フランス産栗のモンブラン コニャック風味

本日は、デザートの一皿をご紹介します。

フランス産栗のモンブラン コニャック風味です。

モンブランは、この時期に必ずメニューに入れる定番の一皿ですが、今年も去年からヴァージョンアップして登場です。

今回も色々なお店のモンブランを食べて研究しましたが、色々なヒントは見つかっても、最終的には自分の味覚で表現しなければいけない事を改めて感じました。

あくまでも自分の完璧を目指すのであって、他人との単純な違いは本当のオリジナリティとは違う気がします。

そんな中で、今年のモンブランは生まれました。

見た目は去年にご紹介したモンブランと同じ様に見えますが、一つ一つのパーツはすべて変わっています。

一番上のマロンクリームは、フランス産マロンペーストを牛乳とラム酒でのばした物でしたが、より軽い味わいと食感のマロンクリームとホイップクリーム、コニャックを合わせた物に変え、以前は中にヴァニラアイスクリームを入れていたのを、コニャック風味の栗のアイスクリームにしています。

そのアイスクリームの上には、甘さ控えめのホイップクリームをのせてからマロンクリームを絞っています。

一番下の焼きメレンゲも、プレーンな物からアーモンドパウダー入りに変えました。

今回の焼きメレンゲは、最後にグラニュー糖を生地に加えていますので、キャラメル化したシャリッとした食感と香ばしい味わいが加わり、とても美味しくなりました。

全体的には、以前の濃厚でしっかりした味わいから優しく繊細な一皿に変化していますが、香りや食感のコントラストは強くなっていますので、食べた後の満足感は高くなっています。

盛り付けもシンプルに、飾りらしい物は付けずに最後に粉糖を振るのみですが、静かな冬の山に粉雪が舞っているようで幻想的な雰囲気になりました。

 

故郷が新潟ですので、寒い冬や雪には沢山の思い出があります。

自分が小学生の頃に、父親がスキー場によく連れていってくれた事を憶えています。

自分にとってこのモンブランは、ヨーロッパの山ではなくて、あの時の新潟の雪山なのかもしれません・・・

 

これからの季節にピッタリの自信作です。

 

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ハタのムニエル 茸を添えて

今回は、メインディッシュの一皿をご紹介します。

ハタのムニエル 茸を添えてです。

脂がのり肉質もしっかりとしたハタには、香ばしくコクのあるバターが良く合いますので、時間をかけてじっくりとムニエルにしてみました。

白身魚にはオリーブオイルでカリッと焼く事が多いのですが、しかし今回仕入れたハタには、白身の肉に近い力強さと濃厚さを感じましたので、その個性に負けない調理法とソースにしています。

その他にも大きなハタには、他の白身魚と違い、熟成によって味わいや身質が変わる気がします。

そこでソースは、豚のジュ(肉汁)をベースにレモン汁やケッパー、イタリアンパセリ、エシャロットを加えて、仕上げに香ばしい焦がしバターで仕上げた、香り高くコクのある物になっています。

魚のソースに豚のだしとは少し変わっていますが、ハタの強い味わいとイメージから、インパクトのある旨みが欲しかった事と、バターを使った調理法には、ベーコン等の豚肉の香りとの相性が良い事から使っています。

バターと豚のジュと聞きますと、重くてくどいように思われるかもしれませんが、レモン汁やケッパーの酸味が強く効いていますので、むしろサッパリとした味わいです。

ソースに加えるバターも焦がす事で、乳化させたソースよりも味の切れがぐっと良くなりました。

付け合わせには、香ばしくソテーした茸をたっぷりと添えていますので、ボリューム感のある魚料理を楽しんでいただけると思います。

ワインとの相性もピッタリの一皿です。

 

そして、先日ついにミシュランの東京版がでました。

ミシュランはフランス修行時代によく読み、星付きのレストランやシェフに憧れていましたし、そこで修行する自分の励みにもなっていました。

今回の東京版の発売も、日本の飲食業界の活性化や、料理人の意識向上などの効果を期待しています。

星をもらい仕事を評価される事はとても素晴らしい事ですし、本人にとっても嬉しい事だと思います。

しかしミシュランに掲載されたお店以外にも、それ以上に努力をして経験をかさねて、本当に素晴らしい仕事をされている先輩の料理人が、東京には沢山おられる事を自分は知っています。

今回はミシュランというガイドブックの、ある一つの基準の評価として受け止めたいと考えています・・・。

 

人に評価される事も大切ですが、それ以前に人が見ていてもいなくても、自分の仕事を一生懸命にする。

そんな料理人に自分はなりたい。 

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雉とフォワグラのパイ包み焼き サルミソース

本日は、メインディッシュの一皿をご紹介します。

雉とフォワグラのパイ包み焼き サルミソースです。

今年もジビエの季節になり、フランスから野生の雌の雉が届きました。

毎年この時期には、フランスからは雉の他にも山鶉や山鳩、青首鴨等が届き、日本では北海道の蝦夷鹿や丹波の猪、新潟の真鴨が、グリンツィングのキッチンに集まります。

今回届きました雉は、鮮度や状態共に良く、とても素晴らしい食材でした。

野生ですので個体差があり、その上鉄砲で撃たれた場所が悪いと状態が良くない為に、そのつど調理法や味付けを変えなければいけません。

そこがジビエの難しさでありますが、しかし面白さでもあるところです。

野生の肉が持つ繊細で力強い味わいに、ぴったりの熟成と適切に調理された一皿は、飼育された肉には出せない凄みが有ります。

今までに食べたジビエでは、フランス修行中に食べた野ウサギの煮込み(リエーヴル・ア・ラ・ロワイヤル)は、これぞジビエという複雑で野生的、そしてこの上なく濃厚な美味しさに、とても感激した思い出があります。

東京でもその時の味を再現したいのですが、今はフランスから野ウサギが入りませんので残念です。

さて、今回の雉ですが、ボリュームとコクをプラスするために、フォワグラと一緒にパイで包んで香ばしく焼き上げる事にしました。

雉はとても淡白な味ですので、お店に届いたばかりの新鮮な状態では、癖のない鳥肉位の価値しか有りませんが、数日間じっくりと熟成させる事で、本来の雉の個性と独特の良い香りが出てきます。

そんな香り高い雉に、コニャックや赤ワイン、バター、生クリームを合わせて、フランス料理らしい一皿を食べていただきたいと思います。

パイ包みの作り方は、雉の胸肉と腿肉、砂肝や心臓、レバーと豚のノド肉を、コニャックと塩、スパイスと共に1週間漬け込み、ミンチにしてから炒めた玉葱と卵、クリームを加えて良く練った物と、軽く焼き色を付けた鴨のフォワグラを折り込みパイ生地で包み、溶いた卵黄を塗ってから、250度の高温のオーブンで15分程焼きます。

サルミソースは、雉のガラと香味野菜を炒めた所に、コニャックと赤ワインを加えてよく煮詰めてからフォンドヴォー(仔牛のダシ)を入れて、ブーケガルニとスパイスを加えて一時間位弱火で煮ます。

目の細かい漉し器で漉した後に、軽くソテーした雉のレバーと一緒にミキサーに入れてよく回します。

鍋に移し弱火で加熱して濃度を付けてから、もう一度漉して、最後に塩とコショウ、コニャック、バター、生クリームで味と濃度を調えて完成です。

付け合せには、別皿で胡桃風味のサラダを添えていますが、今回は熱々のパイ包み焼きと濃厚なサルミソースを、じっくりと味わっていただけたら嬉しいです。

 

美味しい料理には、必要な作業や要素と同じく、必要で無い作業や要素が有ると思います。

やらなければいけない事と、やらなくてもよい事とも言えます。

今まではその作業や要素の違いが解らずに、やらなければいけない作業を軽く考えたり、外してしまったり、逆にやらなくてもよい事に、時間や労力を使っている事も多かった気がします。

お店によって必要な事はそれぞれ違いますが、基本的な所や、基礎になるベースの部分こそ大切であり、時間と労力を注がなければいけないと思います。

いくら外側の綺麗さや奇抜さが目立っても、そこに本当の美味しさや感動はあるのでしょうか?

「当たり前の事をきちんとする」またそこから始めたいと思います。

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