日々是、趣味三昧【Golf,BASSFishing,etc】

日記な独り言。趣味の記録。

■クリミナル・マインド2#18 悲しみの業火 2008.05.16

2008年05月16日 | 日々是、テレビ

カリフォルニア州サウスサンフランシスコ、とある一軒屋の寝静まった夜。
夫婦の寝室では幸せな寝息が聞こえてくる。
月明かりが差し込み、写真の中に納まった家族の笑顔を照らしている。
そこへ不釣合いな動く影。並んだ写真にジャバジャバと灯油らしき液体をかけている。
そして躊躇なく火がつけられた。炎はカーテンを伝い、あっという間に天井に達した。
両親の眠る寝室に息子が駆け込んでくる。
「早く逃げて!」
最初に火事に気づいた息子が両親を起こし、父親を先頭に煙を避けるため低姿勢で這い蹲り階下を目指した。
煙は容赦なく3人に襲いかかる。息を詰まらせ、目を強烈な痛みが襲う。
玄関にたどり着いたときには息子は床に倒れてしまった。父親が這い蹲ったまま玄関の取っ手に手を伸ばす。
鍵は開いているのに玄関扉が開かない。絶望の淵、父親の意識が遠のいた。
母親は仰向けになり助けを呼んぶ。
そして、防火服の男が彼女を見下ろしている最後の光景を目に焼き付けた。
防火服の男は家を出て車に乗り込み、立ち去った・・・・・

今回のオープニングは非常によくできている。
炎がチリチリと焼ける音。爆発をさせない演出は真の炎の恐ろしさを倍増させている。
見ているこっちが熱さと煙を感じ、意気を詰まらせる映像だった。

話は戻って・・・

「良心の呵責による苦しみは、魂の地獄」ジョン・カルバン

まさに今回のエピソードは「良心の呵責」とそれに対する対処がテーマとなっている。

BAUではカリフォルニア州サンフランシスコ連続放火事件が報告されている。
1件目のジャービス家は一家4人が犠牲となった。
2件目は昨夜、カトラン家で父親と息子が犠牲になり母親は全身の60%を火傷し危篤状態だ。
「連続放火魔の94%は男で、75%が白人。ほんの少ししか逮捕されていない」
「ほんの少し?パーセンテージは?」
「16%。砕けた感じで言ってみた」
「残念。効果ない」
通常、連続放火魔は燃え上がる炎を見て快感を得る。人が死ぬことは偶発的結果。
今回は炎を武器とした殺人といえる。
何かなきっかけとなり、炎を使うことになったと経緯を分析した。
「性欲の捌け口を失ったのだろう」

リードがあの事件以来、以前の調子に戻った。
前回のギデオンとの会話が功を奏したのだろうか・・・

ガルシアは被害者の接点を、ホッチナーはプレンティストと2件目で生き残っているシャーロット・カトランに会いに行く。
「この間も病院へ行ったろ」「大丈夫です」
ギデオンはホッチナーをなにか心配している。それは終盤でわかる。

担当医は「もう長くはない、夫と息子の死は知らない」と2人に語る。
何とか情報を得ようとホッチナーはシャーロットに夫と息子は生きていると嘘をつくことにする。
2人が病室に入ると全身60%の火傷が生々しく、プレンティスは言葉がでない。
家族の安否を気にするシャーロットを丁寧にはぐらかし、情報を聞き出す。
「寝る前に歯を磨こうとしたが、水が出なかった。主人が水が出るようにしてくれて、それから・・・・・」
「ベッドに入ったんですね?」
「何で目が覚めました?」
「ポール・・・ポールです」
火災報知機が作動しなかった。水が出なかったのは犯人が家へ侵入する機会を得るためだろう。
「玄関が・・・鍵が開かなかった・・・誰か助けて!」
「それから消防士が来た。これで助かると思った・・・デニスは?ポールは?ぼうやはどこ?」
「大丈夫です。待合室にいます」ホッチナーの言葉にほっとするシャーロット。
涙ぐむプレンティス。
「こんな姿じゃ会えない・・・もう少し待ってと伝えてくれますか?」
「わかりました。プレンティスが伝えます」
「モーガンとギデオンに電話だ」
プレンティスが病室を出てゆく。
「僕が付いてましょうか?よかったら」
「お願い・・・」
シャーロットはホッチナーの目をじっと見つめている。
・・・やがて疲れたかのように瞼が閉じた。

カトラン家の現場に到着するギデオンとモーガン。
地元のサンフランシスコ消防局のヴェガが到着した2人と握手を交わす。
ここでサプライズというか心憎いプレゼント。
アメドラファンなら知らない人はいないであろう「サードウォッチ」に出演していた役者がヴェガ役で再び消防関係エキスパートとして登場する。
なぜか、「サードウォッチ」時代よりカッコいいw
とにかく、これは嬉しいサプライズだww
・・・・・え~と、名前なんだっけ?

