家に帰った。着替えをしているときに思った。
何か、この膜、少し厚くなったんじゃないか。
夕食の後、ゲームを始めた。
とたんに、お母さんが聞いた。
「宿題はないの?」
また、例の声が聞こえたような気がした。
『ないって言えば』
「でも、それって、悪いことじゃ」
『平気だよ』
「でも、宿題していかないと、授業がわからなくなるし」
『一日くらい、大丈夫。すぐ追いつくって』
そっか、ウソつけばいいんだ。
そしたら、ゲームやっていられるし。
「ないよー」
僕は答えた。
お母さんが台所から、まだ何か言っている。
「あんまり遅くまでやらないで、ちゃんと寝なさいよ。
でないと、明日の朝、起きるのが大変よ」
よし。うまくいった。
お母さんごまかすのなんて簡単だ。
正直に答えるなんて、バカがやることだ。
(つづく)
何か、この膜、少し厚くなったんじゃないか。
夕食の後、ゲームを始めた。
とたんに、お母さんが聞いた。
「宿題はないの?」
また、例の声が聞こえたような気がした。
『ないって言えば』
「でも、それって、悪いことじゃ」
『平気だよ』
「でも、宿題していかないと、授業がわからなくなるし」
『一日くらい、大丈夫。すぐ追いつくって』
そっか、ウソつけばいいんだ。
そしたら、ゲームやっていられるし。
「ないよー」
僕は答えた。
お母さんが台所から、まだ何か言っている。
「あんまり遅くまでやらないで、ちゃんと寝なさいよ。
でないと、明日の朝、起きるのが大変よ」
よし。うまくいった。
お母さんごまかすのなんて簡単だ。
正直に答えるなんて、バカがやることだ。
(つづく)