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学校を“ブラック企業”化する、「子どもが可哀そう」という呪文

2014-06-26 21:00:56 | 日本ニュース (病気・環境)

 

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学校を“ブラック企業”化する、「子どもが可哀そう」という呪文
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kawaikaoru/20140626-00036775/
河合薫 | 健康社会学者
 2014年6月26日 13時27分

 

 

「子供に与える影響を考えると……」

「子供たちの立場に立って考えなきゃ……」

「子供たちのことを考えてない……」

何らかの“問題”が起きた時に、常に教師たちに向けられる言葉。

昨年、埼玉県で起きた教師たちの駆け込み退職、4月に息子の入学式を優先し勤務先の入学を欠席した女性教師、のど自慢出場のために授業参観を休んだ中学校の先生……。

自分は、早期退職しても、先生のことは許さない。

「子供とおカネを天びんにかけて、おカネを取ったってことですよね? 無責任だし、子供たちにとって、どうなんでしょうかね」

自分は、子どもの行事を優先させても、先生のことは非難する。

「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なんですか? 無責任ですよね。先生のいない入学式なんて、子どもたちが可哀そう」

もちろん批判の一方で、「先生だって人間だもね」と擁護する声もある。だが、とかく先生への風当たりは強く、その“暴風”は年々強さを増している。

「先生はもう先生じゃないのよ。ただのサラリーマン。だって子供たちのための仕事より、管理職のための仕事ばかりなんだから。職員室では、どの先生もパソコンに向かって、息を潜めている」

こう話してくれたのは、昨年、定年退職をなさった中学校の先生である。

先生によれば、学校で、学級崩壊ならぬ、職員室崩壊が起こっているのだそうだ。

「昔はね、本当に楽しかった。教師みんなが一丸となって子供たちに向き合っていたし、みんなで1人ひとりの生徒のことを話し合い、考える時間もあった。例えば、何か問題を起こす子供がいるとするでしょ? 1つの原因だけで問題を起こすってことはなくて、いくつかの要因が絡み合っている場合がほとんどなの。だから先生たちみんなで子供の情報を共有して、みんなの“問題”として取り組まなきゃならない」

「でも、今は、何か問題が起きるとそれに関係のある1人の先生だけがやり玉に挙げられる。特に管理職は何かあると、自分の責任問題になるから、その先生だけに問題があったのかのような追及をしたりする。今の先生に求められているのは、間違いを起こさないこと。間違いを起こさない無難な教師が一番いいんです」

「それに子供たちの学力が低いと先生の指導に問題があるように言われるけど、どんなに先生たちが頑張っても学力が上がらない学校というのがある。例えば、県でトップクラスの学力を誇っている学校の先生全員が、学力の低い学校に行って頑張ったとしても、そんなに簡単には学力は伸びない。先生たちだけじゃ、どうにもできないことが現実にあるの。でもね、そんなの世間は認めない。すべては先生の問題。先生の資質に問題があるとなってしまうんですよ」

こんな現状を話してくれたのである。

 

奇しくも、今朝、「日本の先生、世界一多忙なのに指導には胸張れない」という見出しで、先生たちを取り巻く過酷な職場状況が報じられていた。とにかく時間がない。残業も多い。なのに、ちっとも自分の仕事に自信を持てない先生の姿が、OECDの調査でわかった、のだと。

この結果に文部科学省の担当者は「控えめな国民性もあるが、多忙で授業準備に時間が取れていないことなどが、自信の低さに影響しているかもしれない」と指摘し、事務職員らの配置を進めることなどを対策にあげた。

うむ。確かに、そういう面もあるかもしれない。でも、事務職員を増やしても、根本的な問題は解決されない。

 

数年前に都内の新任の小学校教諭が自殺した時には、親たちからのクレームに追い詰められていたことが一因とされたこともあった。

ある保護者から「子供のけんかで授業がつぶれているのが心配」「下校時間が守られていない」「結婚や子育てをしていないので経験が乏しいのでは」などと、次々と苦情を寄せられ、苦しんでいたとの証言が寄せられたのだ。

保護者だって、大切な子供を預けているのだから、「子供のために」と文句の1つや2つ言いたくなることはあるかもしれない。“モンスターペアレント”と呼ばれる保護者の存在が指摘されることもあるが、理不尽なことを言ってくる保護者はごく一部とする先生たちも多くいる。

でも、都合のいい時だけ、世間は「教育者」などと言うけれど、ホントに教育者と敬意を払って接している人たちがいかほどいるのだろうか。

学校の “ブラック企業化”。そんな現象が、進んでいる。そう思えてならないのである。

かつて、教師という仕事の、社会的評価は高かった。校内暴力なるものが社会を騒がせていた時代には、まだ、“戦う教師”として世間は好意的に教師を受け入れていたため、保護者は味方だった。

だが、そんな先生たちを支えていた、世間との良いつながり、保護者との良いつながり、そして同僚たちのつながりが途絶え、教師たちの支えとなる資源が失われている現状がある。今、先生たちは、非難されることはあっても、褒められることはなくなってしまったのだ。

教員の精神疾患による休職者は10年で約3倍も増え、強い疲労を訴える教員は一般企業の3倍以上。なぜ、先生たちはこんなに病んでいるのか? 私たちも、どこかで、無意識に先生たちを追い詰めているんじゃないのだろうか?

