日々是、趣味三昧【Golf,BASSFishing,etc】

日記な独り言。趣味の記録。

■θは遊んでくれたよ■ 森博嗣 2008.05.29

2008年05月30日 | 日々是、読書

シリーズを読み始めるといつもハイペースになる森作品。
1冊当たりの読む速度も早い。本はゆっくり読むタイプなのだが森作品は例外だ。

前作Gシリーズ第1弾「φは壊れたね」のφとはなんだったのか・・・
Gシリーズ第2弾「θは遊んでくれたよ」のθも最後まで読んでもなんなのかわからなかった。

すべてのものに名前をつけなきゃ気がすまない人間。
そうしてものとの距離を認識し安心したり警戒したりする。
新発見したものにもすべて名前がつけられる。
名前だけ聞いてわからないものは意味を聞く。
ものの名前と意味は脳の中でセットとして記憶される。
文庫本のカバーの絵から想像するGシリーズの私なりの解析。
Gがなんなのか意味がわからないと気持ち悪い。
カバーの絵は脳の毛細血管だと判断し、Gの意味を考える。
清涼院流水氏による巻末の「βな解説」によればギリシャ文字シリーズだからGだという。
ギリシャ文字=G とはなんだ?たんなる頭文字なのか?
そういや今までのシリーズも頭文字だし・・・
頭の悪い私はめんどうなのでGの意味を考えることを放棄するw
じゃφやθはなんだ?なんで壊れたり遊んだりするんだ?
多分、四季だな・・・奴が1枚噛んでるな・・・

「θは遊んでくれたよ」の事件は特に取り上げるほどではない。
今までの流れから想像するに、シリーズ通しての謎や伏線のほうを勘繰ってしまう。
四季の名前や保呂草、たぶん彼女であろう人物が登場するとわくわくする。
以前の作品の記憶が文字通り名前によって脳から掘り起こしたくなる。
Vシリーズでは当初、犀川の子供時代の話だとわからない。
後に「そうだったのか~~」と楽しませてくれる。
今回のGシリーズも「そうだったのか~~」を目を凝らして探す。
Gシリーズで展開する事件にさほど興味がわかないのもこれが原因なのかもしれない。

だが「もうちょっとよく読んどけばよかった~」となるはずだ。
わかっちゃいるけどやめられない~♪
早く読んでしまうw 明、日椅子椅子だ裸だった~♪

次回作「τになるまで待って」が待ち遠しい♪


■クリミナル・マインド2■ #20 ロシアンマフィア 2008.05.27

2008年05月30日 | 日々是、テレビ

※前回#18 悲しみの業火 は、#19でした。すいません m(_ _)m

メリーランド州ボルティモア
夜、中年の男が帰宅し車から降りる。
後ろには薄いブルーの使い込まれたバンが停まっている。
バンから2人の男が掛け声をきっかけに、降りてくる。
中年の男を拉致し、バンの後部座席に押し込む。
殴る蹴るの暴行を受け、悲鳴をあげる。
「グシャ」という生々しく鈍い音、悲鳴が一段とボリュームを増した。
予想はつくが気分のいいものではない展開。
2人の内の片方の男が降りてきて、暴行を加えた中年男の車に何か放り投げた。
2人は中年男を後部に乗せたまま、走り去った・・・

BAUに年配の女性が2人の女性を引き連れやってきた。
目に付いた傍らの職員に「プレンティス捜査官とその上司に会いたいんですけど」と声をかける。
戸惑う職員を会議室のブラインド越しから見ていたプレンティスが降りてきて声をかけた。
「お母様?」