ヴェガはギデオンの論文を読み、事前に犯人をプロファイルしていた。
該当するのはヴェガ本人。用意周到に自分の経歴書や精神鑑定書まで事件ファイルと一緒にギデオンに手渡した。
プレンティスからの電話を受けモーガンの犯人行動プロファイルが始まる。
家への侵入から灯油を慎重に撒き玄関におびき寄せ絶望を煽るという犯人の行動が判明する。
「燃えている家の中に残ってるなんて意味あります?」
「焼け死ぬのを見たかったんだ」
ヴェガの質問に答えるギデオン。ヴェガは現実に天を仰いだ。

カリフォルニア州サンフランシスコ消防局本部。
エスプレッソマシンにはしゃぐリード。
その姿を見ていた地元の黒人女性カストロ刑事は「ほんとに天才?」
「えぇ、頭の回転に体が付いてゆかなくて」とJJ。
共通点のない被害者家族に1つのつながりを示すリード。
「ターゲットは夫だと思います。一番、似通ってますから」
「どちらも30代後半の白人、身長180cm前後で茶色の髪、家庭も仕事も順調」
「肩書きがまったく違う。2家族に接点はない」とカストロ刑事の反撃。
「放火犯のほとんどが白人男子。被害者に自分を重ね自分も勝ち組になれたと考えている」
「手配書、書いておくわ。180cmの逆恨み白人ね」
カストロ刑事はリードの天才振りを認めたw

目撃情報にあった車の車種が特定された。
99年型ゴールドのフォードトーラス。85%は業務用に販売されている。
ここで、プロファイルが捜査陣に伝えられる。

「犯人は35~345歳、自己愛性人格障害」
「何をやってもうまくいかない。結婚生活も続かず仕事も転々としている」
「尊敬されたがるが他人への敬意はない。平気で人を傷つける男だ」
「他人を恨み、同時に他人への依存が強い」
「同姓から疎まれることから、親やおば等の脛をかじっている」
「人の多い会社のセールスマン」

「なぜ、放火なの?」

「麻薬と同じなんです。薬の代わりが火事。薬の量が増えるのと同じで犯行がドンドンエスカレートします。誰かの力を借りなきゃやめられなくなる」
リードにとって「誰か」は他のBAUメンバーになるだろう。
果たして、本当にリードは薬を断ち切ったのか・・・ギデオンとの関係は・・・

ガルシアが被害者の共通点を探り、クロス検索から大きな発見(シュートw)をする。
「チカタン」。ガルシアからチカタンと聞くと新たなネトアか?と勘ぐってしまうww
チカタンとは地下貯蔵タンクの略。地球防衛戦線サンフランシスコ支部、通称EDF。
この活動家集団のサイトは地下貯蔵タンクに危険物を違法保管している企業や工場をリストアップしていた。
そのサイトのリストに両被害者の夫の名前が載っている。
EDFは環境活動家に分類され、人命は尊重するとされる。
FBIには活動家などの資料はない。
ガルシアからEDFサンフランシスコ支部の代表者エバン・アビーの情報が入る。
180cm84キロ、白人。プロファイルに合致している・・・

その頃、ダンブルック開発に勤めるトマス・ダンリービーは2人の子供たちと車に乗り込むためガレージに入った。
3人が乗り込み、ガレージのシャッターをリモコンで開けようとスイッチを押すが、なぜか開かない。
そこへ突然、フロントガラスにジャバジャバと液体を撒く防火服の男が現れた。
トマスは男にやめろと叫ぶが、事態は好転しない。
後ろの席に座っている息子と娘も鍵が開かないと叫んでいる。
車のエンジンもかからない。車内はパニック状態に陥った。
液体を撒き終えた防火服の男はライターの火を運転席の父親に見せ、ボンネットへ落とした。
火は炎となり車を覆った。防火服の男は車内を眺め、ガレージを後にし、自分の車へ乗り込んだ。
そして、ガレージは爆発する。
爆発を見届けたゴールドのトーラスはゆっくり現場を立ち去った・・・