「子供たちのため」という美しい響きの言葉と共に、「先生なんでしょ?」と、“責任論”という反発できない刃を突きつける。

「子どもが可哀そう」「先生なんでしょ」そうやって、先生に”完璧さ”を求める。

件の先生が語っていたように、先生だけじゃ解決できない問題が山ほどあるにもかかわらず、容赦ない攻撃を先生に仕向ける“世間”が存在している。

ILO(国際労働機関)は、労働に関する報告書の中で、教師は個性的な人格を持つ40人近くの子供たちを統制しなくてはならないため、非常にストレスフルであり、その状況は“戦場並み”であると指摘している。さらに、1人の教師のストレスは周りの教師にマイナスの影響を及ぼすことに加え、教育の質に対する深刻な打撃を意味する、と警告している。

先生だって、人間。悩むこともあれば、失敗することあるし、家族だっている。私たちと同じ、「人」なんだと。そんな当たり前のこと受け止める余裕が、「子どもが可哀そう」と呪文を口にする前に、私たちにも必要なのではないでしょうか。
 
 
河合薫
健康社会学者
 

健康社会学者(Ph.D.,保健学)。 千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。 気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。 2004年東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了(Ph.D)。 産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究。 フィールドワークとして行っている働く人々へのインタビュー数は600人に迫る。 医療・健康に関する様々な学会に所属し、東京大学や早稲田大学で教鞭を取る。

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ディズニーランド、疲弊する現場にキャストらが会社と争い 突然解雇や偽装請負疑惑も

2014-06-22 21:36:50 | 日本ニュース (病気・環境)

 


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2014.06.22
ディズニーランド、疲弊する現場にキャストらが会社と争い 突然解雇や偽装請負疑惑も
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5190.html
文=松井克明/CFP


 世界興行収入が12.3億ドルの大ヒットとなっている映画『アナと雪の女王』(ウォルト・ディズニー・スタジオ)の追い風を受けて、東京ディズニーリゾート(TDR)も絶好調だ。東京ディズニーランド(TDL)では、シンデレラ城に映し出される新しい映像ショー(キャッスルプロジェクション)「ワンス・アポン・ア・タイム」が5月末からスタートしているが、その中には『アナと雪の女王』のキャラクターも登場し、話題となっている。

 流通・マーケティング専門紙「日経MJ」(日本経済新聞)の6月8日付記事『闇に浮かぶ妖精や野獣 城に名場面を映すショー 日常忘れる20分間』によると、「ワンス・アポン・ア・タイム」は今年度の集客の切り札であり、ショーの時間を15分から20分に増やし、力を入れているという。平日午後6時から入場できる「アフター6パスポート」(3400円)を使い、会社帰りに行くという楽しみ方もできそうだ。

 TDR運営元のオリエンタルランドの加賀見俊夫会長は経済誌「日経ビジネス」(日経BP/2月24日号)の中で、TDR成功の秘訣を語っている。TDRは9割が準社員(アルバイト)と強調したうえで「コンテンツの魅力をひもとけば、さまざまな場面でゲスト(客)が出会うキャスト(従業員)のホスピタリティ(もてなし)が、テーマパークとして見えない価値の源泉になっています」「キャラクターは元より、販売や清掃のスタッフもそれぞれの持ち場で大事な役割を果たしている」と、キャストのもてなしが顧客満足度を高めていると自画自賛している(『経営教室 第3回 事業の価値向上と人材育成』)。

 しかし、ここにきて、労働問題が再燃している。ショーのパフォーマー(スタント、ミュージシャンなど)切り問題が浮上したのだ。


●ディズニーに再燃する労働問題

 TDRのショーやパレードに、7~17年間にわたり出演してきたパフォーマーたちが、「ショーをリニューアルオープンする」という名目で、3月末に解雇された。キャストの使い捨てともいうべき突然の解雇に、パフォーマーら8人がオリエンタルランドと団体交渉するために「オリエンタルランド・ユニオン」を結成した。

 これまでにもオリエンタルランドの労働問題は、2度ほどニュースで報じられ、世間で話題になった。

 2000年に発覚したアルバイト1600人の厚生年金加入漏れと、07年に発覚したダンサー労災認定問題だ。ダンサー労災認定問題では、TDRのパレードに参加していたダンサーがケガをしたものの、業者を間に挟んだ業務請負契約だったことから、オリエンタルランド側は「ダンサーとは雇用契約を締結しているわけではない」と主張したが、勤務実態から「労働者性」が認められ、業務上労災と認定されるに至った。

 その後、さすがのオリエンタルランドもダンサーなどの数百人のパフォーマーに関して業務請負契約から直接雇用へ移行するものと見られていたが、現実にはパフォーマーの多くは、業務請負契約が続いているのだ。

「07年に問題視されたダンサー部門の一部はその後、オリエンタルランドの直接雇用となりましたが、いまだに多くのパフォーマーはオリエンタルランドと業務請負契約をした中間業者と1年更新で業務請負契約を結ばざるを得ない不安定な状態にあります。それぞれが個人事業主で健康保険も自分で加入し、雇用保険も労災保険も適用対象外となっている人もいます」(オリエンタルランド・ユニオン)


●偽装請負の疑い

 オリエンタルランド・ユニオンの話によれば、オリエンタルランドはパレードやショー運営に関しては、複数の中間業者と業務請負契約を結び、その中間業者がアルバイト情報誌などで人材を募集し、オリエンタルランド側はその人材の中から選別し、パフォーマーとして教育してきた。

「請負といいながら、オリエンタルランドが時間管理や技術指導を行っている。オリエンタルランドが用意した台本、振り付け通りにやらなければ注意されます。ショーの出演者に裁量権はなく、アドリブは原則禁止だった」(ユニオン)ために、オリエンタルランドにおける就業実態は事実上の派遣形態をとっており、「偽装請負」として職業安定法44条に抵触している可能性も高まっているのだ(ユニオン側は4月末に東京労働局に申告している)。

 オリエンタルランド側は、請負業者と請負契約を結んでいる「注文主」の立場にすぎず、雇用契約も指揮命令関係もなければ、労務管理にも関与していないので「使用者」ではないという理由でユニオン側の団体交渉を拒否している。

「オリエンタルランドは、これまでも見てみぬふりを続けてきました。最小限の人数で回すことを余儀なくされた現場はブラック企業化し、疲弊しています。疲弊しているうえにパフォーマーはケガをしても自己責任で、『ケガをして動けないのなら仕事を辞めろ』『妊娠したら仕事を辞めろ』などと中間会社からいわれ、泣き寝入りして辞めていく人が多い。オリエンタルランドに直接、相談をしようものなら、契約先の中間会社の社長から『俺の顔をつぶす気か』と恫喝する電話がかかってきた人もいます。最近は景気がよくなったために、アルバイト応募者も減ってきており、ますます現場は苦しくなっている」(ユニオン)

 ユニオン側は、TDR全体の労働環境の改善も要望している。

「多くの準社員も条件は悪い。その契約書には、労働日、労働時間が明記されておらず、労働日の2週間前にシフトが通知される『フリーシフト』状態になっています。これはオリエンタルランド側にとって都合のいい契約で、客の混雑具合や人件費予算を勘案して、人員を手配・配置できるのです。当然ながら、これでは、働く側にとってはたまりません。直接雇用されている準社員からもコスト削減最優先のために『契約時に約束した労働時間と実際の労働時間が違いすぎる。そのため、生活設計ができない』『シフトは6時間なのに、2時間で帰された。オープン準備したが、「客がいないので帰って」と言われた』などの相談が寄せられています」(ユニオン)


●コストカットが進むオリエンタルランド

 オリエンタルランドはコストカット重視で、ここ数年は、エンターテインメント関係を中心に製作費が大きく削られている。

 オリエンタルランドの財務諸表を見ても唯一大きく削減されているのは売上原価、なかでも、「エンターテインメント・ショー製作費」なのだ。同製作費が最も多かったのが09年3月期で、154億円。ところが、最新の14年3月期では55億円と、ほぼ3分の1にまで削減されているのだ。米本社に支払うロイヤリティーが221億円から271億円と2割増であるのと比べても、大幅に減っていることがわかる。こうしたコストカットが労働環境を悪化させ、ひいてはパフォーマンスに悪影響が出る。

「パレードやパフォーマンスも、かつてと比べると配置される人数が激減しています。ディズニーファンからすれば明らかに魅力が落ちており、不満の声も出てきているほどです。オリエンタルランドにとっては、話題の新しい映像ショー(キャッスルプロジェクション)はパレードなどと比べて人件費を大幅に削減できることも魅力なのでしょう」(ユニオン)

“夢の国”が労働者の犠牲の上に成り立っているとしたら、悪夢としかいいようがないだろう。
 (文=松井克明/CFP)


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地球「人口爆発」まであと半世紀…解決のカギは日本人「始末の精神」と「ファーブル」にある

2014-06-15 21:56:01 | 日本ニュース (病気・環境)