ホッチナーのオフィスへ3人を案内する。
プレンティスの「お母様」が連れてきた2人の女性はチェルナス親子。
ウクライナ大使館のコネを使い「お母様」先導し、BAU本部に直談判。
白い服を着た娘、ナターリアが事件の内容を説明する。
ナ「夕べゴミを出しに表へでたら父の車のドアが開いていて父はいなかった」
プ「行方不明?」
ナ「えぇ」
ホ「地元の警察へは?」
お「直接来たの。お分かりだと思うけどこの人たちは当局を信用していないから」
ホ「これは地元の警察かボルティモア支局の管轄です」
お「BAUでも誘拐事件を扱うんでしょ?」
困るホッチナーと顔の立たないプレンティス親子と不信感あらわなチェルナス親子。
三つ巴の展開は「お願い時間がないの」とナターリアの一言で捜査する方向へ・・・

「今日正午までにモスクワの銀行に10万ドル振り込め」
振り込まないときは6時間ごとにチェルナスの体の一部を送り続けるという。
テーブルに切断された指が置かれた。
「助けてやって」

「悪があってこそ善が存在する」ロシアの古いことわざ

チェルナス婦人ジーナをなだめる「お母様」
夫の指が鑑識に回されるため袋に入れられ保冷ボックスに入れられる。
「もう返してもらえないの?」指の行方が心配らしい。
BAUメンバーが一同に返した会議室でナターリアがとりあえず保冷ボックスをひざに抱えた。
早速リード「この手紙、正確にはなんて書いてあるんです?」
「10万ドル振り込め。振込先はナトガ銀行155293846729。期限は明日正午。もし逆らえば違う部分を切り取って送る」
ナターリアが空で語った。あて先も挨拶もない脅迫状。
リ「へんだなぁ」
モーガンが通常の身代金目当て誘拐事件での犯人行動プロファイルを披露する。
プ「ロシアからの移民者はいい思い出がないから公的機関を信用していないの」
ギ「もうひとつ理由があるだろう。この文面では2度と連絡をしないようだ。家族が指示に従うと確信している」
身代金を払えるほどのお金はないと訴える。
ホ「犯人はあると思ってる」
モ「ガルシア。口座について何かわかったか?」
ガ「いいえ。今調べてます。確かに存在します。名義人がわからない。直接聞けません?」
プ「無理よ。ロシアが個人的な情報を公開するはずがない」
「お母様」が直接掛け合うことになった。「お母様」はウクライナ大使を浪人中。
モーガンがチェルナス家に行き犯人からの連絡を待つことに。
「私もいきます」とナターリア。
ギ「私はボルティモアでクレーマーに会おう。似た事件があるかもしれない」

ジェットは片道25分の道のりをギデオン、リード、モーガン、ナターリアを乗せ飛び立った。
モ「何か気になります?」
ギ「できることはやっておこう」ナターリアを見ながら言った・・・
アメリカ9:10 ロシア5:10

プレンティスはジーナから開放され「お母様」の手伝いを申し出る。

クレーマー捜査官に話しを聞くとギデオンの予想道り、この1年間に同じような事件が発生しているという。
被害者、被害者家族、関係者全員、事件についてだんまり・・・
誘拐されているすべての被害者はロシアンマフィアだとクレーマー捜査官は説明。
一般人には手を出していない。この理由は後に説明される。
金にものを言わせた密入国者がターゲットらしい。
白昼、チェルナス家の表通りで話し込む3人に視線を送る一人の男。
ギデオンが気づいている。
ほかの誘拐事件では被害者家族が警察に駆け込んでいない。
リ「なぜ今回は?」
ギ「金がないんだろ。ガルシアに電話だ。チェルナス家のバックグラウンド、金銭面、仕事面、入国記録」

チェルナス家ではモーガンとナターリアが話し込んでいる。
兄と弟がいたがジフテリアで2人とも幼いころに死んでいる。
「それから両親は変わった・・・笑わなくなった。2度と」
祖父の写真。
元、党の職員で共産主義が崩壊後逮捕され獄中死。新体制では元党職員は犯罪者扱い。
共産主義が崩壊すると180度変わってしまったロシア。
崩壊前に祖父以外の家族がアメリカへ流れてきた。トラックの荷台に乗って・・・
「父は民主化でロシアは変わらないと言っていた。その通りだった。マフィアもアメリカに流れてきたのは予想していなかった。食い物にされてる」
「アメリカでは助けを求めれば答えてくれるのに」
「ほんとにそう?」
「たいていは・・・」

