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投資用マンションの減価をどうとらえるか・2 (現金も減価する)

2010年12月17日 23時03分29秒 | お仕事・学び
この連載の目次

(前回から続く)

金融商品に投資する場合は、不動産と違って投資元本の減価償却をしませんが、決して元本の価値が下落しないわけではありません。

一般に、経済成長に伴って物の値段 (物価) は上昇します。経済が急激に成長するときには物価も急上昇し、経済が落ち着いているときには緩やかに上昇します。今の日本ではデフレ (デフレーション) が進行していますが、これはやや特異な状況です。

物価が上昇するということは、お金の価値が下落するということです。例えば、
以前はペットボトル入りのお茶を120円で買えたのに、今は150円出さないと買えない

という場合、お茶そのものは以前と同じですが、お茶の値段 (買うために必要な金額) が上昇しています。
以前は、120円でお茶を買えた

今は、120円より多く出さないとお茶を買えない

つまり、120円というお金の価値が落ちたわけです。お茶が120円から150円に値上がりしたということは、別の見方をすると、
お茶の値段は120円のまま、手持ちのお金が120円から96円に目減りした

ことと実質的に同じです。

物価は、長期的には上昇の傾向をたどります。そのため、お金を持っていても、その価値 (貨幣価値) は時間とともに減少していきます。

いったい貨幣価値はどの程度下落するものでしょうか。

ここでは、消費者物価指数で比較してみます。

ただし、日本の経済は、ここ20年ほどバブル崩壊やらデフレやら波乱ばかりで、とても指標を比較できそうな状態ではありません。かと言って、バブル期以前の高度経済成長の時代を引き合いに出しても、現在の日本経済の実情にはそぐわないでしょう。

経済が十分に発展し、低成長期に入ったと考えられる国をいくつかピックアップして、消費者物価指数を調べてみました。PIGSのメンバーであるイタリアとスペインにもご登場願いました。各国の消費者物価指数は以下のように推移しています (2000年が100になっています)。

表1: 先進各国の消費者物価指数の推移









アメリカカナダイギリスフランスイタリアスペインスウェーデン
198047.946.239.345.827.728.038.3
198562.566.155.672.452.749.958.9
199075.982.274.184.469.568.379.6
199588.591.887.694.188.787.997.8
2000100100100100100100100.0
2005113.4112.2112.7109.9112.4113.6107.5
2009124.6119.9125.5116.7121.6125.5114.9

出典: 国際労働機関 (ILO) LABORSTAデータベース

各国とも経済は安定していますが、物価は緩やかに上昇しています。つまり、これらの国々では緩やかにインフレ (インフレーション) が進行しています。

消費者物価指数の推移から毎年の物価上昇率を計算すると、以下のようになります。

cpi_000.png: 先進各国の物価上昇率
図1: 先進各国の物価上昇率

1990年代後半からは、おおむね5%以下で推移していることが分かります。

(次回に続く)


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