旅館11

2023-09-21 10:49:33 | 日記
3人は、『いさみや』の物置小屋へ入っていった。

小屋に入ると白いモヤが立ち込めていて、天井にある小さな明かり取りの窓からスゥッと一本の光のスジが差し込む。

小屋の中は思った以上広くて奥行きもあった。
しかし奥は薄暗くて見えにくい。

「なんか、宝がありそうだな!」

徹弥は楽しそうだ。

「鎌なんて無いよ。鍬ならあるけど」

「鍬でいいよ」

「ねっ!」

奥を覗きに行った梨花が小走りに歩み寄った。

「あれ、見て!」