ホロホロ鳥のロースト 夏トリュフ風味

本日は、メインディッシュの一皿をご紹介します。

ホロホロ鳥のロースト 夏トリュフ風味です。

食材には旬が有りますし、季節によって自然と食べたくなる料理や味付けも有ると思います。

フランス料理ではジビエの料理が分かりやすく、秋も深まりますと真鴨や雉、鹿、猪等の野生の食材に、手間をかけた濃厚なソースが恋しくなります。

その他にも、寒い冬には熱々の煮込み料理や表面を香ばしく焦がしたグラタン等が食べたくなります。

そこで、夏に食べたくなるフランス料理は何か?と考えたところ、さっぱりとしていながらも味わいの深いフランス産のホロホロ鳥の胸肉に、旬の夏トリュフの組み合わせに行き着きました。

夏トリュフは、冬の黒トリュフに比べて香りは弱いのですが、かえってこの時期にはしつこくなく、さっぱりとした味わいで気に入っています。

そのホロホロ鳥の胸肉ですが、皮付きで香ばしく焼いても美味しいのですが、今回はメインディッシュとしてのボリュームと旨みが欲しかったので、あえて皮を外した胸肉に、茸と挽肉を合わせた物をのせて豚の網脂で巻いてからローストしています。

胸肉にはしっとりと柔らかく火が通りますし、茸の香りや挽肉の食感が加わりとても美味しいです。

ソースはシンプルな肉汁に、トリュフジュースと夏トリュフの微塵切り、オリーブオイルでサッパリと仕上げています。

そして、付け合せも少し軽めを意識しまして、ジロール茸のソテーとなめらかなジャガイモのピューレ、シェリー酒ビネガーと香ばしいピーナッツオイルのドレッシングで合えたサラダ、スライスした夏トリュフを添えてみました。

今までは、メインディッシュと言うと食材に力強さを求める傾向がありましたが、今回のホロホロ鳥の胸肉のように、繊細な食材にも違った面白さがあることに今更ながら気づきました。

一般的にフランス料理は、秋や冬の濃厚な味のイメージが強いですが、暑い夏だからこそ表現出来る軽やかで華やかな味わいも、また別の魅力です。

グリンツィングの皿の中に、夏の美味しさを見つけていただけたら嬉しいです。

 

「恩師」

これまでの人生で、忘れられない時期が有ります。

それは、高校時代の3年間です。

中学生までは、何となく生きているような毎日でしたが、高校に入り剣道部に入部して高橋先生と出会う事で、初めて本当の厳しさを経験しました。

毎日の厳しい稽古に人としての礼儀等、いつも叱られ竹刀で叩かれる事も少なくありませんでした。

辞めたいと思った事もありましたが、徐々に上達する剣道の魅力や試合で勝つ喜び、一緒に頑張っている仲間との繋がりの中で、最後まで頑張る事が出来ました。

自分自身、器用でもないくせに技に逃げたり、気持ちが弱いところがあり思いきって勝負できない事が多く「冬人 小手先で打つな!!」と何回注意されたか数えきれません。

しかし、厳しい指導の中にも、時おりかけていただいた「神様はちゃんと見てるから」「正直者が最後に勝つ」等の言葉には、本当に励まされました。

当初部員も少なく、なかなか勝てないチームでしたが、徐々に力をつけ市内の小さな大会でしたが、初めて優勝出来た時はとても嬉しかった事を憶えています。

その時、みんなで喜んでいた中、高橋先生が一人で泣かれていた姿をこれからも忘れる事はないでしょう。

それまでの人生で最も厳しく、そして優しい大人でした。

今では剣道部も強くなり、強豪校として活躍している姿は、自分の誇りでもあり、励みでもあります。

結局自分は、その3年間で自慢出来る程の結果は残せませんでしたが、その後の人生を生きる上で、本当に大切な事を学ぶことが出来ました。

あらためて高橋先生には感謝しています。

ありがとうございます。

 

あの時から15年経ち、今ではシェフとして料理を作る立場になり、年齢もあの時の先生位にはなったのでしょうか。

しかし、今でも料理を作っていると先生の声が聞こえてくるのです。

「冬人 小手先で打つなよ」。

 

 

 

 

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