遠藤雷太のうろうろブログ

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佃典彦「ぬけがら」

2010-03-08 21:48:01 | 読書感想文
2010/3/8

佃典彦「ぬけがら」を読む。
岸田国士戯曲賞受賞作。すごく権威のある賞なのはわかるんだけど、そのすごさのよくわからない作品が受賞することも少なくない。
そんななか「ぬけがら」は面白かった。
主な登場人物は、認知症で82歳の父親とその息子。この父親が脱皮を繰り返してどんどん若返っていくという話。
すごくシュールである意味グロテスクな作品だと思うんだけど、下品な感じはしなかった。
戯曲は文学であると同時に演劇的な仕掛けがないといけないと思うけど、そういう意味でもおもしろい。「ぬけがら」を演じる役者さんが存在するっていうのがいい。鍋や自動車くらいなら演じた人はいるだろうけど、「ぬけがら」を演じた人っていうのはあんまりいないのでは。役者さん、大変そう。北島マヤでさえぬいぐるみまでだたのに「ぬけがら」って。
でも、役者さんがちょっとムリをする感じが、いい「フック」になるのも間違いない。

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