7月1日(金)
この鐘を鳴らすのは・・ボクだ。 ヤッター
~ ~ ~ ~ ~ ~
3時半にセットしていた目覚まし時計は解除した。このまま寝たら寝たで結構。起きた時刻と体調で登るかどうかを決めようと。
目を覚ました時は、4時半ごろだった。何時ごろに寝付いたのかは知らないが、3,4時間は寝たのだろうか。眠くはない、体調も悪くない。もし、日射病・・とは言わないな、熱中症の兆しが出たらすぐ登山中止し、戻るという決意でどうだ。よしっ、すもんいくもん。
▲ 5時頃には1台の乗用車が来て、ボクのクルマ横にピタッと付けた。何も引っ付ける必要ないじゃないかと思ったが、あっち行ってくれとは言えず(笑)。このあと多数の登山者が来るのかな。
5時38分に、YAMAPの「活動を開始」をタップした。上記の二口(ふたくち)駐車場を出発。登山口はPの右側奥からだ。
▲ 山陰から陽も出てきた。
今日の出で立ちは、上はTシャツ1枚、下は半ズボン+モンベルタイツだ。これ以上は涼しくできない(笑)。
▲ 現在地は左下の⑧二口登山口Pだ。ここから舗装車道を上に登って①保久礼(ほっきゅうれ)小屋入口へ行く。そこから時計回りで③大岳、青雲岳、袴岳まで登り、戻りは④分岐から二口コースを下ってここまで戻ってくる。YAMAPのコースタイムでは、8時間2分(休憩時間含まず)。総距離12.2km。累積標高差1296m
舗装車道を歩き始める。が、本来は二口キャンプ場跡Pから登山道へ入って保久礼小屋へ向かうところを間違えて車道をずっと歩いてしまった。
▲ 左:保久礼小屋入口P その右手奥に右:登山口があった。
ここの登山口でも正しくは真ん中の②を進むべきところを、左の①を進んで引き返した。ショートカットの登山道を登ってこずに車道をずっと歩きとおしたことに加えてここでもコースを間違えて、先行き暗澹たる気になった(笑)。YAMAPがあるのだから軌跡を丁寧にチェックするのが必要。
6:40 (CT7:03)
▲ 保久礼コースはこういう細かい木段がずっと続く、その後は粘土質のえぐられた山道が続く。
3分の2ほどはブナ林の樹林帯で見通しは良くないが、日射は遮ぎられるので助かる。時間が早いからか微風も初め上から後に下から時折有って、これなら・・と気が楽になった。
▲ キビタキ清水で
今回、家内に持たされた百均のクールタオルを冷水に浸す。ひも付きで、これを首に回し下げる。熱中症対策グッズだ。
チビターイ。
左:タカネニガナ? ~ 多く見られた。
右:ギンリョウソウ ~ 白い水に濡れたようなラッパ状の花で、面妖。
左:ゴゼンタチバナ ~ 頻出
右:ウラジロヨウラク
そして、視界が開けてきたところで、デタッ!!
▲ ヒメサユリ ちゃんが2輪。
下から追いついてきた若者一人。思わず、「ほら、ほらッ」と教えてしまった。
▲ そのあとも、保久礼コースにもポツ、ポツとヒメサユリは有った。
しかしこのようなツボミ状のはあまり残っていないので、もうピークかな。間に合った。
▲ 大岳(おおたけ)到着。1432m。
9:22 (CT9:10) 所要3時間半で、10分ほどの遅れは上々では。
左方向(上)と、右方向に視界が開けていて
右手には、大岳から
▲ これから歩む山稜が顔を出している!
さあ、行こう。
▲ ここからは、右手からいったん鞍部の網張へ下り、上って青雲岳、そして袴岳へ進む。
大岳1432m、青雲岳1487m、袴岳1537m の3峰を合わせて守門岳と呼ぶ。200名山。
左手後背の山は、位置的にはもう一つのヒメサユリの山、浅草岳1585mかもしれない。
▲ ワイド画像でとらえると
少しずつ鞍部へ下っていく
▲ 雪渓が間近に現れてくる
ペットボトル500mlはスポーツドリンク2本、ミネラルウォーター2本を持ってきている。スポーツドリンクはちょびちょび飲みながら登ってきたが1本は終わった。もう暑くてTシャツはべとべと。ボクが20代なら、あの雪渓に踏み入れて寝転ばって体を冷ますだろう。
▲ 左手の山並み。東方向で南会津の方向だ。山名は全く不明。
▲ アザミも多かった。
山道にはみ出ていて、チクチクする。
この辺りの鞍部は網張と呼ばれ、「お花畑」と紹介されている。
▲ 山道にはヒメサユリがポロッ、ポロッと顔を出す。
そして、出たッ。
▲ 今山行初めての、ニッコウキスゲ。
今シーズン初めてお目にかかるかな。
▲ 三姉妹姫
左:カラマツソウ
右:ラショウモンカズラ? or ミヤマクルマバナ?
