松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

松山櫨と普通のハゼ

2011-01-14 10:36:23 | 復活奮闘日記
最近、こんな質問をよく受けます。

松山櫨と、そこらへんに生えている普通のハゼとの違いは何ですか?

そこらへんに生えている「普通のハゼ」とは、これいかに?

例えば川縁や土手にわずかに残っているハゼ、あるいは山本町のハゼ並木とか?

私が「松山櫨」と連呼してるもんだから、それじゃ自分たちが「ハゼ」と呼んでいるあの木は、きっと普通のハゼに違いないというわけです。

うむむ。この件に関しては、ちょっと説明する必要があるようです。

現在、私たちが見ている櫨は、鳥などによる実生櫨(みしょうはぜ)と、人の手を加えて植えられた接ぎ木櫨のどちらかです。

実生櫨といっても、葉っぱによっては山櫨の特徴を備えているものもありますし、時には大きな実をつけている木もあります。

明かな老木でしっかり実がついており、近所の人が「昔、実をちぎりよる人がおった」という証言があれば、それは言うまでもなく接ぎ木櫨でしょう。

櫨は江戸時代からの長い技術改良の歴史があります。

櫨の実は収益と直接結びついていたわけですから、櫨を育てている人間なら、わざわざ品種の悪い櫨を残さずに、さっさと優良品種に植え替えるに決まっています。

現在私たちが見ることの出来るハゼは、全てその時代の最も優良だと評価された接ぎ木櫨ではないでしょうか。

松山櫨は江戸時代に一世を風靡した櫨の最優良品種ですが、現在、筑後地域に残っていなかったのは他の優良品種に人気を奪われたせいだとも言えます。

それが普通のハゼ。

筑後地域に残る普通のハゼとは「伊吉櫨」です。

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