◆犬の散歩◆

コメントは自由ですが、予告なく消すことがあります。
メールはアカウント名@mail.goo.ne.jpへ。

携帯に関する思いこみ

2005年12月31日 11時48分52秒 | 政治・世相・スポーツ等
世間ではこうだと思われてることでも、実際は違うことは結構ある。都市伝説がその類だし、それに限らずいくつもそういうことはある。

携帯についての思いこみときいて、一番に思い出すのが「ドコモは高い」というものだw
これ、いつから言われているのか分からないが、私がドコモの携帯を最初に契約したときから言われていた。でもドコモにしたのは、自分で比較したら一番安かったからだ。
これは、ときどき料金改定や新サービスが行われる度に比較しているんだけど、これまでずっと、他社よりちょびっとだけ安い設定にされているのが微妙なところだとは思った。でもこれ、8年も前からずっとドコモは一番安いのだけど、誰がドコモは高いなんて噂を流していて、それを調べもせずに信じていたのだろうかと、疑問に思うことがある。

まあ、それはいいとして、ここで言いたいのはそんなことじゃない。
前回に書いた電車内での携帯の利用について。携帯電話を電車内でたとえ音を消していて通話もしていなくても、使ってはいけないという人がいる。その理由は、医療用ペースメーカーに悪影響があるからだという。さて、本当に悪影響があるのだろうか。
結論から書くと、悪影響は、まずない。というか、実際に電車内でペースメーカーの誤作動でどうにかなった人など存在しない。存在しないのに、なぜ悪影響があるという話が一人歩きしているのだろうか?

これも、メディアの問題だろう。そういう話があるらしい、という噂を報道し、事実を報道しないので、これがまかり通ってしまった結果だ。交通機関では、明らかに「医療機器、ペースメーカーに影響があるので」と言い切ってしまっている。はっきりいって、そんな科学的根拠は、全くない。全くないのになぜそういうアナウンスをしているのか、甚だ疑問であるが、交通機関側でも事実を知らないか(考えにくい)、そう思いこむ人があまりに多くて、トラブルが続発するから、いっそ携帯は使わない方向に統一するつもりなのかもしれない。

ここで、ここまで読んでいる人は、影響がないという根拠は?と言うだろう。
もちろん、根拠もある。総務省が、数年前だが、その当時の携帯電話機を何十種類も集めて実験をしている。それはペースメーカーを人体に見立てた水などに沈め、携帯電話を近づけて影響を調べるものだが、影響があったのはほんの数個の個体で、それも6cm程度だという。もちろん、埋め込み式のペースメーカーに6cmも携帯を近寄せることは、現実的には不可能である。そして、安全距離として倍のマージンを儲け、12cm以上なら問題はない、という答申が出ている。
それからペースメーカーも携帯電話も進化をしているので、影響はさらに低くなっているはずである。そう考えても、12cmという距離は大きすぎるほどの安全距離であり、現実的にはその12cmという距離もほとんど接近不可能な距離だと言わざるを得ない。実際、ペースメーカー使用者でも普通に携帯を持ち歩いて、通話をしているのである。患者は、携帯よりむしろ電子レンジに注意せよと言われという話を聞いたことがある。

現実的に、「悪影響の可能性はほとんどない」にも関わらず、「電波を使っているものだからペースメーカーに悪影響があるに違いない」という思いこみがある。そう思いこんでいる人の話を聞いてみると、「通話中の携帯をスピーカーに近寄せるとバリバリと雑音が入る」という根拠を挙げる人がいくらかいる。こういうことを堂々と言うのは、やっぱりスピーカーの知識がないからだと思うのだが、スピーカーが電波の影響をうけて雑音を出すのは当たり前である。その、電波や電気の流れを音に変換するのがスピーカーなんだから、音が出なかったら故障である。
で、スピーカーが雑音を出すからといって、電子機器が誤作動するかというと、それとは別の問題である。たとえば、パソコンに携帯を近寄らせて、パソコンが暴走することがあるだろうか。ゲームボーイに近寄らせてみて、バグるだろうか。その他何でもいい、携帯によって妙な動作をする機械があるだろうか。もしあるのなら、携帯電話を接続してネットに繋ぐノートパソコンは、成立し得ないことがわかるだろう。

このように、携帯による電子機器への悪影響とは、半ば常識化しているが、これはもう都市伝説の類であることは、分かって貰えることだと思う。

ちなみに、万引き防止のゲートの電波によって、ペースメーカーが誤作動をしたという報告はあるようだ。しかし、患者は誤作動に気づかずにしばらく生活していたようである。そう、ペースメーカーとは、誤作動=即死ではないのである。心臓に繋いであるからといって、人工心臓じゃないのだ。「命に関わることだ」という誤解も、ペースメーカーへの影響をことさらに危険視するのに役立っていると言えるだろう。

携帯がペースメーカーに影響があると思いこんでいる人は、ちゃんとどのような、どの程度の影響があり、影響があった時にどうなるのか分かっていて言っているのだろうか。もちろん、分かってればそんな誤解はしないと思うが、危険だとか危険じゃないとか、物事を決定するのに、きちんと調べておくべきであるのは確かである。そのおかげで行動に何らかの制限を加えるのであればなおさらである。



最新の画像もっと見る