2024/2/5
・お互い既婚者なのに一夜を共にしてしまった男女が、一年に一度二十五年間、同じホテルにて逢瀬を続ける話。
・OrgofA上演の本作は2019年以来2回目の観劇。
・開場中、ホテルマン姿の明逸人さんがずっと客席に向かって語り掛けながら、客席の空気をほぐしている。
・長尺・翻訳物・ほぼ古典と人を緊張させる要素が多いので、そうやってお客さんにリラックスしてもらうのはコメディにとってとても大切だと思う。
・自分が観たのは年代ごとに3組の男女が演じるスペシャル回。六人の演者による二人芝居。
・どんな役者でも、一人の役を二十五年分も演じると、絶対に実年齢と合わない年代を演じることになる。
・それも役者の腕の見せどころだけど、各年代を実年齢に近い人が演じると、別種の納得感が生まれる。
・序盤は本庄一登くんと小野寺愛美さん。新しい出会い、初めての不倫。不安と混乱。そして、開き直り。
・一度手放してしまうと二度と手に入らないような感覚が詰め込まれていた。
・続いて飛世早哉香さん、遠藤洋平くん。今回の公演の本役でもあり、経験値の違いは舞台上にも現れている。
・存在として、演技として、公演として、あらゆる意味でこだわりが強い。
・前公演の記憶はだいぶボンヤリしているけど、遠藤くんの演技がより身体的で予測できない感じになっていた。
・二人が積み上げた関係性の成せる業なんだと思う。
・締めは町田誠也さん、太田有香さん。
・人生の荒波に揉まれ執着が取れていった感じがする町田ジョージと、自分の可能性を信じて行動し続け、ようやく一息ついた感じの太田ドリス。
・何かしているわけではなくても、いろいろなことがあったんだろうなと思わせる演技は、月並みだけど若い人には出せない味だと思う。
・似た雰囲気の役者さんを集めたようには見えないし、実際、三人の演者さんが同一人物に見えるわけではないけど、そのギャップは意外なほど脳内で補完できる。
・駅伝のチームのような意味で一体感がある。
・不思議で新鮮な感覚だったので、「それなら二人だけで演じたらどう見えるんだろう」と思うのも当然だし、実際SNS上でそういう感想が多かったのも納得だった。
(2024/2/5 19時の回 ターミナルプラザことにPATOS)
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