遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

片渕須直監督『アリーテ姫』(2000年)

2019-12-24 01:02:13 | DVD・VHS・動画など

アリーテ姫予告編

2019/12/16

・アリーテ姫が悪い魔法使いにさらわれてしまう話。

・「世間知らずな姫が外の世界と出会う話」も、「何者でもない私が自分自身と向き合う話」も、世の中にはいくらでもあるけど、片渕須直監督が描くとまた全然違う見え方になる。

・かわいいのは間違いないんだけど、美しいかと言われるとちょっと答えをためらう感じの姫。

・人の線はかなり単純。人を緊張させない素朴な感じ。

・侍女の服の絵柄がかわいい。モデルはちゃんとあるんだろうけど、小さい子の絵みたい。

・すれっからしの大人から「おやおや、人生には何か意味があると、まだ信じているのかい」と皮肉られ、アリーテ姫は幼い顔して「当たり前じゃない」と返す。人生との向き合い方が一枚上手。

・作り手もヒロイン自身も見た目の美しさに何の価値も持っていない感じ。徹底している。

・たぶんプリンセスという題材もギャップを狙う意図的な選択。

・子どもが成長して人になるのではなく女になる。本作では女にさせられる。見た目や肉体的な話ではないところが、かえっておぞましい。

・それでも、ちょっとアドバイス貰っただけで、結局自分でピンチを解決している。強い。賢い。

・悪い魔法使いの行動原理がよくわからず。勝手に自滅している。自身が魔法使いであることに依存し、魔法という存在に振り回されている。

・対して、アリーテ姫。三つしか願いごとがかなえられない魔法の指輪の、最初の使い方が部屋の掃除をすること。教訓じみている。

・強い魔法が使えることより、弱い魔法を正しく使えるほうが強い。なんにでも置き換えられる。

・魔法の力の一番派手なシーン。派手な効果にいたるまでの過程を丁寧に描いている。こういうの大事。

・魔法より科学より物語を上位に置いている。どちらかというと味方だった魔女もさらりと魔法を捨てている。

・姫として生まれ、旅人として目覚める。

・かっこよすぎるけど、強制されもせずにあんなところまで行ってしまうのは、別の呪いが発動している。

・見るからにおいしくなさそうな赤いかゆ。あれなんなんだろう。

 

アリーテ姫 [DVD]
ダイアナ・コールス
小学館
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする