原作名:オーバーロード
作者:エクレア・エクレール・エイクレアー
最終更新日:2019年12月13日
評価:B
サイト:ハーメルン
https://syosetu.org/novel/174591/
[あらすじ]
カルネ村に住む娘エンリは、妹のネムと一緒にトブの大森林へ薬草採集に出かけた先で、これまでなかったはずの豪邸を見つける。
誰かいるのかな? と声をかけてみれば、出てきたのは生者全ての敵、アンデッドのスケルトン――モモンガ――だった。
しばらくはトブの大森林側の屋敷でひっそり暮らしていたものの、原作イベントは容赦なく軍靴を鳴らして迫ってくるもので。
モモンガがナザリックではなく、パンドラズ・アクター入り宝物殿と一緒に転移した世界で、カルネ村を拠点にあれやこれやする話。
[文章]
三人称。会話文多め。誤字脱字は少な目で読みやすい。ただし場面転換で空行が多いのが気になった。一話平均3~4千字。一話辺りの尺はもう少し長くしてほしかった、という印象。
[総評]
モモンガとパンドラズ・アクターとの二人旅のコンセプトが珍しくて目を通してみたら、意外に当たりだった。
エンリのもらうアイテムがゴブリン召喚ではなく、天使召喚なのを除けば、基本的にオリキャラはなし。この点でも不安要素は少ない。
守護者がいないので肩肘張る必要がなく、ナザリックがないので、アインズ・ウール・ゴウンと改名することもない。王都がヤルダバオトに襲撃されることがないので、イビルアイフラグもない。
世界征服に乗り出すこともせず、心と興味の趣くまま未知を求めてぶらり旅。いや、カルネ村を拠点にしているから、そこまでぶらぶらはしていないけれど。
自分らが異邦人であるのを理解し、世界をどうとでもできる力はあっても、たっち・みーのような正義にも、ウルベルトのような悪にもなれない半端者。ならば半端者なり意地を見せてやると、存外にカッコ良いモモンガの軌跡の物語。