 

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地球「人口爆発」まであと半世紀…解決のカギは日本人「始末の精神」と「ファーブル」にある
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140615-00000507-san-int&pos=5
産経新聞 6月15日(日)10時18分配信

 

■地球人口100億人定員説

  現在、世界の人口は70億人に到達したといわれています。食糧科学者は「地球人口100億人定員説」を想起しておりますが、地球をめぐる課題とされている資源や環境汚染・温暖化、貿易摩擦、テロなどの各種テーマは、行き着くところ「人口爆発を防ぐ生存・食糧有限説」に絞られると考えます。

  世界人口会議などでの議論を踏まえると、2065-70年頃までには、100億のピークを迎えるとの予想が大勢であり、多くの識者、科学者らが警告するように「地球が有限である」限り、食糧科学者の分析どおり「百億人が定員」であるとの見解は待ったなしのようです。

  一方で、多くの欧州先進国や日本で、少子高齢化が進んでいるように、「豊かさ」が人口増加に歯止めを掛ける大きな要因として作用することが知られています。ただ問題は、すべての国々が先進国と同様の経済レベルに達することが考えられないということで、地球の隅々まで豊かさが平等に行き渡り、平和裏に人口問題が解決されるといった幸福シナリオの実現可能性がほとんどないという点に集約されます。

  目下、アジア・アフリカなどの発展途上国の人口は56億人ですが、予測によれば2025年には67億人、2060年代に80億人に達するであろうと考えられています。従って危惧されるのは、数十年以内に、水と食糧の奪い合いが起こって弱肉強食社会に至る平和と安定を欠くパターンなのです。

■定員は増やせるか?

  そこで考えられているのが、地球上で養える定員を増やすことは可能なのかどうか、たとえば科学技術の進化や革新で何かできないか、ということです。

  まず、タンパク質の合成、水耕栽培などによる食糧対策、太陽光や風力、海流波などを利用したエネルギー開発、宇宙開発による鉱物をはじめとする新資源利用の検討…と幾多の技術が想定できます。しかし、こうした技術の実用化・普及には、早くても十数年から、50~100年をかける必要があり、そのための資金を企業や国家が支援し続けられるのか、そもそも人口爆発に間に合うのか、という問題があります。また、仮に成功したとしても、結果として人口を増やしてしまうという皮肉を生んでしまう可能性も否定できません。

  そこで考えられるのは、人口増に反比例するように、人類が地球にかける負荷を漸減させることではないでしょうか。つまり、日本古来の生活の知恵「もったいない」「間に合わせで我慢する」「無駄をなくす」の“3M”を実行することが、効果的な緩和策になると思います。決して西欧的な3M=「Much」「More」「Many」を求めないことに尽きるのです。

  敢えて西欧的な思想に準拠するなら「One for All.All for One.」の概念、つまり節操ある共生の理念が問われるはずです。こうした精神文化と、日本的モノ造り技術「軽薄短小」志向などが、上手くかみ合って、グローバルに展開できれば、難題の人口問題に解決の糸口を見出しうるのではなかろうかと思います。むしろ、日本の先導性が、今求められているのです。

■小国に学べ

 要するに、世界各国が人類の歴史を顧みつつ節制の精神を取り戻す努力をする一方で、先進諸国は、先端省資源技術に一層の磨きをかけ発展途上国を含む地球の未来に希望を生み出す努力が求められているわけです。

  こうした危機打開策こそ、人口減日本にとって、ある意味では好機ともいえるかもしれません。国家間で、経済力の大小を競うのではなく、国民一人一人の物心両面での分配率を高め、幸福感を上げたり、国家ごとの文化の幅と深さを競うことこそ大切で、健康寿命の延びる範囲で「生涯現役社会」を達成できれば、一概に若年労働力不足をかこつこともないともいえそうです。

  小国でも、スイス・ルクセンブルク・北欧四国やシンガポール・ブルネイなどの国勢の高さは、わが国にとっても、よき「物差し」を提供してくれていると思われます。開かれた国、ただし強い自主独立心と大国に媚びない自尊心を持った強かな国を目指すべきではないでしょうか。

■日本は人口過剰?