トマス・ダンリービーもEDFのリストに載っている。
現場にエバン・アビーを呼び出し、反応を見たいと罠を張るギデオンとホッチナー。
死体袋に防火服などを詰め、アビーの横を通り過ぎる役目をヴェガが担当。
プレンティスがアビーを連れ、現場に到着した。
表向き、地下貯蔵タンクに関する火災ということで呼び出されたアビーだが、2人の尋問じみた内容に次第にイライラしてくる。
死体袋は見ようともせず、現場にも興味がなさそうだ。
ただ、何か隠していることは、2人に目線を合わせようとしないアビーから読み取れた。
アビーが立ち去り、プレンティスが進言する。
「EDFの活動を勘違いして入会した人間がいるんじゃないでしょうか?」
アビーとアビーの元妻への捜査をする。
アビーは私がと、さっさと車へ行くホッチナー。見送るため息交じりのギデオン。
ホッチナーになにがあるのだろう・・・

アビーの元妻はギデオンに話をしている。息子はモーガンと隣室の見えるところで待機していた。
開発業者向けのコンサルタントを仕事としていた夫は、開発業者と許可を下ろす行政との癒着や表向きの態度などからコンサルタントとして挫折。
酒に逃げ、息子にも無関心、だがなぜかアビー側から離婚を言い出された。
以前は、慰謝料も滞っていた。
だが、この9ヶ月は毎週日曜日に郵便受けに現金で2千ドルが投函されているという。

「センチュリー・プラザ銀行」のエントランスを潜るアビー。
傍らにホッチナーとプレンティスが車から見ている。
「・・・埋め合わせは今度するから・・・愛してるよ」と電話を終わらせるホッチナー。
この仕事をしていく上で、家庭との折り合いをどうつけていくのか。
ホッチナーの悩みはここにある。
「大丈夫ですか?」プレンティスも心配する。
だが「逃亡の準備のようだ」とアビーの行動を分析するホッチナー。
オフィスの私物を箱詰めし、弁護士に会い、銀行を4軒はしご。

その夜、アビーの家に多くの人間が集まりなにやら集会をしている。
「メンバーの写真を撮れ」とプレンティスに命じるホッチナー。
「挑発するんですか?」
家から次々と男たちが出てくる。片っ端から写真に収める。
そして、最後にアビーが2人の車に近づいてきた。
「放火を非難した上で、たった今EDFを解散した」
言い残して家へ戻るアビー。
「84キロもあるように見えるか?」
「せいぜい、74キロくらいでしょう」
「なぜわざわざ集会なんて開いたんでしょう。張り込みを知っていて」
「見せたかったんだ。写真をガルシアに送って分析させろ」
現場に呼び出された時、アビーはEDF内に犯人がいることをがわかったいた。
そしてホッチナーの前で集会を開き、特定させることを選んだ。
アビーの「良心の呵責」がそうさせたのだろう。
そんなアビーの気持ちをホッチナーが理解するも「良心の呵責」がなんなのかは、まだわかっていなかった・・・

集会がお開きとなり、自分の車に乗り込む犯人。
車に乗りやっと気持ちを吐き出す男。
気持ちは高まり、ついに爆発する。
車を出し、大通りに行き当たり停車すると、前をスーツ姿の白人が携帯電話で話しながら横切る。
車内の男は、用意してあった火炎瓶を手にして外に出た。
火炎瓶に火をつけ、スーツの男の足元に投げつける。
火はスーツを伝い、全身を覆った。突然の火に、悶えながら歩道を転がる。
犯人はしばらくその姿を眺め、思いついたように車で立ち去った・・・
集会解散から30分と経っていない犯行だった。

翌朝、現場で犯人の暴走を確認するBAU。
「集会でアビーに非難されても言い返せず、怒りが一気に噴出した」
ガルシアの写真分析の結果とアビーへプロファイルをぶつける線で捜査の進展を図るBAU。

そのころアビーは病院から出てきた。
ホッチナーが病院に事情を聞き、プレンティスの待つ車に戻ってきた。
「彼は癌らしい」
「それじゃ、身辺整理だったんですね」

アビーは柵越しに息子リアムの野球を眺めている。
ホッチナーが声をかけ隣に立った。
「知らない振りをするように息子と約束している」
「つらいね」
「あと、どれくらい?」
「半年もてば、奇跡だって・・・」
まだ誰にも言っていない白血病という病気はアビーを死へ追い込んでいた。
白血病の原因は地下貯蔵タンクから漏洩していたベンゼンを吸引したことによる。
工場や企業はベンゼンを処分するより安価な地下貯蔵へ保管する違法を選択するケースが多い。
ベンゼンは可燃性が高く、揮発し易い。
開発コンサルタントという仕事柄、ベンゼンに触れる機会が多かったせいで死に至ってしまう。
病名がわかってからEDFを立ち上げたという。
それは自分のかかわった開発で地下貯蔵タンクに収められたベンゼンが保管されている工業用地が小学校用地に変わり売買され始めたという現実とアビーが「良心の呵責」に自分で終止符を迫ったことによる。
ホッチナーは自分の父も肺癌で亡くした経緯からアビーの行動と気持ちを理解する。
そしてアビーに写真を見せながらプロファイルを聞かせる。
ビンセント・スタイルズ
そう、言い残してアビーは車に戻っていった。
「犯人逮捕まで引き続きアビーを張り込め」ホッチナーは地元警察にそう伝える。
アビーは車に戻るとすぐ携帯電話で連絡を取り始めた・・・

