ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

砂漠の旅人(2)

2007-05-01 | TeamABCの策略/ 砂漠の旅人
最後の望みをかけて、旅人は、古井戸に近づきました。

その古井戸には、大きな石で蓋がしてあり、
井戸の中をのぞくことはできません。
けれども、そこには、これまた古い手押しポンプが付いていました。

旅人は、無我夢中で、そのポンプを押し始めました。



しかし、出てくるのは、空気ばかりです。


旅人は、命が尽き果てたような思いで、
バタンと倒れました。

気が遠くなりかけていく、その中で、


手が何かに当たっていることに気がつきました。



なんだろうと思って、
見ると、

なんと、水の入ったペットボトルでした。


旅人は、それが夢とも幻とも、区別がつきませんでしたが、

キャップを開けようとしたとき、


そのペットボトルに、
メッセージが付いていることがわかりました。

そこには、こう書かれていました。

「このペットボトルの水を、手押しポンプの上部にある穴に注いで、
それから、ポンプを押してください。
この水が呼び水となり、井戸から水を汲み上げることができます。
あなたが水を補給したら、
次の人のために、必ず、このペットボトルにも水を入れてください。
グッド・ラック!」




さあ、あなたがこの旅人なら、どうしますか?

(つづく)