えみち in East Lansing, Michigan

Michigan State U. 大学院生えみちの怒濤の日々。(読逃&アドレスを第三者に教える事はご遠慮下さいませ)

Dove's Campaign for Real Beauty

2007年01月29日 | 大学院授業
Strategic Communication Researchで出された課題。
リサーチをうまく使っていると思うPR・広告事例を選び、
どんな点がリサーチをうまく使っているのか説明せよ
分量は1-2枚ということだし、解釈の幅が広いので
簡単だと思っていたら意外と苦戦
随分遠回りしました。

1)とある車の広告を取り上げようとしたんだけど、
折角PR専攻なんだからやっぱりPR事例にしよう
詳しく調べる前に却下1

2)先日面接してもらったマーケティング会社のwebを見てたら
クライアントにチョコレートの会社。
その会社で何かネタにできないかな、、と見ていると、
カカオ含有%表示をしたチョコレートを市場投入」という記事。
リッチな味わいのチョコが人気が出ているのと、
カカオ表示があるとお菓子作りのためにチョコを買う人に
便利だから、という理由らしい。
これは市場調査のたまもの!と一度これにしかけたけど、
「これってPRっていうかそれ以前の製品戦略じゃ?
と思って却下2

3)購読しているPRのメルマガでマクドナルドが取り上げられていた。
マックの店舗に子供用アスレチックを併設するというもの。
増加する小児肥満対策ってことでリサーチとリンクする?と
思ったものの、なぜかこのニュース、マック本体で
大々的に展開しているのではなくてフランチャイズ独自、
ローカルな取り組みらしい。
あと、もしリリースの中に増加する小児肥満についてのデータがあれば、
(前年度比とか、何%の子供が肥満だ、とか)
世の中の動きをうまくリサーチして取り込んでいる、
と言えると思ったんだけど、特にナシ
うーん、却下3

4)マックってアメリカの象徴のひとつだし、とマックのWeb内を検索。
トリノオリンピックの時に合わせて
栄養表示をつけた包み紙を導入、
トリノから徐々に世界展開するという発表があり、
あ、これはいいな、とピンと来て決定
なぜいいと思ったかというと
トリノにどれだけの注目が集まるかを調査している
(訪問者数、メディアの注目度双方)
マック自身オリンピックのスポンサー。
その相乗効果を計算している
ヨーロッパ市場の拡大を目指している
上記を考慮してトリノにタイミングを合わせた
(本当なら他の場所でもいいし、もっと早くに導入できたのかも。)

それで書き上げたのですが。。。。
翌日読み返して納得いかなくなった。
だって、↑で書いたことって全部私の想像なんだもん
根拠がなくって単なる絵空事

ということで、4度目の却下
折角書き上げたので、このまま提出するかも、だけど、
もうちょっとあがいてみようと思った。

そこで図書館に行き、PRとか広告とかマーケとか
そういう関連の雑誌をもう1回チェックしてみた。
そしたら前回は見かけなかった号を発見。
ちょうどSilver AnvilというPRSAの表彰する
PR大賞を受賞したキャンペーンについてのページがあった。
それがDoveのCampaign for Real Beauty
「ありのままの自分に自信を持ちましょう!」
っていう主旨で、CMなどにスーパーモデルを使わず、
フツー体型の女性を使う、などなど。。
このキャンペーンのベースとなった調査
(10カ国3,000人の女性を対象)についてや、
キャンペーンの成果についても載っていて、
私が今回の課題で必要な情報はほぼ網羅

やったー!ネバってよかったー!
5度目の正直
この記事をもとにCampaign for Real Beautyで検索をかけ、
他にもいろいろと情報を入手して完成させました。

ちなみに、Doveが行った調査結果というのは下記の通り。
自分を美しいと思っている女性はたったの2%
自分の体重や体型に満足している女性は13%
68%の女性がメディアや広告の中の美は
現実的でない/ありえない、と考えている。
(だからこそ「現実の自分」を肯定するような
フツー体型モデルの起用になったというわけです。)

