『ばら物語』Vol.2 / 滝沢聖峰 / 大日本絵画
月刊『モデルグラフィックス』(以下MG) 誌連載の中世ヨーロッパを範とした大河
コミックの第2巻が約1年ぶりに刊行。
前回(Vol.1)のインプレはコチラ。
とりあえず撤退戦・渡河に成功したものの、追いすがるフランス軍のみならず同盟
内部の謀略にも晒される主人公。
唯一の明るい話題は生き別れの妹と父の再会だったが、その妹は父の親友から
重大な秘密を打ち明けられる…。
4コマに例えると“承”半分と“転”まるまる、と言ったところか。
敵役っぽい連中だけでなく、主人公に懸想半分・策略半分で近づく傭兵隊長、しまい
には主人公自身も一筋縄では行かないキャラなのでで、策謀、対策謀、また策謀とい
う感じ。
また、入れ替わりネタはありそうかと思っていたら、結構深刻な展開にもってきた。
何も知らんと表紙の美人姉妹につられて買っちゃうと「?!」となる向きもいるかも
しれない…(苦笑)。
しかしVol.1ほどの量は無いが、戦闘シーンもあいかわらずの迫力。
壕を越えようとした敵兵の脳天に剣が振り下ろされる無慈悲っぷり。また“フスの
戦法”は戦車、電撃戦を知る者はニヤリとするだろう。
また、連載中やや不安定だった絵柄も、単行本での修正でソコソコの統一感は出ている。
ジャンル的にも稀有な作品なので、興味があればぜひどうぞ。
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6/11(木)まで不定期更新とさせていただきます。