チェルナスが食肉用冷凍室のなかで両手を縛られ吊るされている。
一人が殴り、一人はなだめる。
「本当に金がないんだ・・・」チェルナスが声を絞り出す。
「もうすぐできるさ」
「大丈夫。いつもそうなんだ」

3人はまだ表通りで話しこんでいた。
LA,NYあたりが拠点だったオデッサマフィア、いわゆるロシアンマフィアは本国からパカーンと呼ばれるボスを呼び寄せあちこちに支部を作り始めた。
セントルイス、シカゴ、そしてボルティモア。
「ボールフ・ザ・コーネ」により統制がとられ、FBIもなかなか手を出せないでいる。
「ボールフ・ザ・コーネ」はいわば聖書の役目を果たしている。
目線が気になるギデオン。
ギ「協力者を探せばいい」
ク「まず見つかりませんね」
クレーマーの意見を聞き流し、目線の先にある家に向かうギデオン。
コルバンというロシアからの移民一家の家だ。
玄関先で対応するコルバン。ギデオンはチェルナス家の事件について聞いている。
警戒心がついよいコルバンは「何も知らない」と隣で起きた誘拐事件を否定。
扉を閉めにかかるその手には指が1本切断されていた。
目に留めるギデオンは「じゃ、なぜ見てたんですか?」
通りに1台の黒塗り高級車が滑り込んできた。
目で追うコルバン。ギデオンも振り返り、玄関から追い出された。

黒塗りの車から一人の男がボディーガードを従え降りてきた。
「アルセニ・リソースキー」クレーマーが説明する。
ア「チェルナス家が困っていると聞いて」
ギ「誰から?」
ア「おたくは?」
ギ「誰にも言っていないはずだ」
ア「狭い社会だ。うわさは早い」
チェルナス家からナターリアが飛び出してきた。誘拐犯が何しに来たとリソースキーを非難する。
いざこざが終わりリソースキーが車で帰っていった。
ナターリアも家へ戻った。

冷凍室ではFBIの関与を知った誘拐犯たちがチェルナスの耳をナイフでそぎ落とした・・・

時間だけが過ぎる。イライラしているナターリアは「いったい何をしているの?」とモーガンに迫る。
「情報を集めてるんだ。たとえばこの部屋、家族写真が1枚もない。この家具、アンティークといえども使い込まれた形跡がない。3人家族のダイニングテーブルに椅子が2脚。一緒に食事しないんだ。君の靴、プラダっぽいけど偽物だろ?失礼だけど君は自分を偽っているように見える。金がないことを知られまいとしている」
「事件と関係ある?」
「被害者学って呼ばれていて、解決の鍵になる場合もある。なぜ君たちが選ばれたのか」

通りではまだまだ話し込んでいる3人。
リソースキーの資料が見たいというギデオンの申し出を本部で説明することとなった。
正午まであと2時間14分と迫った・・・

「BAUのお仕事楽しんでる?」
「楽しんでるって言うと語弊があるけど・・・」お母様の場つなぎ質問に答える。
お母様ルートでの口座名義人捜査は不発に終わる。
「ホッチナー捜査官に悪かったと伝えて」
「えぇ・・・」母の気弱な面が信じられないといった表情のプレンティス。
戸惑いつつ、BAU本部に戻った。

