風通庵-直言

ヨモヤマ話

トラックもバスも「灯油」で動きます

2007-05-30 10:41:39 | Weblog
 トラックの燃料は本来ならジ―ゼル軽油とも言われる軽油であるが、軽油には軽油引取税と言う地方税が加算されているので、質的にあまり変らない灯油を代用燃料に使用する業者がいて、これは新たな脱税方法ではないかと、問題視しているが、強ち新たなとは言えない旧来からあった脱税方法で、今更の感無きにしも非ずだ。

 総称しての「石油」は、原油を精製すると軽質のものから順に、揮発油(ガソリン)、灯油、軽油、重油(A,B,C)と抽出される。値段も順番に安くなっているから、本来なら軽油より灯油が高い筈であるが、軽油を主として消費するトラックに、ガソリン税同様の道路整備の費用を負担させる意味から、地方税として軽油引取税が加算されている。したがって、灯油より大体40円あまり高くなっている。そのため、品質的に問題がなければ値段の安い灯油を、軽油の代わりに使用して、経費を安く抑える、いわばそんな悪知恵の働きである。

 ガソリン税は蔵出し税であるから、精製されて工場から出荷される段階で課税されているが、軽油は引き取り税で、小売業者が消費者に販売する段階で、軽油代金に引取税を加算して消費者から徴収し、小売業者が地方へ納付する仕組みになっている。

 これは指摘されているような新手の脱税方法なのか。業者の知恵はもっと進んでいる。ある地方のバス会社なんか50年も前から灯油でバスを運行している。ただ、しかし、嘗て、仄聞したところによると、規格の上から灯油のほうが効率がよい(?)とかで灯油を使用し、その消費量に見合った軽油引取税は別途支払っているとのことであった。それなら脱税とはならない。軽油を灯油に置き換えただけの話だから。(陰の声)-----それは言い逃れかも-----。
 石油業者は、灯油を使うとエンジンに悪いから、是非軽油をというが、トラック業者はその損得は多分勘定済みでは?
 
 本来、軽油を使用するべきところ灯油を使用するのは税金逃れ、脱税ではあるが、石油製品としての灯油、軽油の品質が、トラックやバスの燃料として必要な品質以上に、石油製品としての品質のみが先行している結果とも考えられる。これはレギュラ―ガソリンとハイオクタンガソリンとの間にも言える。だから、石油業者の品質競争は、こんなところで無駄がある。

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