▲ この高そうなカメラを持ったオジサンには、大岳山頂で追いつかれた。
今日二人目の出会い。
▲ ニッコウキスゲは、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう一日花。
だから、しぼんだままの花も多い。このしぼみはまだいいが、たいていクシャクシャに縮んでしぼんで、いとあはれ。
▲ ヒメサユリとニッコウキスゲの競艶
振り向くと
▲ あれが、稜線伝いで下りてきた大岳。
左:アカモノ
右:オオバキボウシ
▲ 雪渓
この辺りは、冬場は巨大な雪庇ができることで注目されるようだ。
鞍部を登り返して半分ぐらいまで来ると
左:向こうに青雲岳が見えてきた。先ずはあそこまで登らねば。
右:まもなく、守門岳(袴岳)へ行く途中の分岐点へ。帰りはこの分岐点で二口登山口へ降りていく。
左:イワカガミ ~ 先週の巻機山ほどではないがポツポツと会った。
右:マイズルソウ
▲ 木道が出てきて、あの上が青雲岳だろう。
もう少し。スポーツドリンク2本目をちびりながら。塩飴タブレットも舐めながら歩き続ける。
▲ 青雲岳は草原状の平地だった。
池塘も1カ所あった。
▲ 青雲岳(あおくもだけ)
「せいうん」と呼ぶのではなくて「あおくも」。多分、「せいうん」と呼ぶと日本香堂の「青雲」と同じになってマズイからだろう。
はい、青い空に浮かぶ青い雲を背景に、青雲岳はサイコーだ。
~ ~ ~ ~ ~ ~
しかし、11:41 トーチャコで、(CT10:15)CTをもう1時間半ほど遅れている。大岳からのアップダウンとお花鑑賞で時間を費やしたようだ。出発から6時間たっている。休憩は殆ど取っていない。お花は、ヒメサユリもキスゲも、もう見た愛でた。
ほんとは、もうここで帰りたかった。熱中症は大丈夫だろうと思うけど、終えるのにまたメチャ時間がかかりそうな気がして。先ほど青年にまた会った。「袴岳はどうでした?」と聞くと、「さえぎるものが無いパノラマだから行くべきですよ」と言う。
▲ 背後の袴岳から下りてきたジーサンに尋ねた。登る価値があるかと。
このジーサン、地元の方で。「モチロン」。そして四方の山の山名を全部教えてくれた。聞いたこともない500名山ぐらいの山がほとんどだったが(笑)。
「わ、わかりましたッ。行ってきます」
本心、また上るのかよと思ったが、それほど急登でもなかった。
▲ 守門岳の主峰。袴岳(はかまだけ)にトーチャコ。
▲ やった! スモンイクモンと言い続けながら、とうとうやった。鐘をカ~ンと鳴らす。合格! いや合格は早いか。山は無事下りてナンボだ。
12:10 (CT10:35) はい、CT比1時間35分の遅れです。所要時間6時間32分。
▲ 山頂には、さきほどの鞍部で追い抜いていったオジサンが寝そべって休憩していた。
ボクの顔を見るなり、「オレは26年生まれだけど、あんたいくつ?」
山でいきなり歳を訊かれたのは初めてだ(笑)。「同じ歳ですよ、ボクは〇月〇日生まれ」このオジサン⇒ジーサンは7月11日生まれだと言う。「あと10日で誕生日じゃないですか」このジーサンは関西から来た。クルマで山を周っている。百名山は終了。
「じゃあ、お互いがんばりましょーぞ」
山歴からいってその力量は私なんかと比べものにならないだろうが、ボクを見てなんか感じるものがあったのだろう。「同じ類(たぐ)い」だと(笑)。さもなくば年寄りだとは思っても、わざわざ歳は聞かない。
山頂には30分ほどいた。地元のジーサンが山頂には珍しい2種の花があると言っていたので、それを探したが見つからなかった。名前は忘れた。
食事もせずに下山開始。いつも頂上で食事をしたあと、脚が攣ることが多いとは前回書いた。だから今度は全く食べなかった。結論から言うと、攣ってもおかしくない山行だったが攣らなかった。スポーツドリンクは糖分が入っているからだろう、腹は空かなかった。
二口コースへの分岐点を過ぎてからだが、気温チェックを忘れていたのでチェック。
▲ 1時30分、標高1352mの地点で、28度Cぐらい。駐車場では30度前半ぐらいまではあるはずだ。
下山は、とにかく注意深く下りていく。足がもつれ転ぶのが一番怖い。同年のジーサンは、途中でとっと追い抜いていった。後から袴岳にきた三人おばさん連も、ボクを追い越していった。
▲ 谷内平。ようやく三分の二まで下りた。15:26PM
