「企業様を元気にして日本の明るい未来をつくりたい」
皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。
今日のブログは、西武鉄道グループの西武園エリアの再生プロジェクトに触発された、地元遊園地を応援するシリーズの3回目です。
前々回の西武園ゆうえんちの今(1)~甘口編、前回の同(2)~辛口編につづき、今回は提案編として、西武園ゆうえんちの将来について考えます。
今回約30年ぶりの西武園ゆうえんちで、私が一番印象的であったことは、ジェットコースターが頂上に達して、いよいよこれから下るという、搬器に乗っている私にとって恐怖感がピークに達した断末魔の瞬間に見えた「狭山丘陵」の風景です。
ジェットコースターで一番恐怖を感じるタイミングは、頂上まで登り切った時だと私は思います。
そして、その恐怖の絶頂で見るきれいな風景は、まるで死に際に見るとよく言われる走馬燈を見ているようであり、きれいな風景がさらに美しく見えたように思います。
私は、あんなにきれいな「狭山丘陵」を見たことがありません。
写真は観覧車から(ジェットコースターからは撮影不可)
ところで、西武鉄道にとって「西武園ゆうえんち」や「西武園エリア」開発の原点は、村山貯水池(多摩湖)や狭山丘陵の観光需要を当て込んだ路線敷設でありました。
それは昭和初年、現在の西武鉄道になる前の、多摩湖鉄道(親会社は武蔵野鉄道)や旧西武鉄道の時代のことです。
昭和2年、狭山丘陵をダムにした東京の水瓶・多摩湖が竣工しました。
これをきっかけに、当時まだ別会社であった多摩湖鉄道(現多摩湖線)や(旧)西武鉄道(現新宿線・西武園線※1)、そして武蔵野鉄道(現池袋線・狭山線)が、競争してそれぞれの路線を延長したり支線を伸ばしたのです。※1
その後、昭和45年9月、戦後すぐに先述の3つの鉄道会社が合併し(新)西武鉄道となりました。
さらに、西武は狭山丘陵に広大な土地を手に入れ、それが後に西武園ゆうえんち・競輪場・ゴルフ場・ドーム球場・旧ユネスコ村などの広大な西武園エリアとなるわけです。
こうした歴史を踏まえて、原点に帰ってみると、西武鉄道にとってのこのエリアのもつ本来の意味(価値)を思い出せるのではないでしょうか。
さて、西武鉄道にとっての西武園ゆうえんちや西武園エリアの本来の意味(価値)とは何でしょう。
それは「多摩湖と狭山丘陵の魅力」そのものではありませんか?
この西武園エリアの本来の意味(価値)を活かして
「お客様に西武鉄道を使ってもらい、多摩湖と狭山丘陵を楽しんでいただく」
これを西武園エリアの原点として、ここに帰りませんか。
文頭のジェットコースターの例で示したとおり、遊戯施設から見る多摩湖と狭山丘陵は、現状でもすてきです。
でも、まだまだ多摩湖と狭山丘陵の魅力を伝え切れていないのではないでしょうか。
別に多くのお金をかける必要はありません。
必要が無いというよりも、お金をかけることはむしろマイナスです。
なぜなら、今さら大きな再投資をしてそれを回収することは、経営に必要な入園者数を増加させることになり、理想と現実との乖離を広げ、事態をより厳しくすることになるからです。
それよりも、今ある施設の魅力を十分に引き出すことに注力することが重要です。
たとえば、ジェットコースターであればジェットコースターから撮った映像(落下開始直前まで)をyoutubeで公開するなどの方策はいかがでしょうか?
さらに、多摩湖と狭山丘陵の魅力をより理解して貰うために、ジェットコースターの待合スペースで係員が狭山丘陵クイズをおこなって、待っている人を盛り上げる方策はいかがでしょうか?
ジェットコースターの待合スペース
こうすることで、きっと、来園者の単なる「ジェットコースター」に乗ったという思い出が、「多摩湖と狭山丘陵」の風景、そして「西武園」の思い出に変わるのではないでしょうか。
私たち、東京の多摩地区住民、そして埼玉の所沢入間周辺地域の住民は、子供時代の遠足以来何度も訪れてきて狭山丘陵をそれなりに知っているし、西武鉄道にもそれなりに親しんでいます。
そして、この地域は人口が非常に多い地域だということもあります。
この人口ボリュームのある地域に住む「お馴染さん」に、その「お馴染さん」が知らない多摩湖と狭山丘陵をアピールできたなら、きっとそれを見てみたいと思うはずです。
こうして考えると、潜在的には、まだまだ(現状の数字よりは)集客力があると考えられませんか。
つまり、西武園ゆうえんちと西武園エリアには、まだまだ引き出せる意味(価値※2)があるとおもいます。
しかし、潜在顧客を実現する為には、まだまだ知恵を絞る必要がありそうですね。
さて、ここまで3回の連載にわたり、西武園ゆうえんち(と周辺エリア)のことを考えて見ました。
結論として私が考えるのは、キャラクターにお金をかけてディズニーランドに対抗することや大型遊戯施設にお金をかけて富士急ハイランドに対抗することよりも、今ある環境(外部・内部)を最大限活かすことです。
活かすべき外部環境とは、今回論じた「多摩湖と狭山丘陵」と「周辺地域に住む多くのお馴染みさん」のことです。
活かすべき内部環境とは、一所懸命頑張るスタッフ(アルバイト含む)であり、現在の施設(鉄道網を含む)です。
甘口編や辛口編でも書きましたが、スタッフの真剣さはとても印象に残りました。
この人達を活かすことが重要です。
スタッフを活かす方法として、たとえば・・・。
いや、ここは私の専門領域ですので「是非、弊社にご用命下さい」としておきます。
話を活かすべき内部環境に戻して、施設の老朽化についてです。
施設の老朽化は大変心配ですが、発想を変えて考えてみると今は中途半端に古い施設であっても、20年後には良い感じのレトロ感を出せるかもしれません。
実際に古くから稼働している施設(オクトパスやジェットファイターなど)は現状でもかなりのレトロ感がありますが、レトロとしての価値を訴えていない現状ではただのボロ機械と同じです。
そういう扱いにされないためにも、今後は安全性に関して現代的な配慮を加えた上で、良く整備された古い遊戯施設を「レトロ機」として「周辺地域に住むお馴染みさん」にアピールし、再度積極的に活かすことも考えられるのではないでしょうか。
以上、あまりお金をかけずに今ある資源を最大限活かすという、私からの提案でした。
※1 「西武園線」は当初「箱根ヶ崎線」の一部として、現在の西武遊園地駅付近に駅を設けて開業したが、箱根ヶ崎(東京都瑞穂町)方面への延伸は実現しなかった。さらに、競輪場の開設に伴い最終的に今の路線と駅位置に移った。
※2 ここでは事業価値があると考えます。売却価値はどうでしょうか?
※西武杉山(西武園エリア再生PJ)
http://www.say-seibu.jp/
※西武園ゆうえんち
http://www.seibu-group.co.jp/rec/yuenchi/
※関連記事とこの記事のカテゴリー
西武園ゆうえんちの今(1)~甘口編
西武園ゆうえんちの今(2)~辛口編
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