ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

デュアン王子とレイラ(3)

2008-08-28 | デュアン王子とレイラ/ それぞれの休日
裁判が進み、レイラは、終身刑となりました。

  判決が下されようというその時、


     デュアン王子が立ち上がりました。



「私にレイラの身代わりとして刑を受けさせてください」


王様も、大臣たちも、お城のみんなも、だれも信じられませんでした。
その言葉を一番信じられなかったのは、レイラでした。


デュアン王子は、だれが何を言おうと、自分の意見を変えようとしませんでした。
王様は、デュアン王子の真剣さを見て取り、身代わりとして刑を受けることを許しました。


レイラは敵のスパイですから、デュアン王子が身代わりに刑を受けるとはいえ、そのまま自由にするわけにはいきません。お城の中の決まった建物の中でのみ、自由を与えられることになりました。外出するときや、他の人と会うときは、必ず兵隊がいっしょです。

デュアン王子は、終身刑ではなく、実刑20年になりました。デュアン王子は、王子としての身分を取り去られ、一人の囚人として、これから20年を牢屋で過ごすのです。

(つづく)