![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/15/b7c461d4c4f1fc9999f80952b5799307.jpg)
<お出かけ先>歌舞伎座(八月納涼歌舞伎)
<着物>矢羽根とトンボ柄の紋駒絽小紋
<帯>羅(?)の八寸名古屋帯
<帯揚げ>浅葱色の絽
<帯締め>水色の夏用帯締め
すっかり遅くなってしまいましたが、8月最後の週末の「キモノでお出かけ」日記です。
8月20日には、この着物に浅葱色の紗献上八寸帯をあわせたのですが、ちょっと雰囲気を変えてみたいなあ……と思ったのでこの日は黒地の帯にしてみました。
ざっくりとした織り目なのでおそらく羅だと思われますが、竪絽(たてろ)のような織り目も入っていて面白いです。
![黒地に流水文様の帯](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/62/6489bbf509a9647e224caecaf3239f0a.jpg)
黒地の夏帯は持っていなかったので、一本欲しいなあ……と思っていたところ、インターネットのセールで格安で出ているのを見つけました。あまりにも安かったので、値段を白状してしまいます(笑)。
いちおう正絹で、仕立て上がりなのに、なななんと……7,875円(税・送料込)!
しかも、インターネットショッピングでたまったポイント1,645円分を使ったので、実質6,230円なのでした!
わーいわーい♪
まあ、絹といってもピンキリなのかもしれませんが、帯まわりはいちばん汗をかくところなので、気軽に締められるものがいいなと思います。
着物は、先日仕立てた紋駒絽を着ました。
「紋駒絽のキモノ」の記事で書いたとおり、通常の絽よりも絽目が詰まっていて透け感があまりないので、結構暑かったです……。
6月下旬や9月初旬に単衣の代わりとして着るのがちょうどよいのかも……と思いました。
ちなみに、竪絽の着物ももともとは単衣の代わりに着用するものだったそうです(今では盛夏に着る人も多いです)。
<カブキについて>
「納涼歌舞伎」は、8月の歌舞伎座の恒例になっています。
普段は、歌舞伎座の興行は昼夜の2部制なのですが、納涼歌舞伎のときには3部制になります。
そのため、1部ごとの上演時間も少し短くなり、そのぶん入場料も安くなるので、若いお客さんも多く入ってにぎわっています。
この日は、第1部と第2部を通して観ました。
■第1部「慶安太平記」「近江のお兼」「たのきゅう」
「慶安太平記」は、由比正雪の乱を題材にした物語で、今回の興行では、正雪とともに謀反を企てた丸橋忠弥を主人公とした場面が演じられました。
謀反の直前に計画を察知されて捕まるのですが、そのときの大立ち回りがとにかくスゴかったです。
主演の中村橋之助丈は、地上から屋根の上に向けて渡された戸板を駆け上がったり、コの字形に組まれた戸板の上で見栄を切った後そのまま戸板ごと倒れたりと、大アクションシーンを繰り広げていました。客席も大いに沸いていました。
橋之助丈もすごいですが、脇を固める大部屋の役者さんたちもすごいなあ……と思います。主役と脇役の息がぴったり合っているからこそ、立ち回りが迫力を増し、ケガもなくできるのだと思います。
「近江のお兼」は、長唄の舞踊。中村福助丈が踊りました。
力自慢の女性・お兼が、言い寄ってくる男たちを倒すという痛快な舞踊で、後半では晒(さらし)を振り回しながら男たちを追い払います。
晒を振るところは、ちょうど「越後獅子」の「晒の合方」のような感じです。
軽快な踊りで、楽しめました。
「たのきゅう」は、落語の「田能久」をもとに、小劇団の脚本・演出をされているわかぎゑふさんが書き下ろした、新作舞踊劇です。
主役の「たのきゅう」を演じるのは坂東三津五郎丈。
踊りの名手の三津五郎丈らしく、軽快さのなかにも品位のある舞踊劇に仕上がっていました。
三津五郎丈の踊りは、表現力が豊かで、観ていて楽しくなります。踊っていてもちゃんと「お芝居」になっている感じで、これぞまさに「舞踊劇」なんだなあ……と思いました。
