レンキン

外国の写真と
それとは関係ないぼそぼそ

計画

2006年02月17日 | ぼそぼそ
 私の家から車で二十分くらい行った所に
ある巨大なベッドタウンがある。
県の威信をかけた綿密な都市計画の上に
配置された住宅、十分な幅の道路、緑、
公共施設にショッピングモール。
小学校が四つ、中学校が三つ存在する。
ガイドウェイバスも走っている。
出来た当初はここを中心にした一帯が
一大地方都市として発展するだろうと期待された。



それから二十年余り、何がいけなかったのか
その街は思ったような発展を見せなかった。
計画されていた人口の半数にも満たない入居者
放置された感のある街並み。
利用者が少なく、赤字続きのガイドウェイバスは
近年廃線になるそうだ。
先日この街を車で通ったのだが
その見事なまでの人気の無さ。ゴミの多さ。
開発を途中でやめたため
曲がりくねっては行き止まる道路の先に
錆びた巨大な貯水タンクが漫画のように
夕日をあびていた。
通るだけですっと寒くなるような街だった。


緑も多く配置し、交通の便も整え、住居も十分に用意した。
それでも大きな目で見た時に
この街は何か失敗していたのだろう。
言い方は悪いが本当に


リアル・失敗シムシティーだ。



貯水タンクの陰に太陽が沈んでいくのを見ながら
ゲームの中に入り込んでしまった気がした。
この先誰かがスイッチを切る事もなく
この街の電源は入りっぱなしだ。
どこかのコンピューターの裏側で
静かに衰退していく街のことを思う。
水曜日。