ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

あきこの10円玉(6)ウンチク前編

2007-08-25 | あきこの10円玉/ こすずめピヨの冒険
つっこみがはいる前に、先に、自分でつっこんでおきましょう。
「グーグル時代の子どもが赤電話を知ってんのかいな???」

そして、
みんなは、赤電話を知っていますか?

ということで、まずは赤電話の説明から。

(赤電話の写真

まだ携帯電話は映画の中だけの話だった頃、お金を入れてかける「公衆電話」が町のあちこちにありました。駅や映画館などの人の集まるところとか、雑貨店の店頭、スーパーの入り口などには、必ず、と言っていいほどありました。「公衆電話」の代表選手が、ストーリ-に登場した赤電話です。10円入れると、市内で3分話ができました。遠距離通話だと、入れた10円玉がポンポン落ちるので、話しながらハラハラしました。(こんなこと書いても、経験ないと、なんのことだかさっぱりわからないでしょうね。)

 


さて、ストーリーに話を戻して。

いくら算数嫌い、数字が苦手なあきこでも、アメ1コとおいしいお子様ランチにミックスジュースを比べれば、おいしいお子様ランチにミックスジュースのほうがいいことは、はっきりわかります。

でも、あきこは、10円玉のほうが好き、でした。それは、10円玉を赤電話に入れると、おかあさんと話ができるからです。あきこにとって、10円玉は、ただ単に10円の価値ではなく、大好きなおかあさんの声が聞けるという価値を持っていたのです。

あきこは、おいしいお子様ランチにミックスジュースよりも、おかあさんの声を聞くことを選んだわけです。

あなたは、だれの声を聞くことを選ぶでしょうか?

(つづく)