また、劇中では、故・坂東吉弥丈のお孫さんにあたる坂東小吉ちゃんの初舞台披露口上、坂東三津右衛門さんの名題昇進披露口上も行われ、客席も大いに沸いていました。
新作の「たのきゅう」は、初演としてはとてもよかったと思うのですが、この舞踊劇をもしも三津五郎丈以外の人がやったら、果たして今回のように面白いものになるだろうか……とちょっと考えました。
それには、脚本や演出をもう少し練っていく必要があるんじゃないかな、と思います。
演じる役者さんに依存するのではなく「作品」としての完成度を高めていくことが、再演を重ね演目として定着していくためには不可欠なのではないかと思います。再演されない新作では、ただの「作り捨て」になってしまいますから……。
落語の世界には、新作が時を重ねて「古典」として定着した例がたくさんあります。
そういったことも、落語にならっていただけるといいな、と思います。
![綿絽](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/9a/12dc0f199cc27862643610e5860671b1.jpg)
↑新作舞踊劇「たのきゅう」のポスター。歌舞伎のポスターらしからぬ、ポップで楽しいデザインです。
■第2部「吉原狐」「団子売」「玉屋」「駕篭屋」
「吉原狐」は、早トチリで思い込みの激しい芸者・おきちが主人公の人情喜劇です。
おきちを演じたのは中村福助丈。
コミカルな演技はとても楽しかったのですが……時折「やりすぎ」になってしまっていた感が否めません。
アドリブっぽい台詞を入れて笑わせるのはいいのですが、度を越すと逆につまらなくなってしまいます。ちょうど、古典落語に妙な「くすぐり」を入れると一気につまらなくなってしまうのに似ています。そのままでも十分面白い話に出来上がっているのですから、余計な味付けは不要なのではないかな……と思います。
でも、三津五郎丈扮する父親とおきちとの親子愛など、ホロリとする場面もあって、いいお芝居でした。
「団子売」「玉屋」「駕篭屋」の舞踊三本立ては、とにかく華やかで楽しかったです。
「団子売」は中村扇雀丈と片岡孝太郎丈の関西勢、「玉屋」は市川染五郎丈が踊りました。
締めの「駕篭屋」は、もちろん坂東三津五郎丈です。粋な浴衣姿の駕篭屋と、小吉ちゃんが扮するかわいらしい犬との絡みも楽しく、素晴らしい踊りでした。
■第3部「南総里見八犬伝」
第3部は、友人が招待券をいただいたというので、今回とは別の日に観に行ってきました。
平日だったので、仕事が終わってから駆け付けたため途中からしか観ていませんが、とても楽しめました。
とりわけ、中村扇雀丈扮する敵役の山下定包が印象的でした。
扇雀丈は、女形や二枚目役をなさることが多いので、悪役は新鮮でした。
とても迫力があって、ついつい見入ってしまいました。
立ち回りのときに、いったん花道の七三へ出てきたのですが、そのときのカタチがとっても良くて、敵役なのに思わず手をたたいてしまいました(笑)。
私が観られなかった前半では、お姫さまの役をされていたようです。お姫さまと敵役、正反対の役どころを見事に演じ分けておられて、すごいなあ……と思います。
<着物>矢羽根とトンボ柄の紋駒絽小紋
<帯>羅(?)の八寸名古屋帯
<帯揚げ>浅葱色の絽
<帯締め>水色の夏用帯締め
すっかり遅くなってしまいましたが、8月最後の週末の「キモノでお出かけ」日記です。
8月20日には、この着物に浅葱色の紗献上八寸帯をあわせたのですが、ちょっと雰囲気を変えてみたいなあ……と思ったのでこの日は黒地の帯にしてみました。
ざっくりとした織り目なのでおそらく羅だと思われますが、竪絽(たてろ)のような織り目も入っていて面白いです。
![黒地に流水文様の帯](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/62/6489bbf509a9647e224caecaf3239f0a.jpg)
黒地の夏帯は持っていなかったので、一本欲しいなあ……と思っていたところ、インターネットのセールで格安で出ているのを見つけました。あまりにも安かったので、値段を白状してしまいます(笑)。
いちおう正絹で、仕立て上がりなのに、なななんと……7,875円(税・送料込)!
しかも、インターネットショッピングでたまったポイント1,645円分を使ったので、実質6,230円なのでした!
わーいわーい♪
まあ、絹といってもピンキリなのかもしれませんが、帯まわりはいちばん汗をかくところなので、気軽に締められるものがいいなと思います。
着物は、先日仕立てた紋駒絽を着ました。
「紋駒絽のキモノ」の記事で書いたとおり、通常の絽よりも絽目が詰まっていて透け感があまりないので、結構暑かったです……。
6月下旬や9月初旬に単衣の代わりとして着るのがちょうどよいのかも……と思いました。
ちなみに、竪絽の着物ももともとは単衣の代わりに着用するものだったそうです(今では盛夏に着る人も多いです)。
<カブキについて>
「納涼歌舞伎」は、8月の歌舞伎座の恒例になっています。
普段は、歌舞伎座の興行は昼夜の2部制なのですが、納涼歌舞伎のときには3部制になります。
そのため、1部ごとの上演時間も少し短くなり、そのぶん入場料も安くなるので、若いお客さんも多く入ってにぎわっています。
この日は、第1部と第2部を通して観ました。
■第1部「慶安太平記」「近江のお兼」「たのきゅう」
「慶安太平記」は、由比正雪の乱を題材にした物語で、今回の興行では、正雪とともに謀反を企てた丸橋忠弥を主人公とした場面が演じられました。
謀反の直前に計画を察知されて捕まるのですが、そのときの大立ち回りがとにかくスゴかったです。
主演の中村橋之助丈は、地上から屋根の上に向けて渡された戸板を駆け上がったり、コの字形に組まれた戸板の上で見栄を切った後そのまま戸板ごと倒れたりと、大アクションシーンを繰り広げていました。客席も大いに沸いていました。
橋之助丈もすごいですが、脇を固める大部屋の役者さんたちもすごいなあ……と思います。主役と脇役の息がぴったり合っているからこそ、立ち回りが迫力を増し、ケガもなくできるのだと思います。
「近江のお兼」は、長唄の舞踊。中村福助丈が踊りました。
力自慢の女性・お兼が、言い寄ってくる男たちを倒すという痛快な舞踊で、後半では晒(さらし)を振り回しながら男たちを追い払います。
晒を振るところは、ちょうど「越後獅子」の「晒の合方」のような感じです。
軽快な踊りで、楽しめました。
「たのきゅう」は、落語の「田能久」をもとに、小劇団の脚本・演出をされているわかぎゑふさんが書き下ろした、新作舞踊劇です。
主役の「たのきゅう」を演じるのは坂東三津五郎丈。
踊りの名手の三津五郎丈らしく、軽快さのなかにも品位のある舞踊劇に仕上がっていました。
三津五郎丈の踊りは、表現力が豊かで、観ていて楽しくなります。踊っていてもちゃんと「お芝居」になっている感じで、これぞまさに「舞踊劇」なんだなあ……と思いました。
また、劇中では、故・坂東吉弥丈のお孫さんにあたる坂東小吉ちゃんの初舞台披露口上、坂東三津右衛門さんの名題昇進披露口上も行われ、客席も大いに沸いていました。
新作の「たのきゅう」は、初演としてはとてもよかったと思うのですが、この舞踊劇をもしも三津五郎丈以外の人がやったら、果たして今回のように面白いものになるだろうか……とちょっと考えました。
それには、脚本や演出をもう少し練っていく必要があるんじゃないかな、と思います。
演じる役者さんに依存するのではなく「作品」としての完成度を高めていくことが、再演を重ね演目として定着していくためには不可欠なのではないかと思います。再演されない新作では、ただの「作り捨て」になってしまいますから……。
落語の世界には、新作が時を重ねて「古典」として定着した例がたくさんあります。
そういったことも、落語にならっていただけるといいな、と思います。