  日本の歴史をひも解いても、江戸元禄文化繁栄時の人口は4千万、明治の近代化の後が5千万、大正ロマン時代が6千万、そして戦後復興時が8千万でした。その後、高度経済成長の成れの果てでバブルを生み、それが弾けてデフレ不況から脱出できない1億2千万は、ひょっとしたら人口過剰なのかもしれません。

  いたずらに人口減に抗って拙速な移民政策に走ると、欧米先進国の多くの失敗例に見るような極端な格差の増大、社会秩序の破壊、人種宗教文化面での対立を内在しかねないなど、空前絶後の新たな難題が多発しかねません。逆にグローバルなボーダーレス時代を生かすには、日本の資本や技術力を生かす外地進出によって、労働力不足を現地で確保する方が、妥当な戦略であろうかと確信しております。工業のみならず、農業や商業、ハイテクインフラや、コンテンツソフトなど、発展途上国と共生でき、日本の人材と財が生かされる分野は無限にありそうです。

■人類は自分で撒いた種を刈り取れ

 人類の将来を考えるに際して、昆虫をはじめとする生命・種の継続に思いを至らせることも重要かと存じます。著名なフランスの生物学者、ファーブルはこう書いています。

  「自然界の人類以外の生物は、かたくななまでに自ら食べるべきものを限定し、住む場所も活動時間帯も、交信する周波数も、自らが排泄したものの行方までちゃんと知っている。自らの死に場所、死に方まで知っている。それは限りある資源をめぐって、異なる種同士が無益な争いを避けるために、生態系が長久の時をかけて作り上げた動的な平衡だからである。そして、その流れを作っているのは、ほかならぬ個々の生命体の活動そのものだから、彼らは確実にバトンを受け、確実にそれを手渡す。黙々とそれを繰り返し、ただそれに従う」

  これを生物学用語でニッチというそうですが、要するに「すべての生物が守っている自分のためのわずかな占有帯、すなわち生物学的地位・分際」の重要性を説いているわけです。いまこそ、人類は自ら撒いた悪徳の種を刈り取り、共生の仁義を生物界に学ぶべきではないでしょうか。

  人口爆発まで残された期間は、あと半世紀しかありません。

  ■上田和男(こうだ・かずお)昭和14(1939)年、兵庫県淡路島生まれ。37年、慶応大経済学部卒業後、住友金属工業(鋼管部門)に入社。米シラキュース経営大学院(MBA)に留学後、45年に大手電子部品メーカー、TDKに転職。米国支社総支配人としてカセット世界一達成に貢献し、57年、同社の米ウォールストリート上場を支援した。その後、ジョンソン常務などを経て、平成8年(1996)カナダへ亘り、住宅製造販売会社の社長を勤め、25年7月に引退、帰国。現在、コンサルティング会社、EKKの特別顧問。
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目標2千人→実績1人…厚労省、転職支援でずさん助成金
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140615-00000023-asahi-pol
朝日新聞デジタル 6月15日(日)15時37分配信

 

 

高年齢者雇用安定助成金はほとんど使われていない


 定年を控えた高年齢者を雇った企業にお金を出す厚生労働省の助成金で、2013年度の実績が2千人の目標に対し、わずか1人だったことがわかった。関連事業も含め約70億円の予算の99%が余ったが、今年度は予算を84億円に増やした。成長戦略で高齢者雇用に力を入れているためだが、過大な見積もりを前提とした「お手盛り」予算として批判を浴びそうだ。

  事業は「高年齢者雇用安定助成金」。65歳まで働ける場を増やそうと昨年度新設され、厚労省が独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」にお金を出し、二つのコースを委託している。

  定年を控えた転職者を、職業紹介会社を通じて1人雇うごとに企業が70万円もらえるコースでは、2025人分の利用想定に対し、今年3月までの実績はわずか1人だった。

  また、高年齢者が働きやすいように、負担を減らす設備を買ったお金などに最大3分の2を助成(上限500万円)するコースも、945件の想定に対して実績は48件で、見込みの約20分の1に過ぎなかった。

  結局、両コースで使われたのは総額約4千万円。約70億円の予算のうち、99%超が余った。事業を担当する厚労省高齢者雇用対策課は「類似の助成金を参考にして予算を組んだが、初年度ということもあり、PR不足だった」と説明する。
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朝日新聞社


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<中華ボイス>日本人は「神様が作った最も静かで、最も孤独な人種」=中国人が目の当たりにした光景とは?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140615-00000005-rcdc-cn
Record China 6月15日(日)5時0分配信

 

13日、中国のネットユーザーは日本滞在中に感じたことや体験談を紹介。日本のレストランで目にした不思議な光景について自身の考えを述べている。写真は日本のレストラン。


2014年6月13日、中国のネットユーザーは日本滞在中に感じたことや体験談を紹介。日本のレストランで目にした不思議な光景について自身の考えを述べている。

【その他の写真】

ネットユーザーは「日本に滞在していた時、1人分に仕切られたスペースがあるレストランをよく見かけた。壁に向かって黙々と食事を楽しむ日本人を目の当たりにし、日本人は神様が作った最も静かで、最も孤独な人種に違いないと感じた」と自身の体験談を紹介している。(翻訳・編集/内山)
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風疹7割は職場で感染 特にリスクが高いのは…

2014-05-29 21:01:59 | 日本ニュース (病気・環境)

 

