本日は、旬のジビエ料理の一皿をご紹介します。
蝦夷鹿腿肉のロースト ポワヴラードソースです。
毎年、北海道産の蝦夷鹿を本日の特別料理としてお出ししています。
今年もジビエの季節になりましたので、蝦夷鹿の腿肉を取り寄せてみました。
一般的には、フィレ肉やロース肉を使うレストランが多いのですが、グリンツィングでは腿肉や肩肉を好んで使っています。
仕入れ値としてフィレ肉やロース肉はとても高いのですが、腿肉や肩肉はそこまで高くありませんので、リーズナブルな料金で食べていただけます。
味わいの面でも、フィレ肉やロース肉は勿論軟らかく美味しいのですが、腿肉と肩肉にもそれぞれの良い個性が有り、調理法によっては本当に美味しく出来る面白い食材です。
個人的にはローストして食べる部位として腿肉が、味も濃くて程よい噛みごたえも有るので一番好きです。
赤ワインともピッタリの相性です。
その様な訳で今回は、腿肉の塊をシンプルなローストにしています。
脂の少ない部位ですので、たっぷりのバターと共に低温のオーブンでゆっくりと火を通す事で、軟らかくジューシーに焼き上がります。
ソースはその時の気分や食材の状態でそのつど変わりますが、今回は鹿肉の定番的なソースのポワヴラードソース(胡椒風味のソース)を添えてみました。
刺激的な胡椒の香りとコニャックや赤ワインのアルコールの香り、鹿の骨から出るコクと仕上げに加えた豚血の独特の風味が、渾然一体となってとても滋味深い味になっています。
付け合わせには、香ばしい茸のソテーと根セロリと林檎のピューレを添えて鹿肉の味を引き立てています。
とても昔から有る組み合わせと調理法ですが、今も作るたびに新しい発見とすべてを理解できない難しさを感じます。
簡単に解る事では有りませんが、少しずつでも前に進める様に努力していきたいと思っています。