いよいよ、目指すは、次回公演だ。
この公演は、後輩たちだけのもので、
先輩たちは、また違うタイミングでの公演となる。
台本が配られた。
内容はオリジナルだ。
ある仲間たちの不安と争い…そして、やがて生まれる信頼と友情…という内容で、今の私たちに少し似たような状況だと感じた。
件のエチュードにより、オーディションも全員終わり、いよいよ、配役の発表。
唯一、指導者に見て貰ったM子は、自信満々の様子だ。
「では、配役の発表をします。主演の男性は、ラルくん。」
やっぱり…。
ただのモテるだけの男ではなく、芝居も上手い。
「そして、その相手役の女性は、……Y子さん。」
一瞬、M子は、『え?』という表情をした。
「その女性の友人に、M子さん、L子さん、ライバルにS子さんです。」
その後、男性陣の配役も決まった。
M子は、明らかにショックを受けた顔をしている。
自分が演じたかった役は、Y子に決まってしまった。
それだけじゃない。
確かに、M子の役もセリフも多くて面白い役なのだが、どうせ主演の相手役がダメなら、せめて、ライバル役の方が、見せ場も多くてやりがいもありそうだ。
いろいろ考えて、この配役には納得出来ずに、呆然としていた。
ただ、Y子は、とても芝居は上手かった。とにかく常に役のイメージを深く読んでいる。
そして、S子は、基本的な発声と滑舌もよく、聞きやすい言葉の発し方なのも、最初から気に入られていた。