潜ヶ浦を左に見て、さらに南へ進む。
里浦の輝きが右手に見え、やがて歴史資料館の「縄文村」が見えてくる。
2月にはまだ、敷地内に貯水槽が転がっていたが、すっかり片付き、かつての美しい庭が戻っている。
(2月の様子↓)
(9月11日の様子↓)
3月には、地道な努力の末に再開したので、以降は資料館にも入れる。
大きくはないが、綺麗な室内で、発掘された物の意味や、先人の暮らしが分りやすく展示されていて面白い。
まるで、縄文時代の風がふと肩をかすめていくような気分になる。
上階には土器が並ぶ。
大昔の人の見事な物づくりも、欠けた土器を丁寧に組み立てた跡もいい。
先人の作る物の良さにも、今の人が甦らせた努力にも感心する。
また、当時の暮らしを再現した物語を見られる映像館もあって、大昔の人々に親しみを覚える。
我が連れ合いなぞは、すっかり大昔の物語に入り込んだらしい。
なんと、主人公の生涯が終わる場面で、驚きと嘆きの声を上げた。
縄文村を出て里浦を見ると、滑らかな絹の薄布が、空気を含みながら床いっぱいに敷かれたみたいに、島々の間に海が輝いている。(9月11日撮影↓)
その輝く波の上に漁船が浮かび、震災前ほどの量ではないが、奥には養殖用の浮きも並んでいた。
その光景は、懸命に海で働く人々の心意気の姿でもある。
はるか昔から、人々が、この海と森と共に生きてきた。
その輝きは、厳しい時である今もなお、絶えることなく引き継がれている。
(2012年9月11日撮影)