ギデオンとリードはクレーマー捜査官からロシアンマフィア講義を受けている。
ロシア刑務所での色々な絵のタトゥーを見ているリード。
タトゥーを見るだけでその人物の役割分担がわかるという。
相手が初対面でも組織の中でどういった仕事をしているかが一目瞭然といった具合。
ロシアンマフィアは、かなり統制がとられている組織といえよう。
その代表格「ボールフ・ザ・コーネ」
18条からなる掟は1つでも破れば死を持って報いる。
ギ「父母兄弟とは縁を切ること」
リ「家族は持たないこと。妻も子も弱点になるから」
パカーンと呼ばれる4人のボスが組織を仕切っている。
その下にはアンダーボスがいて、さらにその下を仕切っている。
「オボチェック」と呼ばれている資金はパカーンなら自由に使える基金。
使うときに誰にも報告せず、使う金額も自由。どこから集められた資金なのかは不明。

ガルシアからリソースキーについての情報が入る。
1940年ドルコ・ポルティニ生まれ。
1960年カティア・フリエンコと結婚。カティアはその2年後に死亡。
23年間で4つの刑務所に服役。ガルシアの表現ではウラル山脈の北の果てプルミで服役。
アメリカには正式に入国している。仕事についた形跡はなし。
入国後、表向きちゃんと税金を納め法を遵守している。
机に足を投げ出しつめの手入れをしながらいつものヘッドセットスタイルで報告w

リソースキーは「リトル・キエフ」というレストランを経営している。
一般人の客はまったくいない組織の社交場でありリソースキーの拠点。
ギデオンは「ボールフ・ザ・コーネ」に載っていない一般人を助けるという行動に納得がいかない。
「この男はどこか腑に落ちない」
この理由が判明したとき、事件解明にかなり近づくことになる。

モーガンとナターリアは故郷の話をしていた。
ナターリアはモスクワの北、ドルコ・ポルティニ生まれ。
そこへ呼び鈴が鳴った・・・
「来客の予定は?」
「いいえ」
モーガンが玄関から表を覗くと少年がたっている。「ユーリだわ。近所の子」
ナターリアに対応を促し背中越しにやり取りを見るモーガン。
「男の人に頼まれた。すぐに開けろって言ってたよ」
ユーリは小ぶりの小箱をナターリアに手渡した。
中を開けると、切り取られた耳が1つ入っている。
悲鳴とともにナターリアは箱をモーガンに手渡し、家の奥に走り去った。
少年に家の中で待つよう指示し、箱を玄関のテーブルに置き、銃を手に表へ飛び出す。
通りには人一人いない・・・

「リトル・キエフ」の前に降り立つ3人。
「ボールフ・ザ・コーネ」によれば被害者も犯罪者。指のない一般人=誘拐事件被害者はロシアンマフィアの標的になるか組織に組み込まれる。
指のない被害者はFBIによる尋問にも何一つ答えない。
モーガンからの電話に出るギデオン。
「約束を反故してきました。正午前にチェルナスの耳を持ってきたんです。手紙が添えてあり身代金を50万ドルに引き上げる午後1時までに振り込めと」
「値上げか。なぜなんだ・・・」
「FBIによろしくとも書いてありました」
電話を切りクレーマーに待つよう指示。
「日常的に接している君じゃ面子を気にする。それじゃこまるんだ」
リードを引きつれ「リトル・キエフ」に乗り込む。

バスルームにこもるナターリアにドア越しに声をかけるモーガン。
人の気配がない。
ドアを蹴破ろうとした時、表通りから車の発進する音が聞こえた・・・

アンダーボス・アレクサンドルの制止に食事をするリソースキーへ目配せするギデオン。
「お通ししろ」
「ここのボルシチは絶品だ。母のレシピどおりに作らせてる」
「組織に入ったら家族は捨てるんじゃないんですか?」
「レシピを捨てろとは書いてない。食べないか?」
「結構です」
「いただこう」
2人で話を聞く鉄則。対象者との距離を明確に分ける。一人は親身にもう一人は客観的に。

