真鱈の白子のムニエル トリュフソース 菜の花のリゾット添え

本日は、メインディッシュの一皿をご紹介します。

真鱈の白子のムニエル トリュフソース 菜の花のリゾット添えです。

冬が旬の真鱈の白子を、小麦粉を軽くまぶしてからオリーブオイルでじっくりと香ばしく焼き上げ、香り高いトリュフのソースと合わせています。

北海道産の真鱈の白子は、癖も無くて味わいも濃厚です。

下処理として軽く茹でたりする方法もありますが、鮮度が良ければ余計な作業は必要ないと思いますので、グリンツィングでは生の状態から直接フライパンで焼いています。

自分にとって鱈の白子のイメージは、仔羊のセルベル(脳みそ)や仔牛のリードヴォー(胸腺)等に近い感覚があります。

白子と脳みそ、胸腺のいずれも味わいは優しく穏やかですが、独特の食感と個性的な風味は有りますので、好みの分かれる食材かもしれません。

調理法もムニエルにしたり、フリットにして香ばしさを強調する事が多く、ソースも焦がしバターや香草のソース、今回のようにトリュフソース等のインパクトの強い物が美味しいと思います。

そして今回は、付け合せに菜の花のリゾットを合わせています。

最近、市場でも春らしい食材が出てきましたので、その始まりとして菜の花を使ってみました。 

メインディッシュとしてのボリューム感が欲しかったので、菜の花とパルメザンチーズ入りのリゾットにしてみましたが、香ばしい白子と濃厚なトリュフソース、優しいリゾットの相性がピッタリで、フランス料理版の丼(どんぶり)になっています。

冬を代表する食材の真鱈の白子と、春を代表する食材の菜の花、今回は、変わりゆく季節を皿の上で表現出来たらと思い考えました。

まだまだ寒い日が続きますが、一足早くグリンツィングで春を感じていただけたら嬉しいです。

 

春  この季節になるといつも思い出す言葉があります。

自分が22歳の時でした。

新潟の田舎から一流の料理人を目指して東京に出てきて、専門学校を卒業し、ホテルに就職、その後町場のレストランへと環境は変わっていました。

お金が無い、時間が無い、仕事が辛い、誘惑が多い、田舎でのんびりと育った自分には、東京で働き、独りで生活する現実は、想像した以上に厳しかったです。

仕事や生活、人間関係も次第に乱れていきました。

自分でももう無理かと思っていた時に、そんな息子の状況を見かねた母親の言った言葉があります。

「季節に春、夏、秋、冬が有るように、人生にも良い時と悪い時が有る。辛い冬が過ぎたら必ず春は来るから安心しなさい。」

今の辛い時が過ぎたら、きっと良い時が来るはずと、その時期を我慢できた事を思い出します。

春   菜の花、ホワイトアスパラガス、新ジャガ芋、苺、山菜・・・沢山の食材に囲まれる大好きな季節です。

 

 

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仔羊のロースト タイム風味 ジロール茸のソース

本日は、メインディッシュの一皿をご紹介します。

仔羊のロースト タイム風味 ジロール茸のソースです。

オーストリア産仔羊の背肉を、豪快に骨付きでローストしています。

仔羊にも、肩肉や腿肉等の色々な部位が有りますが、ローストして最も美味しい所が、今回の背肉の部分です。

赤身の部分はとても柔らかく、脂身のコクも有りますので、十分な食べ応えがあります。

よく羊肉は、癖があり、特に脂の部分を苦手だと言われる方がおられますが、確かに牛肉や豚肉に比べて味わいも個性的な所は有りますし、育って大きくなった羊は、独特な香りがあります。

しかし、新鮮で良質な仔羊肉は、癖も無くとても繊細で美味しい、お勧めの食材です。

さて、作り方は、背骨と余分な脂を取った背肉に塩をふり、フライパンで焼いていきます。

特に、脂の部分をよく焼いて香ばしさを強調する事が大事で、その他の面は硬くならないように、軽く色付く程度にしています。

その後、170℃のオーブンに入れますが、最後まで脂の面を下にする事で、柔らかくソフトに火を通せますし、途中で出てくる仔羊の脂を頻繁にかける事で、その旨みと香りをお肉に戻しながら乾燥を防ぎます。

触った弾力等でロゼ(バラ色)になるように焼きあげたら、温かい所に置いて休ませます。

そしてその時に、黒胡椒をふりかけますと、繊細な香りがお肉に付きます。

オーブンから出した後に休ませておく事が大事で、もし、仔羊の中の肉汁を落ち着かせずに切ってしまうと、その断面から大切な肉汁が出てしまいます。

今回のように、骨付きの状態でじっくりと焼き上げる方法は、仔羊の自然な美味しさをストレートに味わっていただけると思います。

そして、お肉を休ませている間に、ジロール茸のソースを作ります。

ローストに使ったフライパンで、ジロール茸とエシャロットの微塵切りにを炒めてから、少量の白ワインを加えて煮詰め、そこに仔羊の骨をフォンドヴォー(子牛のダシ)で煮出して作った仔羊のジュ(肉汁ソース)を入れて軽く煮込みます。

仕上げに、香草のタイムの葉を加えてから、塩で味を調えています。

最後に、温めてカットした仔羊肉とオリーブオイルでソテーした季節野菜をお皿に盛り、ジロール茸のソースをかけて完成です。

現在は、季節の問題でジロール茸に変わり、シャントレル等の他のフランス産キノコに変わっています。

お肉を焼いた鍋を使いその場でソースを作っていますので、とても香りが高く、味わいにも勢いを感じます。

大胆に見える料理ほど、作る時に意外と繊細な感覚が必要な気がします。

上質なワインともピッタリですので、お客様には大胆に楽しんでいただきたい一皿です。 

 

 

最近、営業中の働いている時に、ふと思った事があります。

「自分の夢って何だろう?」

人の数だけ、それこそいろんな夢があると思います。

自分自身の最初に抱いた夢は、小学生の1年生位の時に、将来は手品師になりたいと思った事でした。

その時は、手品師は何でも好きな物を好きな時に出す事が出来ると信じていましたので、大好きだった祖母に、沢山のプレゼントをしたかったのです。

当然、そんな夢は、無理な事に気づいて諦めました。

その後は、自分の才能を認めてもらえるような絵描きや、沢山の人に喜びと夢をあたえるお菓子屋さんになりたい等と、年齢と共に変わっていった気がします。

そして今は、グリンツィングでシェフとして働いています。

もう一度考えました。

「今の自分の夢って何だろう?」 

将来、お金持ちになりたいのだろうか?それとも、料理人として有名になることが、自分の夢なのだろうか?

そんな事を考えながら、いつもの様に小窓から客席を見ると、自分の料理を美味しいと喜んでおられる一人のお客様を見つけたのです。

小さい時に、大好きな祖母に喜んでもらいたい。

そこが、自分の夢の始まりでした。

そして今、自分の仕事が、人を幸せにしている。

気が付いたのです。

自分の夢は、もうすでに叶っている事に・・・

 

自分の夢であるこの職業を、これからも大切にしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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