2024/1/23
フリーライターの高橋ユキさんが山口県で起きた連続殺人放火事件を調査した本。
山口県の山奥、8世帯12人が住んでいる集落で5人が殺され、家を放火されている。
犯人はすでに逮捕されていて、本書が書かれている間は裁判中。
犯行声明としか思えない貼り紙の真相、もうひとつの放火事件、犯人の妄想障害。
事件も気になるが筆者も気になる。
事件が発生した限界集落には縁もゆかりもないヨソ者がやってきて、事件のことを根掘り葉掘りで聞いて回るところから始まる。
当たり前だけど、住人から歓迎されるわけがないし、本になるまでにも何年もかかっている。
すぐにはお金にならない。それどころか、赤字なのでは。
事件の真相というゴールには、いくら時間をかけてもたどり着けないものだと思うけど、それでも調べずにはいられないライターの業のようなものを感じる。
こういう他者との距離感を適度に測りつつ、自発的に世の中の解像度を上げてくれるような人って、とても貴重だと思った。
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