本日は、メインディッシュの一皿をご紹介します。
鶉の葡萄の葉包み焼き マスカットとコニャックのソース フォワグラ添えです。
9月も半分を過ぎまして、少しずつ秋の気配がしてきました。
毎朝、食材の買出しに行きましても、松茸や秋刀魚、栗、等の秋の食材で、売り場も賑わっています。
そんな食欲の秋に、とても調理したくなる食材の一つが、鶉です。
グリンツィングでは、フランスのアンジュ産の中でも特に大きいサイズの物を取り寄せていますが、毎週届くたびにその鮮度と良質さに、とても嬉しくなります。
野生のジビエと違い家禽ですので、味わいに特別な癖は有りませんが、その中にも鶉としての個性は、しっかりと感じることが出来ます。
むしろ、脂がのりとても柔らかい肉質は、肉の芸術品の様な完成度です。
そんな素晴らしい鶉を使い今回は、とてもクラシックな調理法で味わっていただきたいと思います。
鶉を葡萄の葉で包んでローストする事で、間接的で蒸し焼きに近い状態になり、とてもしっとりとジューシーに仕上げる事が出来ました。
そして同時に、葡萄の葉の良い香りもお肉に付きますので、秋の季節感の表現も出来て一石二鳥です。
ソースには、マスカットとコニャックを使っていますので、同じ葡萄つながりで相性が悪いはずがありません。
そのソースの作り方ですが、鍋で鶉の骨をバターで炒めた所に、皮付きのニンニクを加えて更に炒め、余分な脂を捨てた後に、シェリー酒ビネガーとコニャック、マデイラ酒の順番に加えてよく煮詰めます。
煮詰まりましたらフォンドヴォーを加えてから、黒胡椒とタイム、ローリエを入れて軽く煮出します。
そして漉した後に、塩、胡椒、コニャック、バターで味を調えてから、皮を剥いたマスカットを加えて完成です。
上品なコニャックの香りとマスカットの甘さが、優しく繊細な鶉と本当にピッタリです。
更に付け合せには、フォワグラと茸のソテーを添えていますので、食欲の秋に相応しい一皿になったと思います。
フランス料理もワインも美味しいこれからの季節。
営業中にお客様以上に楽しんでいるのは、調理場の中で素晴らしい食材に囲まれた、自分達かも知れません。