あとひとふんばりだ。幸い、どこも痛くない、攣らない。
▲ 護人清水で、すっかり、とうに生暖かくなっていたクールタオルを冷水に浸す。
ちびたく気持ちいいねえ。
▲ 二口登山口駐車場に戻ってきた。
残っているクルマはボクのHarmonyだけ。
▲ 16:37 無事帰還。
11時間の山行となった。CT比3時間の遅れ。内訳は大岳から袴岳で1時間半、下山で1時間という感じか。
昨日不調だった冷蔵庫も、ソーラー充電で順調に稼働していて、冷たいノンアル炭酸をがぶ飲みした。
あー幸せ。
▲ ルート軌跡は、車道をグチャグチャ登ったのが歩く距離を増やし、グラフにも表れている。
本来なら、クルマで1時間ほど休憩してから出発するのだが、立ち寄り湯にも行きたいので休憩は30分ほどで切り上げた。
了
素晴らしいですね。
この夏場のキツイ時期に、標高差1,300mを登られるとは素直にリスペクトです。
どうも先輩はマイペースをしっかり確立されたようですね。
しっかり無理なく歩かれているので、膝や余計な筋肉痛に陥らない。
山ノボラーとしては、一番大事なところではないでしょうか
二百名山完登、おめでとう🎉ございます。
姫小百合三姉妹の次、カラマツソウの右はラショウモンカズラだと思います。
かなり状態が良いので珍しいと思います。
コメント管理で消して下さい。
マイペースでいいんですよね。山へ競争へ行くわけではなし。安全に楽しく登って下山する〜コレが一番。
水もスポーツドリンクに置き換えたり、塩飴タブレットや冷やす首巻きタオルを持ったり準備周到。
睡眠時間や体調のチェックも怠りなく👍
下山も慎重に。コレ大切だと思います。疲れているからアクシデントが起きやすいですよね。
とはいえ、充分な体力と気力がないと果たせない山旅だと思います。そこをリスペクトします。
雪渓が残っているとはいえ、もう山はこんなに暑いんですね。
でもたくさんのお花に癒されます🌸ヒメサユリちゃん🌸
青空に映える守門岳の鐘🔔
鳴らした時は充実感に満ちたことでしょう。
11時間の山行。標高差1336m。14.4㎞。
あっぱれでございます🙇♀️
マイペースは、自分が歩き続けられるように歩くということですが、同時に自分の現在の力量も分かってきました。正確には現在の歳からくる限界ですね。結論からいうと2週11時間の山行をやってみて、こういうのはもう止めたほうがいい(笑)。
>二百名山完登、おめでとう🎉ございます~
誤解される方がいるといけませんから、二百名山の一つを完登したということで。ありがとうございます。
>カラマツソウの右はラショウモンカズラだと思います~
ご教示ありがとうございます。早速検索しました。おっしゃるとおりラショウモンカズラに非常に似ていますね。気になったのはラショウモンカズラに特徴的な下唇の白地に紫の斑紋です。これが私の写真には無い。拡大すると斑紋はあるのですが内部のほうに見える。で、YAMAP投稿記事を調べると他の方がミヤマクルマバナと紹介していて、斑紋、葉脈がこれに近いようにも見える。そこで二つの名前を併記追記しました。どちらもシソ科ですので似ていて当然ですが。ありがとうございました。同時に山行中に私が見落としている花も有りますね。ショウジョウバカマ、シラネアオイが目に入りませんでした。
ありがとうございます、こそばゆいですが。ただ今回思ったのは、11時間の山行はもうやり過ぎですね。私は昔から体が悲鳴を上げない限りやり続けてしまう性向があります。おそらく今回の山行も自分の体力の150%ぐらいに出し切っているでしょう。これはアブナイ。なんか予期せぬことが起きれば、例えば下山途中に足をくじいたりすれば・・もう明るい内に下山できなくなってアウト。で、71歳の爺は6時間ぐらいで収まる山歩きにしたほうが、ていうかすべきだと今はエアコンを適切に使いながら涼しい部屋で思っています(笑)。
>でもたくさんのお花に癒されます・・青空に映える守門岳の鐘・・鳴らした時は充実感に~
はい、このために登っているだけで、リスペクトなんておこがましいです。
kakoさんは「すもんいったもん」のようですね (笑)。はい、ヒメサユリは今も確かに咲いてました。ポツポツと咲いているのですが、綺麗で存在感がありますね。
>熱中症、気をつけて登山お楽しみ下さい~
ありがとうございます。国境付近の山はまだ登りますよ