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風疹7割は職場で感染 特にリスクが高いのは…
http://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2014052800071.html
dot.2014年5月29日(木)07:00
 

 昨年、流行した風疹だが、職場での風疹の大規模流行はいつ起きてもおかしくない状況だという。国立感染症研究感染症疫学センター第三室室長の多屋馨子医師に、風疹ワクチン接種の重要性について聞いた。

*  *  *
 2012年度に実施された厚生労働省の感染症流行予測調査によると、風疹の免疫を持たない1~49歳の人は618万人(男性476万人、女性142万人)と推計されます。このうち成人は475万人です。

 風疹は子どものかかる病気と思われがちですが、実は昨年の大規模流行の中心は成人男性で、男性は女性の約3倍多く、特に男性の20~40代、女性は20代の方が多くかかりました。この背景には風疹の予防接種制度が男女別、年代別で異なっていることがあります。 過去に風疹にかかっていれば抗体がありますが、風疹については記録や記憶も曖昧な方がほとんどなのです。

 今年4月1日時点で、52歳以上の女性と、35歳以上の男性は、これまでに風疹ワクチンの定期予防接種の機会が一度もなかった方たちです。また妊娠することの多い20~40代の女性のうち、特に20代に、風疹の抗体を持たなかったり抗体価が低かったりする人が多くいるので注意が必要です。

 感染原因・経路がわかる男性患者約1800人のうち、7割が職場で感染しています。職場や通勤途中には妊娠初期でまだ妊娠に気づいていない女性がいるかもしれません。特に30~40代の男性を多く雇用している職場や、海外で風疹が流行している地域に出張することが多い職場では流行のリスクが高いです。

 公共施設など多くの人の利用する場所やサービス業の方なども感染の機会が多くなります。周囲の妊婦さんと生まれてくる赤ちゃんを風疹から守りましょう。自分が原因で感染させてしまったら、お互いにつらいものです。

 職場の責任者の方は、もし従業員が風疹になったら、完全に治るまでは出社しないことを徹底させてください。感染が広がり長期にわたれば企業の損失も拡大します。

 ワクチン接種は抗体検査の結果を調べてから行う方法もありますが、調べずにワクチンを接種しても医学的に問題はありません。

 現在、はしかも流行の兆しがあるので、はしかと風疹混合のMRワクチンを接種することをお勧めします。

※週刊朝日  2014年6月6日号

  
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モチベーションアップに必要な「ほめ力」 わかっていても上司が部下をほめられない理由は?

2014-05-28 21:03:21 | 日本ニュース (病気・環境)

 

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モチベーションアップに必要な「ほめ力」 わかっていても上司が部下をほめられない理由は?
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/nation/diamond-53587.html
ダイヤモンド・オンライン2014年5月27日(火)08:00
 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

 部下の指導に悩んだとき、この山本五十六の言葉を噛みしめたことがある人は少なくないはず。特に後半の「ほめてやらねば」。ほめなければ人は動かない、そうわかっていても、部下を「ほめる」ことはなかなか難しい。あなたがほめたつもりでも、部下はそう受け取っていないかもしれないからだ。サーベイリサーチセンター(東京都荒川区)が行った、「職場における『ほめる効果』に関するアンケート」からは、上司と部下の「ほめる」ことに関する意識の違いが垣間見える。

 調査対象は日本全国の20~59歳の男女個人(民間企業の正社員および公務員の正規職員)。調査方法はインターネット。調査期間は3月27日~4月3日。回答者数は665人(民間企業の正社員管理職124人、一般社員213人、公務員の正規職員管理職122人、一般職員206人)。

ほめられた人は
同僚・部下を「ほめる人」になる?

 調査では、上司にほめられている人のほうが、「挑戦意欲」「仕事への満足」「仕事への楽しみ」「自信」「誇り」が高いという結果となった。これは、「上司にほめられている方だと思うか」に対し、「そう思う」「まあそう思う」と答えた47.5%を「ほめられている人」、「あまりそう思わない」「そう思わない」の52.5%を「ほめられていない人」として比較した結果。仕事に対する意識42項目(※)のうちの多くで、「ほめられている人」の方がポジティブな回答結果となった。

「ほめられていない人」より「ほめられている人」の方が20ポイント以上高かった項目には、「現在の労働時間(長さ)に満足している」「今の仕事に満足している」「周囲の人との人間関係に満足している」など、仕事に対する満足度に関するものも多く、「ほめられる」ことは仕事への納得度、満足度に必要なものであることがうかがえる。

 また、ほめられた経験のある人は、結果的に自分も「ほめる人」になる傾向があるようだ。「上司からほめられた経験」について聞いたところ、「この1ヵ月以内に経験した」と答えた人は33.7%。この33.7%に「同僚・後輩をほめた経験」について聞いたところ、1ヵ月以内にほめた人は63.1%。全体に同じ質問をした結果の34.1%と比べて2倍弱という高さだった。

