みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

「ないです」と「ありません」

2012年03月12日 22時42分26秒 | お仕事・学び
「その中にはないです」
「使ったじゃないですか」

もともと「ありません」と言っていたところで「ないです」と言われることが最近めっきり増えました。いかにも無教養な言葉づかいなので、私も使いたくないのですが、つい引きずられて「……ないです」と言ってしまうことが少なくありません。

「ありません」ではなく「……ないです」。

「ないです」という言い方はどこから来たのでしょうか。これだけ広く使われるということは、それなりの根拠があるのでしょう。

似た表現として、形容詞の丁寧表現として形容詞の終止形に「です」を続ける形が挙げられます。

形容詞の丁寧表現としては、かつて「ございます」を使っていました。
美しい → 美しゅうございます
高い → 高う (たこう) ございます
ところが、このような丁寧表現がやや古めかしくなり、格式ばった表現と捉えられるようになって、形容詞の終止形に直接「です」を続けて言うようになりました。
美しい → 美しいです
高い → 高いです
終止形に直接「です」を続けるのは新しい表現です。会話には使えても文章として書くには抵抗がありますし、改まった場面で使いにくいところから、日本語としてまだ十分に定着していないと考えられます。しかし今のところ、形容詞の丁寧表現はほかに言いようがなく、会話では広く許容されています (このブログでも採用しています。このブログの文体は、記事の性格に応じて、話し言葉、話し言葉と書き言葉の中間、書き言葉のいずれかを選択しています)。

形容詞の丁寧表現のようにほかに致し方がない場合はともかく、既に「ありません」という言い方があるにもかかわらず「ないです」と言うのには強い抵抗があります。どうしても無教養に聞こえてしまうのです。それでも、周囲の「ないです」に引きずられて私も「ないです」と言ってしまうことがしばしば。くやしい。