今回もブログの更新が遅くなりましてすみません。
3ヶ月振りの更新ですが、今日こそは頑張って書きたいと思います。
本日は、メインディッシュの一皿をご紹介します。
金目鯛の白ワイン蒸し 青海苔入りバターソースです。
お肉料理の記事が続いていましたので、少し気分を変えてお魚料理を選んでみました。
伊豆 下田産の金目鯛は、よく使う食材の一つです。
今までは、フライパンでカリッと香ばしく焼く事が多く、それはそれでとても美味しいのですが、今年は別の美味しさを表現したいと思いました。
メインディッシュとしてのボリューム感やワインとの相性、他の料理とのバランス等、個人的には、お肉のメインディッシュよりも難しく気を使う所が多いのです。
お魚の皮目をしっかりと焼いた美味しさは、インパクトも有りますし赤ワインとの組み合わせも美味しいと思います。
しかし、お魚には、それぞれの個性が有り、それぞれの美味しさが有ります。
その個性を、適切な調理によって本当に美味しい料理に仕立てたい。
この一皿は、そんな気持ちから生まれています。
金目鯛の柔らかで繊細、それでいて脂ののった身質、真っ赤で綺麗な皮を味わうには、香り高い白ワインで蒸すと美味しいと思いました。
メインディッシュとしてのボリューム感は、無農薬の東八野菜のローストをたっぷりと付けていますし、カマの部位の状態が良ければ、写真の様に一緒に盛り付ける時もあります。
そして、ソースは、金目鯛のアラと香味野菜を白ワインと水で煮出したダシを煮詰めて、たっぷりのバターを溶かし込み、最後に青海苔を加えて仕上げた、旨みのしっかりとした味になっています。
青海苔の磯の香りとバターのコクが、しっとりと蒸しあがった金目鯛にピッタリです。
メニューでは、お肉料理の種類が多いですが、是非お魚料理も楽しんで下さい。
それでは、本年も東京グリンツィングを宜しくお願いいたします。
「スタート」
昨年の事になります。
毎日、同じ時間にキッチンに入り、同じ様な作業をする。
忙しい時程、似たような時間が過ぎる気がします。
手を洗うところから始まり、仕入れてきた魚を下ろし、大きな鍋に材料を入れてダシをひく・・・。
もちろん実際の作業は毎日違いますが、基本的な流れはあまり変わりません。
極端に言えば最初にキッチンに入った14年前から・・・
その日も忙しい営業が終わり、少し落ち着いた雰囲気の中で明日の為のソースを作っていました。
鍋にバターを入れ、そこにスライスした玉葱を加えてじっくりと炒めていきます。
いつもやっている事ですし、何も特別な作業でもありませんが、その日に限って少し違ったのです。
「なんていい香りなんだろう」
営業も終わりホッとした気持ちもあったのかもしれません。
その時、一瞬ですが、自分がフランス料理を始めたばかりの頃に戻った気がしました。
経験を重ねる度、歳をとる度に仕事や作業に慣れてしまい、そんな当たり前の感覚や感動が少なくなっていたのかもしれません。
初めてキッチンに入った時の緊張、初めてフランス料理を食べた時の感動、初めて美味しいと言ってもらえた時の喜び、初めて魚を下ろした時にボロボロにした悔しさ。
経験を重ねる中で技術や知識は、あの時の自分とは比べられないほど上がりました。
今は、あれほど憧れたシェフとして働いています。
しかし、今の自分に、あの時の純粋な情熱や素直さがあるのでしょうか。
2009年も始まり、もう少しで34歳になります。
経験や努力を重ねる中で、情熱や感動を忘れない。
いつもここからがスタートだと思います。
少しでも早く更新が出来るように頑張りたいと思います。
応援のコメント、本当に有り難うございます。
今シーズン最後の牡蠣を堪能させて頂き、とても幸せな気持ちになりました。
シェフから繰り出される一皿一皿は、シェフの料理に対する静かながらに熱い想いや、真摯な姿勢もお皿に乗せられている様に感じています。
また、近いうちに必ず、そんなシェフの一皿を味わう事が出来ますように・・・楽しみにしています!
その様に言っていただけて、料理人として本当に嬉しいです。
このブログにいつも書いていますように、自分自身はまだまだ未熟です。
それでも、お客様の為に今まで頑張ってきました。
その過程では、本当に沢山の事を学ばせていただきました。
そして「美味しかった」の一言にどれほど励まされてきたことか・・・
本当に有り難うございます。