(※)「挑戦意欲」「仕事への満足」「仕事への楽しみ」「自信」「誇り」などを指し、同志社大学政策学部・太田肇教授「承認とモチベーション」(同文舘出版)より調査項目を使用

 ほめられた経験のある人、ほめられた経験の多い人は、ほめられるうれしさや、それでモチベーションがアップすることを、身を持って理解しているのだろう。だからこそ、他人に対してもほめるポイントやタイミングがわかり、うまくほめることができるのかもしれない。

 

 

 

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「盗んで覚えろ」では部下が育たない理由
「褒める」とは、どういうことか
http://diamond.jp/articles/-/48760

 
2月20日から始まった全5回連載では、『自信は「この瞬間」に生まれる』を刊行され、ハーバードで「ベストティーチャー」に選ばれ続けた日本人教授、柳沢幸雄さんに「自信」の秘密を教えていただきます。

最終回となる今回は、「育てる側」から自信について考えていきます。後輩を育てる、部下を育てる、子どもを育てる……。「育てられる側」から「育てる側」になった時、人は誰でも戸惑うものです。

「子どもを育てる場合も、大人を育てる場合も、そこにはまったく同じ法則がある」という柳沢先生に、その秘訣をうかがいます。

「背中を見て覚えろ」では部下は育たない

?日本の職場で昔から上司が部下に向かって言うのが、「俺の背中を見て覚えろ」「盗んで覚えろ」。上司はむっつりした顔で黙々と仕事をして、部下はそのマネをするわけです。日本企業の伝統的社員教育なのかもしれませんが、これは「教育」ではありません。

?最近の若手社員は、上の世代から「ゆとり世代」や「宇宙人」と呼ばれて、教えにくい、育てにくいと言われているようですが、みなさんのまわりではどうでしょうか??これまでの社員教育が通用しない部下の出現に、頭を抱えている方もいるかもしれません。

?でも、「言わずに通じた」従来のやりかたのほうが、教育という点から考えると特殊だと言えます。教育とはそもそも「言わなければ通じない」ものだからです。

?普通に経験を通して身につけようとしたら何十年、何百年とかかることを数ヵ月、数年で圧縮して伝える。これが教育です。ですから、「俺が30年かけてやったことを、30年かけて身につけろ」というのは、教育ではないわけです。特に、今のように伝えるべき情報が大量にある時代には、向きません。


私が新米上司だった頃

?たとえば、部下がなかなか思い通りに仕事を仕上げてこない時。イライラして、つい「自分でやったほうが早い」と手を出してしまいたくなります。でも、これは厳禁。ただでさえ忙しい自分の首を絞めるようなものですし、部下も育ちません。

?とはいえ、私自身はなかなか部下に任せられない上司でした。

?40代になり、ハーバードの研究室でマネジャーをしていた頃。実験に手が回らなくなり男性スタッフを1名雇い入れました。ところが、彼の出してくる実験結果と私の想定した分析結果が食い違う。

 「さては、あいつ実験を間違えたな……」と疑いを持った私は、週末に実験室に忍び込み確認するようになりました。やがて、それに気づいた彼は烈火のごとく怒りました。「ユキオ!?なぜ、僕のやることを信じないんだ!?」

?この時、私は初めて、人を束ねるマネジャーとして部下を育てることを真剣に考えるようになりました。


褒めるとは「価値観」を伝えること

?人を育てる時に一番大切なのは「褒めること」です。たとえば、部下が仕上げてきた仕事が自分の理想からほど遠いものであっても、片目をつぶりましょう。自分が求めている方向に一番近い部分を、まずは褒めてやる。

?それを繰り返していくと、最初は5割くらいの出来だったものが5割5分になり、最終的には7~8割くらいの出来になっていきます。

?褒める時に気をつけたいのは、具体的に褒めること。ただ「いいね」「やるじゃん」と言うだけではダメ。なぜなら、褒めるとは、価値観を伝えることだからです。

?具体的に褒めることで、相手に「こちらの方向で合っているよ」「その部分を伸ばせばいいんだよ」というメッセージが伝わるのです。つまり、教える側と教えられる側で一つの価値観が共有される。逆に価値観が共有されていない状態では、育てられる側は何をどうしていいのかわかりません。

?また、否定では価値観が伝わりません。「これじゃ、ダメ」と言われたところで、次にどうすればいいのかわからないのです。たとえば、上司に何か提案をして「これじゃ、ダメ」と言われても、部下は次にどうしていいのかわからないでしょう。「じゃあ、どうすればいいんだよ……」と心のなかでつぶやきながら、やる気をなくしてしまいます。

?褒めて気分よくさせてあげれば、たいがいの人は現状の上を行くようになります。人には誰でも「こういうふうにしたい」という方向性があるものです。本人が望んでいるのだから、褒めて褒めて、その方向に伸ばしてやるのが一番いいに決まっているのです。

