石巻&東松島&女川復興情報 “石巻地域Again”

『復興に向けて頑張る地元企業』や『石巻地域の復旧状況』といった地元密着情報などを発信していきます!
〈本文は、敬称略〉

2011.3.11東日本大震災~津波浸水深ここまで~

2012年03月28日 | 復旧・復興への取り組み
タイトルをみて「何だ?」と思った方もいらっしゃると思います。

今回は、土木部防災砂防課が進める 「津波浸水状況表示板」 についてご紹介します。

東日本大震災から1年経ち、震災の記憶の風化が懸念されるところですが、東日本大震災の津波の驚異を伝えるためには、陸にうち上がったタンカーや横倒しになったビルといった震災遺構だけでなく、今回の大震災でどれだけ水没したのかを後世に残すことも重要だと思います。

そこで、宮城県の防災砂防課では、「(仮称)3.11伝承・減災プロジェクト」として「津波浸水状況表示版」の設置を行うことにしました。

先日、県石巻合同庁舎にもこの表示板が設置されました。



当事務所の身長154cmのKKさんと比較するとよくわかると思いますが・・・
KKさんがすっぽり水没してしまう高さです。


同じく東部土木事務所東側の縦版の表示板。KKさんの肩ぐらいです。


石巻駅前通りの表示板です。
身長165cmの私の腹ぐらい(地面からおおよそ110cm)の高さです。



石巻港湾事務所の表示板です。海岸付近(石巻市中島町)に建ってるために1階の上まで浸水しました。

今後、東部土木事務所では同様の表示板を増やしていくようなので、私たちを含め、県民のみなさんの防災意識向上に繋がっていけばと思います。

★防災砂防課(仮称)3.11伝承・減災プロジェクトのページ★

(S.O)

災害廃棄物の処理に向けて~焼却施設鋭意建設中!~

2012年03月28日 | 復旧・復興への取り組み

3月23日の石巻工業港の様子です。
何やら大きな建造物の建設が進んでいます。

この建造物の正体は・・・


災害廃棄物処理用の焼却炉でした!
写真はJFE製のロータリーキルン1号炉と2号炉です(キルンとは炉のことを指します)。
元々、セメントを焼成するために使用されていたものを、今回、災害廃棄物の焼却施設として再利用したとのことです。

この焼却炉は阪神淡路大震災の瓦礫処理でも使用された実績のある焼却炉なんです。

回転しながら800℃の高温で震災廃棄物を燃やします
後方には熱処理をするための減温機と、有害物質を除去するためのフィルタが設置されています。
1号炉は5月下旬に、2号炉は6月中旬に稼働予定です。


こちらは建設中の三菱重工製ストーカ炉(ストーカとは火格子のことをいいます)。
こちらのストーカ炉は1基は7月末、2基が8月初旬に稼働します。
ロータリーキルン2基・ストーカ炉3基が全て完成すると、1日に1500t処理出来る予定です。
焼却炉としては国内最大級なんだそうです




今回の災害廃棄物の一番の難敵は、なんと言っても漁網です。
通常の破砕機では絡まってしまい、破砕機自体が故障してしまいます。
そのため、上の写真に写っているデンマーク製の高性能破砕機(MJ破砕機)を導入するそうです。




粗破砕した災害廃棄物を手選別施設に搬出するためのベルトコンベアーです。
各種選別施設によって分別(選別)を徹底することが、今回の災害廃棄物の減容に大きく貢献します。
災害廃棄物処理は、丁寧な選別で如何にリサイクル率を上げていくかが肝心です。

ぱっと見てインパクトのある焼却施設にばかり目がいきがちですが、実は今回の災害廃棄物処理の要は、人の手が多くかけられる「選別ライン」なのです。
人の手が多くかけられるということは、雇用にも繋がります。
要の選別ラインも含め、最大で1250人/日の地元雇用を予定しているそうです。
また、災害廃棄物の処理が終了後も次の就職に繋がるように、処理施設稼働後は重機技能講習などの講習会も開催していくそうです。


こちらは、県が建設を進めている処理施設に隣接する石巻市の災害廃棄物の仮置き場です。
自然発火防止のために、ガス抜きの煙突が設置されています。
手前の赤い枠で囲まれたところは畳ゾーンです。
畳を他の震災廃棄物と同じように高く積み上げてしまうと、発火し、火災の原因となるため、小分けの山にして畑の畝(うね)のように、間隔を開けて仮置きしているようです。

県内では早いところで3月24日に亘理地区の仮設焼却炉に火が入りました!

石巻地域も災害廃棄物処理施設完成までもう少しです!
被災地最大の焼却施設&選別ラインが稼働し、ガンガン廃棄物の山が減っていくことでしょう!

災害廃棄物処理については今後も経過をレポートしていきたいと思います。

★がれきの県内処理推進(3月28日産経新聞)★

(S.O)