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投資用マンションの減価をどうとらえるか・1

2010年12月16日 22時26分37秒 | お仕事・学び

目次


  1. 投資用マンションの減価をどうとらえるか

  2. 現金も減価する

  3. 減価の幅は?

  4. 減価とインフレ

  5. 投資用マンションでインフレに対抗できるか




資産運用についてファイナンシャルプランナー (FP) に相談しました。

FPから提案されたポートフォリオには、投資信託などの金融商品のほか、不動産も組み込まれています。

投資先は、不動産投資信託 (REIT) などの証券化商品ではなく、現物不動産です。その中でも中古ワンルームマンションに投資します。中古ワンルームマンションを購入して賃貸に出すことにより、主に家賃収入を得るのが狙いです。

不動産への投資は初めてです。FPや税理士に質問したり本を読んだりして勉強しています。

現物不動産は、金融商品 (預金や債券、株、投資信託など) と性格が大きく異なります。

特に大きな違いとして、形があるかないかという点が挙げられます。

お金は概念上のものであり、実体はありません。貨幣や紙幣という形で流通してはいますが、その価値も概念的なものです。100円玉を100円の商品と交換できるというルールが存在しているに過ぎないのです。

これに対し、現物の不動産は形を持っており、「その建物や土地を利用できる」という本来的な価値を持っています。

しかし、形を持つがゆえの宿命もあります。

建物は必ず老朽化します。

土地が老朽化することはありませんが、建物は必ず劣化します。

このように、使用による損耗や時間の経過によって価値が減少することを「減価する」といいます。

価値が減少するというのは、その分だけお金が出ていくことに似ています。1000万円の価値があった建物が時を経て900万円の価値に落ちたとすると、この100万円に相当するお金が出ていってしまったのと実質的に同じと考えることができます。

このように、価値が減少する (減価する) 分を費用と見立てることを減価償却といいます。また、このように見立てた費用を減価償却費といいます。実際にお金が出ていくわけではありませんが、価値が減少した分を「お金が出ていった」と見なします。

建物の老朽化が進むと、最後には建物として使えなくなってしまいます。つまり、建物は時間とともに減価し、最終的に価値が0になります (ここでは、建物の取り壊しや資材の売却などは考えないことにします)。

今回投資先として検討しているのはマンションです。マンションは建物と土地から構成されており、その建物部分は上記のように減価します。つまり、投資した元本が少しずつ目減りし、最後には土地の持ち分に相当する金額しか残りません。

マンションに投資するにあたり、この減価をどう位置づけるべきでしょうか。

金を地金 (延べ棒など) で持つ場合、金はさびませんから、価値は落ちません。したがって減価償却も不要です (ただし市場価格は変動します)。国債に投資する場合も、国家財政が破綻しない限り、元本が返ってきます。つまり減価しません (ただし、国債も市場価格は変動します)。

ところが、マンションは減価するのです。投資した物件の価値 (つまり投資元本) が、時間とともにどんどん落ちていくのです。毎月家賃が入ってきても、その一部は減価償却費として消え、それだけ投資収益が低下してしまいます。建物と土地の割合が8:2であれば、1500万円を払って購入したマンションであっても、最後には300万円の価値しか残りません。実に1200万円もの減価です。

このような大幅な元本の目減りは、不動産投資以外ではあまり見られません。ところが、不動産投資に関する本を開いてみても、減価についてはほとんど触れられていません。せいぜい減価償却費が節税効果をもたらすと書いてある程度です。

不動産投資にあたって、建物の減価をどうとらえるべきでしょうか。

(次回に続く)


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