の沼に移動してゲンゴロウを狙ってみた。
ミズグモを見つけた沼よりやや富栄養傾向で、泥の堆積が深くヘドロ臭い。
ここはゲンゴロウ類が豊富だが、雨量などにより水位の変化が著しく、年によってはほとんど干潟状態であったり、満水状態で沼に入れないこともある。
今年はいい感じの水量。でもわたしが唯一生理的に受け付けないと言ってもいい「蛭」がやたらに多い。
子供のころ、川で釣りをしていると、近くにいた釣り人のおじさんが「ミミズより蛭の方がよく釣れる」と教えてくれた。すでに蛭嫌いであったわたしは、軽蔑の眼差しでおじさんを見ていたことを思い出す。
蛇足としてハリガネムシもあまり好きではない。


前回とは違う角度から撮影した利尻山
海岸砂丘で奥の海を隠してみた。特に意味はない。

沼に到着。
水中に無数の赤いミズダニがゲンゴロウのように元気に泳ぎ回っている。随分と泳ぎが達者なミズダニもいるものだと感心。
蛭も目視できる・・・目視できるほど蛭がいることを考えるとモチベーション急降下。
以下は大したことないがガサ結果。

チビコガシラミズムシ Haliplus minutus
3mmも満たないので、容易に網からすり抜ける。運良く網に入っても老眼の人にはキツイかも。(注:わたしは老眼ではありません)
北海道RDBで希少種に指定されているが、原色日本甲虫図鑑Ⅱには「北海道ではふつう」なんて記されている。
まぁ原色日本甲虫図鑑は情報古いから、今では通用しない内容が多い。自分でも多いと思うのだから、実際もっとあるかもしれない。


キタヒメゲンゴロウ Rhantus notaticollis
ヒメゲンっぽいがちょっと小さいからキープしておいた。陳腐なヒメゲンと思い込み反射的リリースしなくて良かった。
個体数も多いようだ。


エゾヒラタヒメゲンゴロウ Colymbetes tolli
結構デカイ。北海道ではナミゲン・ゲンモ・エゾゲンモに次ぐ大きさ。
見た目はヒメゲンゴロウを大きくした感じで、上翅の指紋のような横縞斑紋が特徴。
以前から見たいと思っていたが、長い間嫌われ続け、いつの間にか狙うことも諦めたゲンゴロウ。
狙わなくなると気になって向こうからやってきたのか?

他にはナミゲン、ゲンモ、カラフトマルガタゲンゴロウ、オオシマゲンゴロウ、ケシゲンゴロウがいた。
相変わらずカラフトマルガタゲンゴロウとケシゲンゴロウは多い。
ゲンモの裏側にミズダニがびっしり付着していたのには鳥肌が立った。
ミズグモ探索もひと段落したことだし、次回からは余裕をもってゲンゴロウの珍種でも狙ってみようかね。
エゾガムシも見たいのだが、なぜか網に入らない。