「教えてくれアルセニ」
「ファーストネームできたか」
「事情はわかってるんだ。困ってるんだろ?」
「私が?」
「だからチェルナス家に行った」ボルシチを一口すするギデオン。
「助けを申し出に行ったんだ」
「あんたみたいな男がチェルナス家を助ける理由がない」

ナプキンで口をぬぐうリソースキーの両手にタトゥーが見られる。
「四つの監視塔と囚人マーク。つまり服役経験がある。×印は判決を受けた数だ」
「ウラルの山中で23年も服役。熱い友情を築ける場所じゃない」
誘拐被害者(犯罪者と認識)に友情をもって助け舟を出す理由にはならない。
「ロシアの刑務所を知っているのか?」2人を交互に見ながら言う。
「人の行動はわかる。あんたは一般人を助けてのし上がってきた人間じゃない」
「アルセニ。なにかトラブルがあるんだろ?」
2人にせわしなく視線を送るリソースキー。すかさず畳み掛けるギデオン。
「誰か勝手なことをやってる」
「君の専門はアメリカ人だ。われわれと一緒にするな」席を立つリソースキーは明らかに動揺している。
「氾濫分子が出たと組織にばれたらあなたはすべてを失う」
「帰ってくれ」
「命も危うい」
「私に逆らうものはいない。タトゥーに詳しいのか?」
「うん」
リソースキーはリードに向かってシャツのボタンをはだけ、胸に刻んだタトゥーを見せた。
「ボールフ・ザ・コーネ。ボスだ」そのタトゥーは聖キリストの十字架のように見える。
「従わないものは死ぬだけだ」
「助けてくれるって」突然会話に割って入ってくるナターリア。
3人はナターリアに視線を向けた。

「そういったわね」
「やはり助けが要るのか?」
視線をギデオンたちに向けるナターリアは続ける。
「間違いでした。父と電話で話したら無事でした」
「え?」
「もうあなたたちの助けは要らない」

BAU本部ではチェルナスの耳が切り取られ送られてきたことがジーナ婦人に伝えられた。
「お母様」がプレンティスに声をかけ事情を聞いた。
「ロシアの銀行の仕組みがわかれば情報が手に入れられるのよね?」
「えぇ・・」
「お母様」は1枚の封筒をプレンティスへ手渡した。

「リトル・キエフ」から出てきたナターリアにモーガンが声をかける。
無視して黒塗りの車に乗り込むナターリアはそのまま走り去った・・・

「いいんですか?あんな奴等と行かせて!」
「だって仕方ないでしょ」
「じゃ俺たちはもう引き上げるのか?!何事もなかったように!」
「被害者が何もなかったて云うんだから」
「いや、否定しているのは被害者の娘だ」
「電話で確認したって云うし、誘拐された証拠もない」
「指と耳」クレーマー捜査官が助け舟w
「耳はどこだ?」
「ナターリアが持ってた・・・」急いでJJに電話し指を確認させるモーガン。
「指もなくなってました」

チェルナス家に戻るモーガン。誰もいない。
台所にあるゴミ箱に目が留まる。ゴミがあふれてる。
モーガンがナターリアの正体を知った瞬間だった。
3人がチェルナス家に到着するとモーガンが出てきた。
「ドルコ・ポルティニへ行ったんだ」ギデオンがナターリアの行動を分析した。
情報は共有することで解決への近道となることを痛感したモーガン。

「これパンくずだ」肩越しに見守るプレンティスに独り言のようにつぶやくガルシア。
楽しそうにロシアの銀行をハッキングしているw

チェルナス家前ではナターリアが犯行に絡んでいたとの結論に達していた。
「なぜ気付かなかったんだろう・・・」
「当然だよ。してやられたね。彼女に信用されてるってことで満足して疑おうとしなかった」
サングラス越しにモーガンをプロファイルしたリードw 言い過ぎだろw
リードにもしてやられたwモーガンは横目でリードを見やったw
「なぜだ?なぜ俺たちを巻き込んだ・・・」自問するモーガン。