でも、この話には続きがあって。
当日、授業でひとりづつが自分の事例について発表するんだけど、
なーんと、他の人とネタが被ってしまったのよね。
(実は心配してたんだけど)
しかも彼の方が先の発表順だった

彼が終わったら「実は私もなんですぅ。。」と言おうと思ったのだけど、
教授に「で、このキャペーンはどんな成果があったの?」と
突っ込まれて彼が答えられないでいたので手を挙げて
Webページビューの増大
メディア露出
製品売り上げアップ
っていう成果とその具体的な数字を発言しました。
話横取りか。。
今回は私の方が情報が多かったからよかったけど、
そうじゃなかったら完全においしいところを
持って行かれてしまうキケンがあったわけで。。
やっぱりオリジナリティは大切です。
自分ならではの視点、自分しかできないこと、
自分だからこそやらなくてはいけないこと。
自分マーケティングです。
いつも心がけるようにしてるんですがちょっとサボってました。

ちなみにここまで苦労したのは私ぐらいで、
皆想像のレベルで割りと気楽に書いたらしい。
ま、いいけどね。。

まとめると、今回のDoveのケースを選んだのは、
リサーチを用いることによって、
業界の固定概念や、既存のやり方をひっくり返し、
斬新な方法を用いて成果を収めた
というところに今回の課題の主旨に合うものを感じたから。
というのは、私も含め、実際の仕事をしている中では
自分の経験とか、業界のジョーシキだけで
物事を進めることって多い
当たり前、と思ってわざわざ検証しないってもあるし、
もっと現実的な問題、コストや時間をかけられないってのもある。

ありきたりで優等生的なコメントだけど、
常にいろんな角度で自分の仕事を見ないとダメだなぁと
仕事から離れているくせに感じました。
仕事を再開した時に覚えているといいんですが(苦笑)。

<関連リンク>
Campaign for Real Beautyのサイト

<今日の写真>

こんな風にどんよーり。


積雪は10センチ近く。このゴミ箱はフタが丸くなってて雪が滑り落ちるそんなに積もってない。


視界に白い幕を張ったよう。


雪原には動物の足跡がいっぱい。
動物の活動の痕跡を見ることができるのは冬ならではで楽しい。

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4 コメント

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Unknown (あけ)
2007-02-09 01:29:56
あれ本当に太目のヒトがでかパンとかはいてでている広告だったよね。うちの夫は怒ってました。私も消費意欲はわかなかったけどなー、売り上げ上がったんだ?
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売り上げ (えみち)
2007-02-09 02:04:51
うん、売り上げ上がったらしいよ。PRSAの大賞受賞レポによると、広告でフィーチャーした製品はキャンペーン開始二ヶ月で600%の伸びだってさ。

私は実物を見てなくてWeb上の画像でしか観てないんだ。クラスでは「それでもあのモデルの人達はまだキレイな方じゃないか」という話になったよ。私個人としてはやっぱりあけと同じく購買意欲はわかないと思う。っていうかキャンペーンだけで購買意欲はわかないかなー。

あと、「思い切ったことしたなー」ってのは正直なところ。やっぱりブランドイメージ傷つけるリスクもあるわけで。うがった見方をすれば何か面白いことありきで最初にやることが決まって、その後、リサーチをしたのかも、と思ったりした。
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あのキャンペーンは.. (じょお)
2007-02-10 15:50:45
たしかO社だったような。
日本でも同じコンセプトもってきて、そのクリエィテイィブディレクターにSのときの広告作ってもらってた。
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あたり (えみち)
2007-02-10 16:00:41
>じょお様
私はPRの方の資料(PR大賞を受賞したことについての記事)を主に見ていたので今改めてAdvertising Ageという雑誌の記事のコピーを引っ張りだしてみました。それによるとアタリ、O&M社さんみたいですね。そういえば、DoveはグローバルでO&Mさんなんでした。。(先学期ケーススタディでDoveもやったんです。その時O&Mが出てきてた。)ちなみにPRの方はO&M社さん系列じゃなくてEdelmanでした。(独立系最大手)
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