スタイルズの家にはSWATをはじめ、捜査班がなだれ込んだ。
そこにはスタイルズはいない。
近所の聞き込みのより、大手製薬会社の販売代理店を経営、6週間前に離婚したことがわかった。
離婚がストレス要因となり性的捌け口が放火殺人となった。
ホッチナーは地元警察の尾行をアビーがまいたと報告を受けた。

アビーの通話記録からホッチナーとの会話直後にスタイルズに連絡を取っていたことが判明。
ギデオンは「アビーを他人とは思えないようだな」と、ホッチナーをたしなめる。
「私は外で殺人犯を追廻し家庭を顧みない男だと思われている」
「私も昔はそうだった」
「だが家ではいつも一人静かにうろたえているんです。なぜならいつも有能で迅速でなければならない・・・電話がなった瞬間に時間切れならアビーも同じように見えたんです」
「お前はアビーだ。余命いくばくもないとしたらどうする。考えなくてもわかっているはずだ」
「やめます」
「どうやって?」
「焼き殺す。あらかじめ消防車を呼んでから」
部屋を出たホッチナーにヴェガから匿名の消防車依頼の電話があったことを伝えた。
現場は工業用用地で最近、小学校用地になった場所。

アビーはスタイルズとの待ち合わせに車でやってきた。
スタイルズに集会での言葉を謝罪し、持ち上げ「君の才能を見込んで、最高の仕事をしてほしい」と言い出した。
とある地下倉庫にアビーは灯油らしき液体を撒いている。
スタイルズが防火服を着てやってきた。
アビーの行動にスタイルズは銃を向け主導権を握った。

ヴェガは隣に乗っているギデオンにベンゼン火災の詳細を語っている。
すばらしく板に付いた解説ww
隣に座るホッチナーには内緒でモーガンにも伝えられた・・・

アビーは銃を向けているスタイルズに詰め寄りライターを取り出した。
「一気に大爆発だぞ」
「防火服を着ていれば800度くらい平気だ」
「ベンゼンの火災は1600度にもなる」
そして、主導権が実はアビーにあったことをこの瞬間に知ったスタイルズ。
ライターに火がともり、ベンゼンが気化した空気を一瞬にして炎に変えた・・・

爆発が確認され、途中で車を止めるモーガン。
「なぜ、現場に行かないんだ!」
車を飛び出し現場に駆けつけようとするホッチナーをモーガンとギデオンが取り押さえる。
アビーの末路に自分を重ねる。アビーを救うことで呪縛から解き放たれたいホッチナー。
「意味のある死を望んだんです」涙ながらに現場を後にした・・・

消防本部のデスクで一人考え込む。
ヴェガがやってきてアビーの車にあったホッチナー宛の封筒を手渡した。

数日後、アビーの息子の家の前に普段着姿で立つホッチナー。
リアムの父アビーが死んだ日の夕方、ホッチナーもリアムの野球を眺めていた。
リアムはそんなホッチナーを覚えていた。
「お父さんのことを考えていた。君のことも」
「これお父さんから預かった」
「なんでおじさんが?」
「僕も早くに父を亡くしたからかな・・・」




EDFサンフランシスコ支部代表のエバン・アビーは、自分の末路と家族に与える影響を考え自分から身を引いた。
そして地下貯蔵タンクにまつわる用地売買を告発し、子供たちの将来を案じる。
それは、自分のかかわった開発の結果としての「良心の呵責」が引き金になっている。
「因果応報」アビーは死を受け入れた。
その姿に自分を重ねるホッチナー。
仕事とは、時に家族に多大な影響を与える。よい場合もあるし悪い場合もある。
理不尽な行いは、因果応報の道理に乗り自分に、家族に災いとなり降りかかる。
果たして、家族のために働いているのか・・・
それとも自分のためなのか・・・
ホッチナーともども、働く人間の永遠のテーマを題材としたエピソードでした。

ちなみに私は子供たちのために働いてます♪