口座を突き止めたガルシアは50万ドルの振込みが10分前にあったことを発見。
モーガンに早速電話する。
名義は「リヨフ・フリエンコ」フリエンコはリソースキーの元妻の旧姓。

「巻き込まれた意味がわかった。もう一人の被害者へのプレッシャーだ」
「もう一人?」
クレーマーの問いに答えず、歩き出すギデオン。

リヨフはナイフを研いでいる。
相棒が口座に50万ドルの振込みを確認しリヨフに伝える。
「ほらな?大丈夫って云ったろ?これで終わりだ」チェルナスを安心させるように言う相棒。
リヨフはためらいもなく相棒の胸にナイフを突き刺した。
「そうだ。これで終わりだ」

コルバンを玄関越しに問いかけるギデオン。
「あなたはタトゥーがありませんね?犯罪者ではありませんよね?」
「もちろん」
「身代金は払えたんですか?」
「払ったのはリソースキーでしょう?」
目線を下に向けるコルバンを見て「ありがとう」と言い残し戻ってゆくギデオン。

再び、リソースキーのいる「リトル・キエフ」に入ってゆく。
「身代金を払ってきたな。すべての誘拐事件に」
「座れ」
「いいや」リードw
「なぜ身代金を払う?どういうことだ?」

ギデオンは理由をわかっているだろう。
だが、リソースキー自身から事情を聞きだそうとしている。
FBIの関与がばれ50万ドルが振り込まれた今、チェルナスを救える可能性が少ない。
早く居場所を聞き出したい。リソースキーは内内でことを収めたい。
2人の駆け引きは続く。

「わかりました。口座の名義はリヨフ・フリエンコ。リヨフは男の名前です。息子の名前。でも掟ではボスが妻や子を持つことは許されない」
「リヨフ・・・意味を知ってるか?」
「ライオンだ・・・」リソースキーが認めた瞬間だった。同時に決断を下したときでもあった・・・

「時間だ。ジジィ」リヨフがチェルナスにナイフを突きつけた。
「待って!」ナターリアが冷凍室へ入ってきた。
「ナ、ナターリア?」なぜ娘がここに来たのか眉をひそめたチェルナス。
「1年前これを始めた時、訳を知る人間は残さないと決めたはずだ」
「高飛びすればもう関係ない!」
「いや、だめだ。それじゃ甘い。こいつが俺の親父にチクッたら今までのことが全部ばれるぞ」
「俺たちは殺される」
「さよならを言わせて・・・」
やっと事情を飲み込めたチェルナスへ娘が歩み寄る。
「ごめんねパパ・・もう私耐えられないの。あの家にいるとお兄ちゃんと弟のことが付きまとって悲しくてつらいことばかりで・・・パパはやり直せるって云ったけど変わらない!何も!」
「もういやなの・・・遠くに行くわ。私は幸せになる」
父は横目でリヨフを見る。
「ごめんなさい!」
父と娘の最後の会話は娘の一方的な話で幕を閉じ、父と娘の最後の抱擁も終わった・・・

「一人目が誘拐されたとき、誰だかわかった・・・あそこまで大胆な馬鹿はいない」
「チェルナスさんはどこだ?」
ギデオンの問いを無視し自分へ言い聞かせるようにリソースキーの話が続いた。
「最初のころは仕方がないと思った・・・奴も独り立ちしなきゃならん。どっち道、基金の金だしな」
「どこなんだ?」
「ほかにどうすりゃいい?もともと誘拐犯をこころよく思わないなんて言えないし、息子の存在も認めるわけにもいかない・・・チェルナスはもうすぐ家に戻るだろう。向こうに戻ったほうがいい。手当てが必要だ。さぁ行け・・・」
「どうする気だ?」立ち上がりながらギデオンが最後の言葉をかけた。
「掟通り。トラブルは内内で片をつける」

