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甘え下手

2008年06月26日 19時52分09秒 | 性同一性障害 (GID)
ただいま。カウンセリングに行ってきました。

性同一性障害 (GID) の人は、定期的に精神科医のカウンセリングを受けなければならないことになっています。今日は、その日でした。

今日は、医師に私の本心を打ち明けてきました。

1年前の転機。それからの模索。また首をもたげた過去の記憶。過去に縛られた引きこもり生活。毎日死ぬことばかり考えてた日々。先月訪れた転機。さらに、今月18日に椿姫彩菜 (つばき あやな) さんのドラマを見たこと。椿姫彩菜さんのブログから勇気をもらっていること。閉じこもってばかりもいられないこと。前に進むつもりでいること。

今の主治医に本心を打ち明けたことはありませんでした。人間を信用していませんでした。医師も信用していませんでした。医師の問いかけが核心に迫ると、「別に」とか「私は昔からそうですから」などと返して、自分の本心を隠していました。

今日は、私の本心を打ち明けました。

社会と接するのが怖いんです、って。

社会と接するのが怖くなった理由は、世間の偏見でした。

戸籍上の名前で呼ばれたりして元の性別が知られた瞬間に浴びせられる好奇の視線。それまでは誰も気に留めなかったのに。私の体をえぐるように なめ回す目、目、目。あからさまな嫌がらせ。

つらかったの。

社会に出るのが怖くて仕方なくなって、自分に自信をなくして、気がつくと閉じこもっていて、自分はこの社会にいてはいけないんだと思って、早く死にたいとばかり考えていました。

過去の記憶を掘り返して、ぽつりぽつりと医師に話すうち、涙がこみ上げてきました。

こんなこと、誰にも話してなかった。

涙は止まりそうにありません。バッグからハンカチを引っ張り出して下まぶたを押さえます。

こんなことなら、アイラインなんか引いてくるんじゃなかった。

医師の前で泣くつもりもなかったのに。

続きを話さなきゃ。

何とか声を絞り出そうとしても、出てくるのは涙だけ。

幸い診察室は個室で、医師と私しかいなかったので、他の患者に見られることはありませんでした。

今、私は自分の殻に閉じこもっています。仕事は、戸籍上の名前を隠してしています。この仕事はまだ続けられるので、閉じこもったままでも生きてはいけます。

でも、それって生きてるって言うの?

生物としては生きてるかも知れないけど、人間としては生きてるの?

閉じこもってばかりもいられない。だから、前に進むの。今は、そのステップとなる場所をこの社会の中で探してるの。

そう医師に伝えました。

私は甘えるのが下手です。つらいことがあったのに、自分ひとりの中で消化しようとしていました。さんざん殻に閉じこもって死のう死のうともがいた挙句に自分で結論を出しました。今日医師に話したのは、今の時点での結論です。

相手は精神科の医師ですし、そもそもこのカウンセリングは性同一性障害 (GID) の人の日常生活を支援することが目的なのですから、もっと話せばいいのに。まったく、人に甘えるのが下手なんだから。

そう自嘲 (じちょう) して、笑顔で診察室を出てきました。

笑顔の理由はふたつ。

ひとつは、医師を信頼して本当の気持ちを話したこと。

もうひとつは、上手に泣けたおかげでメイクがほとんど崩れなかったこと。診察室の中で少しだけメイクを直させてもらってから退室してきました。

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