?人を育てるのには、長い時間がかかります。でも、褒め続ければ必ず伸びる。それが私の実感です。

?この連載は、今回が最終回です。ご愛読、ありがとうございました。


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価格:¥ 1,470(税込)
ISBN:978-4-478-02514-7


『自信は「この瞬間」に生まれる』


ハーバードで「最高の教師」に選ばれ続けた、伝説の日本人教授が教える「一生ブレない人」の秘密。自信が生まれる瞬間、人のなかで一体何が起きているのか??その秘密に迫る。

 

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自信が生まれる瞬間を科学する
「一生ブレない人」が実践している「S字カーブ」の法則とは


http://diamond.jp/articles/-/48743
   
 
自信は、どのタイミングでどんなふうに生まれるのか?
みなさん、考えたことはありますか?
?
知らないうちについている自信
がんばっているのに、なかなかつかない自信
 何かあると、すぐに揺らいでしまう自信

「自信」とは、いったい何なのでしょう?

今日から始まる全5回連載では、『自信は「この瞬間」に生まれる』を刊行された、ハーバードで「ベストティーチャー」として選ばれ続けた日本人教授、柳沢幸雄さんに「自信」の秘密を教えていただきます。

柳沢先生によると、勉強でも、仕事でも、趣味でも、努力を確実に「自信」につなげられる人は、ある法則を理解して、実践しているそうです。

「つまずき」の99%はここで起こる

?長年、人を育て続けるなかで、私は1つの法則を確認しました。

?それは「すべての成長はS字カーブを描く」という法則。

 「S字カーブ」のなかでもっとも重要なのがグラフ内に示した部分です。ここを「立ち上がり」と呼ぶことにしましょう。


自信が生まれるのは、まさに「この瞬間」です。

 「立ち上がり」を迎えるまでは、本当にこれが自分に向いているのか、自分は正しい努力をしているのか確信が持てずにいたことも、「この瞬間」に「これでいいんだ!」と思える。

?さらにいえば、「伸びる人」と「伸び悩む人」を分ける最大のポイントも、この「立ち上がり」にあります。これを無事に越えられた人が「伸びる人」、越えられずに脱落してしまった人が「伸び悩む人」です。

?そして、残念なことに大半の人がここでつまずいてしまう。勉強でも、仕事でも「つまずき」の99%はここで起きるというのが、長年人を育て続けてきた私の実感です。


「無風状態」に耐えられたら、人は自信を手に入れる

 「S字カーブ」をもう少し詳しく見ていきましょう。

 「S字カーブ」は「無風状態」「立ち上がり」「成長の好循環」「壁」で説明できます。


「さあ!」と何かを始めても、最初はまったくの無風状態。

?「無風状態」とは、努力が成果につながらない時期。何事も、最初はいくら一生懸命に努力を重ねても、なかなか成長が感じられません。成果が出ないことにイライラして、「このままやっていてもしかたないかもしれない」とあきらめたり、面倒になって脱落してしまったりする人が出てくるのが、この時期です。

?無風状態を耐えて「立ち上がり」のポイントを超えると、一気にカーブが立ち上がり、ググッと伸びていきます。

?成長を続ける人は「S字カーブ」を何度もつなぎ合わせられる人。「最初のサイクルが終わった=壁にぶつかった」と感じても、また次の「立ち上がり」が始まるまで努力を続けられるかどうか。そこがミソです。

?ちなみに「昔取った杵柄」というのは、グラフ内に矢印で示したように、1番上達した地点からちょっとだけ下がったところに留まっている状態。私の経験からいうと、1つのことをだいたい3年くらい続けると、ここに至ります。

 

「壁にぶつかる」まで続けなければ、時間も労力もムダになる。

?見かたを変えれば、壁にぶつかることも一つの成功体験。

?だって、壁にぶつかるまで努力を続けた、ということなのですから。悲観することなんて、まったくありません。成長を感じられなくなった事柄は、すでに習得した事柄。最初のハードルを越えて、1つの成功体験を積めたと胸を張って次に進めばいいのです。

?人間というもの、一度でも「やればできる自分」を認識すると、自信を持ちます。その心地よさを体が覚えているから、「あの感覚をもう一度、得たい」と思い、がんばるためのモチベーションにつながっていく。

?ですから、成長するためには、何がなんでも一度は「壁にぶつかった」と感じるまで続けること。その前にやめてしまうと、費やした時間も労力もすべてムダになってしまいます。

?2月24日公開の第2回目以降は、仕事のこと、お金のこと、人生のこと……いろいろな局面で揺らいでしまいがちな「自信」を、いつでもしっかり支えておく方法について、引き続き柳沢先生に伺います。


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