先週の金曜日の午後に、新宿の映画館で橋口亮輔監督の「恋人たち」を見ました。
観客は思っていたより多く、7割方埋まっていたようだ。
リリーフランキーの演技に感激した、あの「ぐるりのこと」を作った監督が、7年ぶりに新作を作ったというので、期待して行った。
期待は半分かなえられ、半分は裏切られた。
3人の主人公が織りなす、3つのエピソードが並行して進むのだが、中心は都会を流れる川の橋げたの検査をする仕事をしている若い男。
数年前に妻を通り魔に殺され、まだそのショックから立ち直れない。犯人は裁判にかけられているのだが、それでは飽き足らず民事で損害賠償の訴えを起こそうと、いろいろな弁護士に頼むが、お金だけ取られて訴訟を起こせない。
男は、自分のことや生活に関心を失い、保険料も満足に払わないので、保険証の使用を止められてしまうなどの辱めを受ける。しかし人との交流を拒否しているので、男はますます追い詰められていく。
後半は、周りの人々、特に昔の過激派で爆弾で片腕を失った先輩社員の我慢強い説得で、男も少しづつ人間らしさを取り戻していく。
最後に都会の狭い青空を指さして「よし」というところで終わる。
この話はいいと思うし、あの先輩が「ぐるりのこと」のリリーフランキーのような味を出しているのだが、中年の人妻とゲイの弁護士の2つの話は、全くつまらない。これはいったい何を言いたいのか? 誰か教えてほしい。
といわけで、半分納得、半分がっかり。
だいぶ寒くなりましたが、忘年会が楽しみです。