![綿絽](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/9a/12dc0f199cc27862643610e5860671b1.jpg)
↑新作舞踊劇「たのきゅう」のポスター。歌舞伎のポスターらしからぬ、ポップで楽しいデザインです。
■第2部「吉原狐」「団子売」「玉屋」「駕篭屋」
「吉原狐」は、早トチリで思い込みの激しい芸者・おきちが主人公の人情喜劇です。
おきちを演じたのは中村福助丈。
コミカルな演技はとても楽しかったのですが……時折「やりすぎ」になってしまっていた感が否めません。
アドリブっぽい台詞を入れて笑わせるのはいいのですが、度を越すと逆につまらなくなってしまいます。ちょうど、古典落語に妙な「くすぐり」を入れると一気につまらなくなってしまうのに似ています。そのままでも十分面白い話に出来上がっているのですから、余計な味付けは不要なのではないかな……と思います。
でも、三津五郎丈扮する父親とおきちとの親子愛など、ホロリとする場面もあって、いいお芝居でした。
「団子売」「玉屋」「駕篭屋」の舞踊三本立ては、とにかく華やかで楽しかったです。
「団子売」は中村扇雀丈と片岡孝太郎丈の関西勢、「玉屋」は市川染五郎丈が踊りました。
締めの「駕篭屋」は、もちろん坂東三津五郎丈です。粋な浴衣姿の駕篭屋と、小吉ちゃんが扮するかわいらしい犬との絡みも楽しく、素晴らしい踊りでした。
■第3部「南総里見八犬伝」
第3部は、友人が招待券をいただいたというので、今回とは別の日に観に行ってきました。
平日だったので、仕事が終わってから駆け付けたため途中からしか観ていませんが、とても楽しめました。
とりわけ、中村扇雀丈扮する敵役の山下定包が印象的でした。
扇雀丈は、女形や二枚目役をなさることが多いので、悪役は新鮮でした。
とても迫力があって、ついつい見入ってしまいました。
立ち回りのときに、いったん花道の七三へ出てきたのですが、そのときのカタチがとっても良くて、敵役なのに思わず手をたたいてしまいました(笑)。
私が観られなかった前半では、お姫さまの役をされていたようです。お姫さまと敵役、正反対の役どころを見事に演じ分けておられて、すごいなあ……と思います。
着物姿を拝見して、「んん?この着姿、みてないぞ~」と思ったりして。(^^;
そう、この日、うえはらは第三部を観に行っていたのです!いや~ん、ニアミス~!!!!
かなり着物と帯はチェック入れまくっていたので、着物を着ていて、ロビーや売店をうろついていれば、目にとまったはず!
本当に、そのうちバッタリ!ってありそうですね(笑)
うえはらも着物、着てました。
黒の絽の小紋に青で銀の楓の刺繍の紗の帯を締めて。
写真はありません~。一人なのでいつも画像がありません。トホホ
惜しいところでお目にかかることができなくて、残念です……
黒の絽に楓の紗の帯、涼しげでとっても素敵な組み合わせですねーー!
拝見したかったですぅ
でもほんとに、そのうち歌舞伎座でバッタリとお会いできそうな気がして、とても楽しみです
見おぼえのある着物を見かけたら、ぜひお声かけください(笑)
是非、一度行ってみたいと思っているのですが、建て替え計画もあるのですよね。
急がないと。。。(笑)
藤娘さまは、いつもお上品なお召し物ですよね。
着物って、お洋服以上にその方人のお人柄が出るモノだと思います。
夏も頻繁に着物をお召しになって、ちょっと尊敬しています。
真美さまのお褒めの言葉をいただけて、本当に光栄です
真美さまのような素敵なお着物姿にはまだまだ遠く及ばないのですが……(汗汗)。
歌舞伎座、建て替え前にぜひぜひお出ましになってください
真美さまのように素敵な方がお着物で客席にいらっしゃると、きっと華やぐと思います!