本朝徒然噺

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4/15のキモノ

2007年04月19日 | キモノでお出かけ
<お出かけ先>歌舞伎座(二代目中村錦之助襲名披露興行 昼の部・夜の部)
<着物>縫いの一つ紋付色無地
<帯>黒地に藤の柄の塩瀬帯
<帯揚げ>白地に赤の飛び絞り
<帯締め>薄桃色の冠組

4月15日(日)の観劇日記がずいぶん辛口になってしまったので、お口直しにキモノ日記です(笑)。お口直しどころか却ってお目汚しかもしれませんが、なにとぞご容赦を……

桜が散ったので、今度は藤の出番!
というわけで、黒地に藤の柄の塩瀬帯を締めました。

実はワタクシ、藤の花が大好きなのです。
実家の紋(父方の紋)も藤をあしらったものですし、「いつか藤の花の着物か帯が欲しい」と思っていました。そうしたら、昨秋、とうとう巡りあってしまったのです(笑)。
この帯をネットで見つけたのは、まもなく袷の時期が始まろうかというころ。
藤の季節とはほど遠かったためシーズンオフ料金だったのか、お値打ちに手に入れることができました
仕立てが済んで手元に届いてから、寝かせること約半年。ついにこの帯の出番がやってきて、嬉しいことこの上ありません!

帯を決めたらあとはキモノをどうするか、なのですが、襲名披露興行なので少しあらたまった感じも出したいし……。
というわけで、思いきって紋付(縫いの一つ紋)の色無地をあわせてみました。
前回(4月8日)の「小紋に袋帯」に続き、「着物と帯の組み合わせの古典的セオリーをあえてはずしてドレスアップ」の実験企画第二弾です(そんなに大げさなもんじゃないのですが……笑)。

オーソドックスなキモノ本に書かれているセオリーには「紋が入ったら正装になるので染め帯はあわせない」というのが多いのですが、「紋の種類や帯の雰囲気によっては、アリなんじゃないのかなあ……」と、かねてより考えていました。

紋の種類には、大きく分けて
1)染め抜き五つ紋
2)染め抜き三つ紋
3)染め抜き一つ紋
4)縫い紋(通常は一つ紋)
5)しゃれ紋・加賀紋(通常は一つ紋)
があります。

1)は黒留袖などの第一礼装に用いられるので、最も格が高くなります。2)も色留袖などの正装に用いられます。3)は訪問着や色留袖に入れて準礼装にすることができます。
そうなると、1)2)の場合は、染め帯をあわせるのはやはりキビシイ感じがします。3)は色無地の場合なら染め帯をあわせてもよさそうな感じがします(帯の柄ゆきや素材にもよるかもしれませんが)。

5)は、そもそもおしゃれ用で紬などにも入れられるものですから、もちろん染め帯をあわせられます。ただ、そうなると今回の実験テーマ「セオリーをあえてはずしてドレスアップ」に沿わなくなってしまうので(笑)、対象から除外しました(いやその前に、しゃれ紋を入れた着物を持ってないんですが……)。

というわけで、残る4)縫いの一つ紋付の色無地でチャレンジです。

縫い紋付色無地に藤の柄の染め帯

この色無地は、母が若い頃に着ていたもの。私の手元に来てからすでに10年以上が経過しております(笑)。葉っぱの柄のような地紋が全体に織り出されていて、裾のほうにはところどころに同色の糸で縫い取り(刺繍)がしてあります。
色無地ですが、地紋が入っていて光沢のある生地なので、遠目でも結構派手に見えます。これなら仲居さんに見えずにすむかも(笑)。

高校の文化祭でお点前をやった時に初めて着て以来、大学の卒業式(これに紺の袴をあわせました)、そのほかいろいろな場面で袖を通したのですが、最近はあまり袖を通しておらず……。
この色で着られる期間ももうそれほど長くないかもしれないので、今のうちに着ておかなければ……
いずれ染め替えようかなあ……と画策中ですが、もう少し悪あがきするつもりです(笑)。

ちなみにこの着物に入っている紋は女紋(母方の家の紋)なので、藤ではなく桐なのです……。でも、「口上」の時の背景に桐の絵が描かれていたので、ちょっとうれしくなりました。


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素敵な帯ですね (ichigo)
2007-04-20 10:40:20
藤娘さま
ichigoと申します。
いつも素敵なコーディネイトですね。
先日の桜の染帯も素敵でしたが、藤の染帯もこれまたステキですぅ~

私も色無地に染帯の組み合わせをします。
大寄せの茶会や気軽な茶会でお客様の立場だと
この組み合わせが、季節感たっぷりで好んで着ています。
雰囲気が優しくなるので好きなんです。
藤娘さまもとてもステキです。

キモノのお色もとても良いですね。まだまだ大丈夫です!
先日、私も桃色の小紋を着ました。帯合わせさせ考えれば何とかいけそうです。
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途中で (ichigo)
2007-04-20 10:44:26
ごめんなさい、途中で投稿ボタンをクリックしてしまいました。
絵文字をクリックするつもりが・・・

改めて・・・
これからもいろいろお教えくださいませ。
楽しみにしております。

ichigo 拝
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季節柄・・・ (fumiduki)
2007-04-20 18:14:07
こんにちは

今回の帯も素敵ですね。
黒地に藤が映えてます!

藤娘さんの買い物上手には拍手です
私もネット店をよく見るのですが、見逃しているのか?購入ボタンを押す勇気がないのか!?

上記ichigo様の意見も参考にさせていただき、染め帯に注目です。
最近、購買意欲が増してきています
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藤の季節になりましたね (ake149)
2007-04-21 09:23:20
昨年ドレスコートは江戸小紋ということでお食事会をした眞葛ヶ岡の菊の井さんの門を見上げたら藤の花が咲きはじめていたので帯の柄を藤にしておいたことがうれしかったのですが、それからもう1年。
素晴らしいお太鼓一面に描かれた豪華な藤の花を拝見できて眼福の朝です。
お名前に因んでお印としての藤をゲットされ、寝かされて1年、待ちに待った季節の到来ですね。

地紋の美しい色無地に映えて、もちろん袋でなくても観劇ならかえってオシャレさんですよ。私も塩瀬好きなので目が離せません。

最近の色無地は地紋が地味すぎて江戸小紋調なんです。一昔の地紋が豪華なものを私も染め直して3枚持って適時着ておりますよ.もうしばらくのピンクで遊ばれて、そのうちお好きな色に染め替えてください。地紋だけで遊べるキレイな色無地はいいものですよ。


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>ichigoさま (藤娘)
2007-04-21 23:52:22
コメントありがとうございます!

紋付に染め帯の組み合わせ、意外にしっくりとなじんで嬉しくなったので、これからハマりそうです(笑)。

ichigoさまのおっしゃるとおり、ピンクは帯あわせで長く楽しめそうな色ですよね
これから「大人のピンク」(←こらこら!笑)を楽しみたいと思います

こちらこそ、お茶をなさっているichigoさまの品が良くて素敵なコーデをぜひ参考にさせていただきながら、これからもお勉強させていただきます
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>fumidukiさま (藤娘)
2007-04-22 00:02:23
コメントありがとうございます!

ひと昔前は、呉服屋さんのウインドウで染め帯を見ては「いいなあ……」とため息をついているばかりだったのですが、最近はネットで染め帯がおトクに買えるようになったおかげで、自分のキモノライフも広がってきたような気がします
でもそのぶん、ついつい物欲も増してしまいますよね……
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>ake149さま (藤娘)
2007-04-22 00:14:13
うれしいお言葉、ありがとうございます!

江戸小紋に藤の帯というakeさまのコーデ、粋で素敵ですねー!
私も、来年はぜひ、この帯に合う明るい色の江戸小紋を仕立てたいなあ……と、物欲はとどまるところを知りません……

akeさまのおっしゃるとおり、最近の色無地は地紋が目立たないものや地紋のないものが多いですよね。
地紋に凝った色無地だと、ちょっとした付け下げよりも却って華やかな印象になる感じがして、いいですよね

もうしばらく「大人のピンク」を楽しんで、その後はまた染め替えて、できるだけ長くこの着物を楽しみたいと思います。
次はそれこそ「藤色」に染めてみようかなあ……と、今から楽しみです
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桜の次は藤 (agma)
2007-04-22 20:09:32
いいお色のお着物です!
染め替えはまだまだ先で大丈夫ですわよ。

帯がピッタリで見ている私も嬉しくなるほどです。

藤娘さんにはピンクをまだ着てもらわないと困ります。
私、この歳で もっと可愛いピンク着てますから~
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>agmaさま (藤娘)
2007-04-22 21:33:28
嬉しいお言葉、ありがとうございます!

しっとりと優しい雰囲気のagmaさまがピンクをお召しになると、本当に「大人のピンク」という感じで素敵ですよーー!

それにひきかえ私はオテンバなので、「大人のピンク」への道のりはいまだ遠く……
少しでも「大人のピンク」に近付けるよう、これからもがんばって着たいと思います
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