今週末に「10月りゅう座流星群」が極大(流星出現数がピークになる時)を迎えます。
と言っても、予想出現数は最大で1時間に2~3個程度です。
その予想通りだと極めて退屈な流星群ですが、かつて1時間に5000~10000個レベル
の流星雨が観測されたことがあるため、要注意とされている流星群なんです。
アラフォー世代以上の方は「ジャコビニ流星群」の名称の方がピンとくるかも
しれませんね。しかも残念な経験として記憶にとどめている人が多いようです。
というのも、1972年に日本で大流星雨が見られると確実視されながら不発に終り、
期待して夜空を見上げた多くの人を失望させた経歴があるからです。
さて、「ジャコビニ」というのは妙な響きですが、この流星群の素となる塵を
撒き散らしている「ジャコビニ・ジンナー彗星」という周期彗星の名に由来しています。
その彗星は太陽の周りをめぐる楕円軌道を約6年半で周回しているのですが、
その軌道と地球の公転軌道が接近しているところがあって、彗星がそこを通過した
直後に地球がやってきた時にだけ流星が見られると考えられています。
彗星の公転周期6.6年の端数0.6年がクセ者で、概ね13年ごとに彗星と地球が
接近することから、流星群活動も13年ごとに活発になるとされてます。
ただし、この流星群はとっても気まぐれで、好条件とみられていたのに全然
流れなかったり、ノーマークだった時に限っていっぱい流れたりして、
予測がつかない振舞いをしてきました。
例えば、日本で大騒ぎになった1972年は空降りでしたが、その13年後の1985年には
低調な活動が予想されていた中で1時間に100個程度という活発な出現を見せ、
さらに13年後の1998年には深夜に極大を迎えるとの事前予想を裏切って、
4~5時間も早い宵のうちの時間帯にたくさんの流星が観測されたりしているのです。
個人的には、その1998年の活動に遭遇し、ショボイの1個だけですが写真に収める
ことに成功しました↓
【ジャコビニ群の流星】
銀塩一眼レフカメラ+35mm広角レンズにて1998年10月8日21:58撮影
(@山梨県乙女高原) トリミングしています。
※画像にマウスカーソルを合わせると、背景の星座と星の名前が表示されます。
その晩、プロ野球の横浜ベイスターズが38年ぶりのセ・リーグ制覇を決めた試合が
あったんですが、その優勝を祝福するかのような流星群活動はとても印象的でした。
それから13年後というと2011年、つまり来年が当り年になると考えられますが、
この流星群の気まぐれさから、ひょっとしたら今年も出る?なんて思ったりもするわけです。
で、今年の予想極大時刻は日本時間で10月9日の朝8時ごろとみられてます。
日の出後になるので、流星は見られないことになりますが、1998年と同様に早い方へ
数時間ほどピークがずれれば、日本でも9日未明に観測できる可能性が出てきます。
ただし、未明の時間帯では輻射点(流星がそこから四方八方に飛び出してくるように
見えるポイントのことで、ジャコビニ流星群の場合は北天の「りゅう座」にあります)が
かなり低くて、北海道以外では観測が厳しい状況になってしまいます。
ピークの時間帯が半日ぐらい早まるか遅くなってくれれば、8日または9日の宵のうち
に輻射点高度の高い好条件下で観望可能となりますが、どうなることやら・・・
なお、この群の流星はスピードが遅く、明るいものはあまり多くないので、
空の暗い所でないと見るのが難しいかもしれません。
最後に、参考になるサイトを挙げておきましょう↓
http://www.nikon.co.jp/channel/stars/1010/index.htm#meteor
http://www.astroarts.co.jp/alacarte/2010/201010/1009/index-j.shtml
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- mashさん [2010年10月8日 13:50]
- fornax8さん、こんにちわ。
「ジャコビニ流星群」と記憶している人はアラフォ-世代以上ですか!
知らんかったです。
その昔、週間少年ジャンプで「アストロ球団」という漫画が掲載
されてましたが、そのなかでジャコビニ流星打法という
特殊な打法が披露されてました。
見れるみてみたいですね。 - fornax8 [2010年10月8日 18:58]
- mashさん、こんにちは。毎度コメントありがとうございます。
「アストロ球団」の連載開始が、この流星群で沸いた時期と同じみたいですね。
後年、ユーミンの曲のタイトル(「ジャコビニ彗星の日」)にもなってますし、
それだけ話題性が高かったことが想像できます。
今年は残念ながら雲に阻まれて見られそうにありません。
本命の来年に期待しましょうかねぇ。