薫山とユッキーのブログ

本・映画と徒然なる日記です。
キティちゃんのコレクションも始めました。

ニューロマンサー 著者:ウィリアム・ギブスン

2006-05-24 23:37:48 | 

クローム襲撃の次に読んだのがこの作品です。

んー 相変わらず難解な作品でしたが、雰囲気は楽しめました。

読み終わってびっくりしたのですが、映画マトリックスの世界が既にこの小説で表現されていました。小説の引用をすると

マトリックス→無色の虚空に広がる、輝く論理(ロジック)の格子(ラティス)で共感覚幻想の中に、肉体を離脱した意識を投じる電脳空間。

表現が綺麗ですよね。光のラティスです!!

また、小説の中にもザイオン人が出てきます。映画マトリックスはきっとこの作品をモチーフにしているものと思われます。

用語が綺麗な感じがしたほかのものは、対ハッキングの防衛システムが「アイス」と表現されており、ある上位システムに潜入するための必殺のウィルスプログラムが中国製の「クァン・マーク・イレヴン」というネーミングです。

ストーリーは、未来の千葉(作品中では闇医者やヤクザや犯罪者が徘徊する退廃した町になっています)から始まり、主人公ケイスがある任務に参加することを余儀なくされて物語が進んでいきます。

やや話を難解にしてるのは、薫山が理解力無いだけなのですが、、、登場人物がやたらでてきます。

また、話が千葉からあちこちに移動して最後には宇宙空間に浮かぶコロニー?にも行きますし、場面がコロコロ変わりつつ、謎が小出しにされつつ、SF用語が洪水のようにあふれているので、想像力をたくましくしつつ読まないと、よく理解できないところもありました。

主人公のケイスは、元腕利きのカゥボーイ(電脳空間に潜入する職業)らしいのですが、作品中では、過去のことでうじうじして麻薬に溺れ、はっきり言って魅力を感じません。

主人公より、脇役達の方が魅力あります。

モリィ…赤紫色(バーガンディ)の爪の下に薄刃を仕込み短針銃を愛用する女侍。黒服に特殊ゴーグル。
(黒のサングラスだったら、マトリックスのトリニティーみたい)
サイバー忍者wや他人の視覚にフォログラムで幻覚を見せるリヴィエラ。
謎の黒幕ウィンターミュートなど、その他たくさんすぎる脇役。。。

出版時期は1984年なので、22年前です!
この当時では、日本ではインターネットやパソコンだって普及していなかった時代ですね。

いろいろなSF映画を観ていたので、小説の雰囲気がわかりましたけど、逆にこの小説がいろいろなSF映画に影響を及ぼしているかもしれませんね。
小説のあとがきでも、千葉の表現が映画「ブレードランナー」にとても似ているそうです。
この映画も好きです。
題名はNew Romancerかと思っていたらNeuroとRomancerの複合語でした。

薫山(2288