ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

ぼくはセミになったのさ(2)

2008-06-24 | 放蕩息子Part2
夕方、セミは、またその木のところに帰ってきました。セミになって、始めて見た、地上の世界のことを、あれこれと思い出していました。それというのも、生まれてこの方、幼虫のときの7年間は、ずっと地面の中にいたのです。

もうすっかり暗くなった頃、モグラが現れました。
「あれ、こんなところにいたのか。
ずいぶんと探し回ったぞ。
木の上になんか止まってないで、
早く、土の中に戻って来いや。
トンネルの続きを掘ろうや。」

セミは答えました。
「悪いけど、ぼくは、もう土の中には、戻らないよ。
だって、ぼくはセミになったのさ。
ぼくは、光の中で生きるんだ。」

モグラは、ブツブツ言いながら、また土の中に戻って行きました。

(つづく)


ぼくはセミになったのさ(1)

2008-06-23 | 放蕩息子Part2
あるひっそりとした明け方のことです。一匹のセミの幼虫が、静かに、地面に姿を現しました。そして、木に登り、おあつらえ向きの場所を見つけ、止まりました。

しばらくすると、背中が裂けてきました。少しずつその避け口が広がっていきます。

ついに、その避け口から、セミが出てきました。まだからだは、白っぽくて、とても柔らかです。だんだん、からだが堅くなり、一人前のセミになりました。

セミは、力強く、森の中に飛んで行きました。

(つづく)

実話。ヘビの話と鳥の話(7)ウンチク編

2008-06-08 | 放蕩息子Part2
6月1日に、以下のような悲しいニュースを読みました。

北九州市の私立高校1年の女子生徒が「ブログに『死ね』と書き込みされた」などとする遺書を残し、同市内の自宅で首つり自殺していたことが31日、分かった。・・問題の書き込みがあったのは26-27日で、名指しではなかったが、生徒を非難するような内容だったという。


私自身もこうしてブログを書いていますので、自分のブログに「おまえなんか死んでしまえ」みたいなコメントがあったらとても悲しくなる、その思いはわからないでもありません。

ひとつ、知ってほしいことがあるのです。あなたは、あなたに語りかけられた言葉、あなたに向けて発せられた言葉のすべてをまともに聞く必要はないのです。あなたは、どの言葉を大切に聞き、自分に大切に当てはめるか、選ぶことができるのです。

私の家にヘビがこっそり入り込むことは防ぐことはできません。けれども、ヘビが私の家に住み着くことを許すか、許さないかは、私が決めることです。私は、ヘビといっしょに住みたくないので、ヘビが居つくことを許しませんでした。

私の家に鳥が飛んで来て、止まることは防ぐことはできません。けれども、鳥が私の家に巣を作ることを許すか、許さないかは、私が決めることです。私は、鳥といっしょに住みたくないので、鳥が巣を作ることを許しませんでした。

ブログの書き込み、メール、SMS、陰口、噂話、ありとあらゆるかたちで、いろんな言葉があなたに向かって飛んでくることを防ぐことはできません。けれども、どの言葉を自分の心の中に大切に持つか、それは、あなたが決めることができるのです。自分の心の中に入れたくない言葉があれば、心の中に取り込まない、心の中から追い出すことができるのです。

ブログへの書き込みの言葉を、そんなに真剣に聞くことのできたあなたは、言葉を心の中に大切に留めることを知っている、ステキな人だと思います。そのあなたが、あなたを破壊する言葉が、自分の心の中に入り込むことを許してしまったことをとても残念に思います。

あなたを破壊する言葉ではなく、あなたを大切に思っているよっていう言葉、あなたはとても価値のある存在なんだよっていう言葉、それをあなたの心の中に留めることを、ぜひ、選んでください。


「わたしの目には、あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。」(イザヤ書43:4)

「あなたを造り、
あなたを母の胎内にいる時から形造って、
あなたを助ける主」(イザヤ書44:2)

「女が自分の乳飲み子を忘れようか。
自分の胎の子をあわれまないだろうか。
たとい、女たちが忘れても、
このわたしはあなたを忘れない。」(イザヤ書49:15)

「たとい山々が移り、丘が動いても、
わたしの変わらぬ愛はあなたがから移らず、
わたしの平和の契約は動かない、と
あなたをあわれむ主は仰せられる。」(イザヤ書54:10)

ここに紹介した言葉は、すべて聖書からの引用です。
聖書は、あなたへの神様からの愛の語りかけです。


↓で、毎日、聖書のことばを紹介しています。
よかったら、のぞいて見てください。

ブログ「今日の詩篇」



実話。ヘビの話と鳥の話(5)

2008-06-08 | 放蕩息子Part2
「はぁ???」とか思っている数日の間に、

鳥はせっせと仕事を進め、
エアコンと壁の隙間から、
藁やら綿みたいなもんやら、いろいろはみだしてきました。

それだけではありません。
ベッドルームが、動物臭くなってきました。

ある夜、あまりの鳥臭さに
たまらなくなって、
寝る場所を移しました。


「あかん。鳥に占領されとる。なんとかせな・・」


大家さんに連絡をして、
  エアコンを取り外し、
     鳥の巣を取り除き、
もちろん、
壁の穴も、可能なかぎり隙間を埋めて、
実力行使で、自分の寝る場所を取り戻しました。

ちなみに、取り外した鳥の巣には、鳥の雛も卵もありませんでした。

(次回は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります)


実話。ヘビの話と鳥の話(4)

2008-06-07 | 放蕩息子Part2
うっそーと思うかもしれませんが、これも実話です。

1週間くらい前から、
明け方頃、やけに、鳥の鳴き声が聞こえるようになりました。
それも、やたら近いのです。

はじめは、
「風情があってエエやん」とか、のんきに思っていました。

それが、一日だけではありません。
毎朝なのです。
しかも、鳥の鳴き声に加え、
ガサゴソガサゴソ、変な音がします。

「なんのこっちゃ???」


よおーく、その音の出所を観察すると、
エアコンから聞こえてきます。

ベッドルームにエアコンがあります。そして、
エアコンの裏側、つまり壁には、
エアコンと室外機を結ぶパイプを通す穴が開いています。

穴とパイプの隙間を通って、
鳥がエアコンの中に入り込み、
なんと、巣を作っていたのです。

(つづく)