「ナイフを捨てろ。リヨフ」銃を手にしたアレクサンドルたちが声をかけた。
「落し前つけな」
チェルナスは指と耳と最後の希望、娘を失い家へと帰っていった・・・

「幸せな家庭はどれも似通っているが、不幸せな家庭はどれも様々である」レフ・トルストイ

大使館にチェルナスの無事を伝えにきたプレンティス。
感謝を伝えると「お母様」の口から意外な言葉が
「必要とされるのはいいわね」
「え~ 今なんて言った?」
「別に・・・なんか変なこと言った?」
「弱気なことを言ったお母様は初めて・・・」
「それを見せないようにしてるだけ。外交官の務め」
「これからディナーでも・・・」
「私のおごり?」
「もちろん♪」
「えぇ。いいわよ」
2人は腕を組みディナーへと向かった。



■クリミナル・マインド2■ #20 ロシアンマフィア 2008.05.27

2008年05月30日 | 日々是、テレビ

事件の舞い込み方に、こんな展開でいいのか?はさておき、誘拐事件捜査が幕を開ける。
通常は地元警察か管轄FBIからの依頼を受けて捜査を開始するBAU。
今回、ホッチナーがほとんど登場しないのはここに理由があったのかwww
考えすぎだなw

移民を受け入れるアメリカ社会。
果たしてアメリカ人とはどんな人種なのか。
アングロサクソン以外はアメリカ人として認められにくいという歴史がまだまだ根強い。
先住民でさえアングロサクソンの前では異人として扱われている現在のアメリカ。
正式に入国さえすれば移民を受け入れるも、国内社会では扱いに差別が生じている。

日本には高利貸しがいる。無担保で法外な金利で貸つけ、回収は容赦ない。
ギデオンが「リトル・キエフ」に初めに踏み込んだ時までは、チェルナス家に取り入るために誘拐~貸付を組織的に行っているのではないかと思わせる。
だが「ボールフ・ザ・コーネ」により統制がとられるロシアンマフィアは一般人に手をださないことで組織を拡大しアメリカ社会と折り合いをつけている。
それにチェルナス家に貸し付けたところで利息の回収はおろか元金の回収もままならないだろう。
なぜ、助け舟を出すのか。
ギデオンは身内の不始末を組織に知られまいとしているリソースキーをある意味思いやっていたのだろう。
それは終盤でリソースキーが告白する場面で、なんとか自分の息子に手をかけることを避けさせようとするギデオンの気持ちからもわかる。

コルバンへのプレッシャーとはなんだったのか・・・
たぶん、コルバンがリソースキーの関与をFBIに仄めかすことで組織に事件の背景がばれることを望んだリヨフの計画だったのだろう。
リソースキーが息子の尻拭いをしていることが組織に知れればリヨフにとって父への復讐になる。

中盤までは、リソースキーは身内が誘拐犯だと知らずに金を振り込んでいたのか?と思わせる展開。口座の名義人からも事件当初から特定していたはずよなぁ・・・と。
その疑問は後半でリソースキーが語り納得。
では、リヨフとナターリアだけが金の出所を知らなかったのか・・・・・? リヨフは知っていたのだろう。
親子の溝と「ボールフ・ザ・コーネ」が生んだ連続誘拐事件。
親子の溝はカティアの死因が原因だったのかもしれない。
「ボールフ・ザ・コーネ」上、実の親子は縁を切ればそれで済むのだろうか・・・わからない。

ナターリアとリヨフが故郷ドルコ・ポルティニ時代から知り合っていたことは容易に想像できる。
2人の異なる立場の親から開放されなければ幸せはないという意見の一致が事件へと発展したのだろう。
「ドルコ・ポルティニへ行ったんだ」ナターリアの行動を分析したとき、2人の逃避行を予想していたギデオン。
2人の逃避行を1度捨てた故郷に例えた悲しさが滲むシーンだった。

エピソードの根幹には親子の情が流れていた、そんな話でした。