Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 土星が観測好期

彗星の尾の見え方

2009-02-25 20:01:22 | ほうき星

昨日はルーリン彗星の地球最接近日でしたが、天気の悪い所が多かったようで残念です。

今週は菜種梅雨がひと月早くやってきたような空模様で、

スッキリ晴れるのは日曜日以降になりそうとの予報。

んー、しばらくルーリンを拝めそうにありませんネ。

ということで、新たな写真ネタもないので、

小難しい話ですみませんが、彗星の尾についての続編です。

彗星の尾には主にイオンテイルとダストテイルの2種類があって、

前者は反太陽方向にまっすぐ伸びて、後者は少しカーブを描いて

伸びたりするということを前回述べました。

そのイメージを文字だけで表現するとこんな感じになります。

(かなり大雑把で正確さは?ですが・・・)

γ
 

ギリシャ文字のガンマ(小文字)が尾で、下の丸が頭部のコマです。

左側の曲がっている方がダストテイル、

右側の直線に近い方がイオンテイルに相当します。

実際には立体的であって、コマはほぼ球形、イオンテイルは細く、

ダストテイルは薄い面上に広がるため平たくなります。

(改行で尾とコマが繋がってないのはご容赦ください。)

上図の状態のものを右または左の正面から見たら、こうなります。


 

イオンテイルとダストテイルが重なって見えるわけです。

では、下側(コマ側から尾を見通す方向)から見たらどうなるか

というと・・・

という感じになるはずで、これがまさにルーリン彗星の尾の

見え方に相当します。

尾がどういう風に見えるかは、地球と太陽と彗星の位置関係で

大体決まります。現在のルーリン彗星は太陽と地球を結んで、

真っ直ぐ地球の外側に延長した付近に位置しています。

つまり下の図のような位置関係です。

   γ
    彗星
    
   ● 地球
  

◎ 太陽

このため尾がコマの両側に生えたかのように見え、

あたかもコマを串刺しにしたような姿になっているのです。

しかも、地球の公転軌道(太陽の周りを一周する軌道)面と

彗星の軌道面が僅か1.6度ほどしか違わず、

地球も彗星もほぼ同じ面内で動いているので、

長期間に渡って「串だんご」状態が続いています。

こんな見え方の彗星はとっても珍しいと思います。

もし3ヶ月早く彗星がやってきていたら、どうなっていたか?

おそらく地球の公転軌道近くにやってきた時には、

彗星は太陽を挟んで向こう側に位置し、

太陽光が邪魔で観測不能だったはずです。

それでも太陽と重ならない時期には見えたことでしょうが、

地球にはあまり接近しないため、もっと暗かったのではないかと

考えられます。尾もはっきり見えなかったかもしれません。

どうやら偶然が積み重なって、興味深い姿になっているようです。

しかも次に戻ってくるとしたら数万年後ということですから、

まさに一期一会ということになりますネ。

次の晴天夜が待ち遠しいなぁ・・・


コメント
--------これより以下のコメントは、2013年5月30日以前に-----------
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
Team.Zen [2009年2月25日 20:59]
こんばんは。
今、8時55分現在、信州・飯田では
夜空に星が見えてきました♪
今、ルーリン彗星を探しています。
週末まで、ダメかと思っていましたが・・・
ラッキーです!!
そちらの天気は・・・・?
fornax8 [2009年2月25日 22:35]
Team.Zenさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

気象衛星の画像を見ると、長野県南部から
静岡県西部にかけては晴れ間がありますね!
羨ましいです。

こちら東京都下はベタ曇りです。
もっとも晴れても彗星観望は難しいんですけど。

週末晴れたら、また遠征かなぁ。